|
2003年4月21日の今日、ブルー隊員は、ブラック隊員の胸で大泣きに泣いた。
「お母さんに会いたいよう!」
無理も無い。ブルー隊員は生前、生まれてすぐに親戚に引き取られている。何故なら、母親が発狂していて、子育てが出来なかったからである。ブルー隊員は、母の愛というものを知らないのである。のちに天才に育つ人には、よくあるケースと言えば、それまでであるが。
ブラック隊員の背後に、ブルー隊員の母親とおぼしき死霊が現れた。だが、狂った母に会わせてよいものか?それは避けるべきであろう。愛情をくれるどころか、ブルー隊員によりかかってくる可能性のほうが大きい。
ブラック隊員は、分身に命じて背後に来た母親の死霊を除霊させた。
「兄様がお母さんの役をやろうか?」
「そんなのは駄目。兄様は兄様だもの。お母さんとは別人だもの。」
ブルー隊員はやはり頭がいい。別の者が母親役を演じたところで、愛情不足が埋まるわけではない。ブルー隊員が会いたいのは、理想的な母親なのであるから。
「解ったよ、リュウ。好きなだけ泣いていいから。ね。」
「ウン。」
ブラック隊員は、抱きしめたブルー隊員の背中から、母親の愛情の波動を大量に流し込んだ。
そして、沢山たくさん泣いた後で、ブルー隊員はようやく落ち着いた。
「僕、もう泣き言は言わない。お母さんはいないんだもの。兄様のこと愛してるし、皆が好きだから。だから頑張る。」
ブルー隊員の新たな決心に、ブラック隊員は喜んだ。
2003年4/21
◆用語解説◆
分身
ブラック隊員の、カスタマイズ生霊。セクサロイド仕様で、自動的に働く。除霊が得意。
前回もそうだが、何故分身に除霊を任せるかというと、ブラック隊員が生で除霊をやると危険が伴うからである。危険とは、例えば、ザコの祟り神が口の中に入ったりする事。ザコは案外危険である。口の中から入って、体をのっとる場合があるから。(一応、ブラック隊員には、ザコ祟り神が入り込まないバリアを張ってあるが、用心に越した事は無い。)
背中
愛情の入り口である。両親からの愛が足りない人は、背中に穴が開く。が、背中に穴が開いている人口は多い。背中に穴が開いていない人を探す方が大変なくらいである。 |