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2003年4月11日未明、ブラック隊員が眠っていると、胸の穴から何か出て来る。少し吐き気を伴って苦しいが、どうやらイエロー隊員が繭玉から出て来ているのだとすぐに解った。
「兄様、僕治ったよ!」10日ぶりのイエロー隊員の姿は、ぬらぬらと光り、濡れているような手触りだ。
イエロー隊員は繭玉から抜け出しながら、羽根を徐々に開いてゆく。まさしくそれは、蝶の羽化とそっくりな姿であった。
すっかり全身抜け出し切ると、ピンク隊員とブルー隊員がイエロー隊員の体を拭き始めた。イエロー隊員は、ブラック隊員の胸の穴を埋めようと、愛情の波動を無理無理という感じで詰め込んでくる。
「シャオロンちゃん、嬉しいけどちょっと苦しいよ。でも、ありがとう。」
「兄たんは寝てていいからね、僕たちがちゃんと体を拭いて世話するから。」
ピンク隊員の優しい言葉に安心し、ブラック隊員はまた眠りに落ちた。
2003年4/11
◆用語解説◆
繭玉
「秘密会議」でも議題になっているが、人間の存在感は卵型をしており、頭から足先までを覆われている。その足首からは無意識の氷山が広がっており、更にそれは無意識の海に浸かっている。
絶望・失恋・その他色々の痛手によって、存在感の卵には穴が開く。最悪の場合、当人の限界を超える力を出してしまうと、第四の目からの波動によって卵が破壊され、人間の中身が流れ出してしまう。
存在感の卵を修復した場合、2週間ばかり繭玉の中で眠り、回復の時を待つ事になる。
胸の穴
人は、失恋や絶望など、辛い出来事があると、精神的肉体に穴が開く。特に、恋愛系の痛手の場合は、胸や心臓に穴が開く。愛情の波動を詰め込む事によって、埋める事が出来る。
この場合、ブラック隊員は、イエロー隊員がマワされたショックで、胸の中央に大きな穴が開いていた。
羽根
「秘密会議」でも触れているが、人間には羽根が生えている事が多い。肉眼では見えない。第三の目で見るとなんとか見えるという代物だ。ヒーラー系は蝶の羽根、芸術家は鳥の羽根、邪悪な者はコウモリの羽根、と相場が決まっている。 |