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ブラック隊員と陛下との出会いは、西暦二千年十月の事であった。
拙宅が死霊で溢れかえった、とある平凡な日曜の昼下がり。所謂「師匠」と呼ばれる業種の人物と決別したばかりのブラック隊員は、自分一人の力ではどうにもならない状況に追い込まれ、己の無力さを痛感していた。
「外へ助けを求めに行こう…それしかない!」
そう決意したブラックは、足の赴くままに電車を乗り継ぎ、とある神社に着いた。そこには、大変大きな気配を放つ存在があった。幸い、心の中で話しかけると、物理的で力強い波動を送って来て、私にまとわりついた多数の死霊を全て吸い取ってくれた。
そして、「もう大丈夫じゃ。心配するでないぞ。」と、ハッキリそう感知できるニュアンスの言葉(?)を「脳髄の中に」返して来る。数秒後、その存在の気配が私の前にやって来た。
視覚的には半透明にしか見えない、その存在は、とてつもなく優しくて、高貴極まりない雰囲気を湛えている。これまでに見た事のある死霊・生霊の類とは、全く異なる人種。
驚くなかれ。彼は、生きて働く死霊さんなのである。
ブラックは彼を「陛下」と呼ばせていただく事にした。陛下はブラックの師となり、指導して下さると仰る。こうしてブラック隊員は、世にも珍しい「ヒーラー死霊と暮らす人種」となったのである。 |