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2003年4月初め、ブラック隊員はぶらっと散歩に出かけた。
近所には桜の名所がある。まだ気温が低いからと、あまり期待せずに見に行ったのだが、もはや5分咲きとなっていた。
つぼみをつけた房に花が咲いていると、ほどよい桃色が美しい。
ブラック隊員が一人で出かけたようだが、実は常に他の隊員(レッドを除く)と陛下を必ず伴っている。目に見えないだけである。
桜の花を見入ると、隊員がそれぞれ色んな事を言う。
「兄様、お弁当は要らないんだね。お花が綺麗。」と、イエロー。
「こんなにゆっくり桜を見たのは何年ぶりだろう。」と、ブルー。
「綺麗。日本にもお花見ってあるんだね。」と、ピンク。
そして、陛下は終始無言でおられた。きっと、見飽きているんだろうなあ、とブラック隊員は思った。
陛下は、例の神社から出ないように思われているが、そんな事は無い。よくお一人であちこちへ出かけなさる事が多かったそうである。死霊さんの移動スピードは光の速さだから、あっという間に出かけては帰る事も可能な訳である。また、レベルの高い死霊さんは、ダミー体を作って働かせることも出来るから、陛下は毎年お花見を楽しんでいらっしゃったに相違ない。
ぶらぶらと歩いた後、喫茶店に行ってコーヒーを飲んだ。みんなの好きなカプチーノだ。
2003年4/09
◆用語解説◆
お花見
ピンク隊員はフランス人である。が、フランスにも花を見る風習があるらしい。詳しい事はまだ聞いていないが。
ダミー体
この文章の通り、レベルの高い死霊さんは自分のダミーを作れる。本体はブラック隊員と一緒にいて、ダミー体が巡回に行く、としている隊員が多い。 |