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先行音効果

録音波形の絶対極性からの続きです。

Re: ハース効果 投稿者:HD  投稿日:2006年12月 9日(土)21時04分0秒

<RS::・・・ハース効果は、波の最初の数サイクル(300Hzで1/60秒程度)で減衰すると思っていました。実際は2,3秒続くらしいですね。>

http://www.rane.com/par-h.html
http://www.answers.com/topic/haas-effect
によりますと、個人差はあると思いますが40ミリ秒程度のようです。

<実際の音楽では1秒以下の間に同じ楽器の複数の音の立ち上がりがあることは頻繁にありますので、それにより方向知覚ができるということになりますね。>

2番目の資料には、ハース効果の出るのは同一(identical)の音が来た場合とありますから、おっしゃるように、異なる性質の音が来た場合はもっと短い時間差でも音の来る方向を感知するのではないかと思いますが。

Re: ハース効果 投稿者:RS 投稿日:12月10日(日)01時35分30秒
HD さん

< ハース効果は、波の最初の数サイクル(300Hzで1/60秒程度)で減衰すると思っていました。実際は2,3秒続くらしいですね。>

これは、昨日見たあるHPにあったのですが、URLを記録しなかったし、履歴にも残っていないので、後で探してみます。

http://www.rane.com/par-h.htmlを訳してみました。下手な訳ですが。

以下の訳には、ハース効果の持続時間についての記述はありません。
--------------------------------------------------------
ハース効果
ハース効果、先行効果とも呼ばれる、は、異なるタイミングで両耳に届く音源の方向を正しく見分ける人間音響心理学的現象についての記述である。頭部の幾何学的構造(二つの耳が間隔を隔ててあり、障壁によって分離されている)により、任意の音源からの音は、音源に近い方の耳に先に到達し、遠い方の耳は消失する。ハース効果によると、人間は引き続く音の到達が25〜35ms以内であると、音源を最初に到達した音に基づいて限定する。もし、後の到達がそれ以上遅いと、二つの別の音が聴こえる。ハース効果は、第二の到達の方が大きな音であっても(後のが10dB大きい場合でさえも)成り立つ。要するに、我々は、遅れた音を「聴かない」のである。これは、人間の他の知覚にもある抑制の例(*)である。知覚抑制とは、最初の刺激が次の刺激に対する反応を抑制する、すなわち、最初に一つの耳に到達した音が、もう一つの耳に遅れて(35ms以内に)到達した音を「聴かない」ようにする。同時に両方の耳に到達した音は正面あるいは後ろからあるいは頭部内の音として聴こえる。ハース効果はただ二つだけのスピーカによる完全ステレオ再生(full stereophonic reproduction)がどうしたら可能かを物語る。
--------------------------------------------------------
(*)訳者注
視覚では「ラテラルインヒビション」というのがあり、光が当たっている視細胞の回りの視細胞には抑制がかかり、明暗の境界が強調される。これは空間的な抑制の例であり、かつ、網膜上の現象のようである。聴覚の場合は時間的な抑制であり、知覚情報が脳に届いてからの現象のようである。同じ抑制現象といっても、その機構にはいろいろありそうである。

Re2: ハース効果 投稿者:志賀 投稿日:12月10日(日)09時20分32秒
RS さん:

<ハース効果は、波の最初の数サイクル(300Hzで1/60秒程度)で減衰すると思っていました。実際は2,3秒続くらしいですね。>

引用されたサイトの

<・・・・・・・・・・知覚抑制とは、最初の刺激が次の刺激に対する>反応を抑制する、すなわち、最初に一つの耳に到達した音が、もう一>つの耳に遅れて(35ms以内に)到達した音を「聴かない」ようにする。>

この部分の説明ちょっと腑に落ちません。

私の理解では、ハース効果とういのは元々建築音響の分野から出てきた言葉で「反射音が原音より30msec程度以内に耳に入ればたとえその強さが原音より大きくても(限度はあるが)最初に耳に届いた原音の方向に定位する」というものです。上の文を文字通り読むと(原文もそうなっていますね)左から来た音は左耳に先に到達するので右耳は音を感じないと読めます。これでは少なくとも低音域では左右の耳が感じる位相差(時間差)が方向感を決める要素となるという事実に矛盾します。

ハース効果が2、3秒 続くというのは、もし反射音のレベルが原音よりかなり小さければ、2、3秒後に到達しても原音が優先すると言うもののようです。当然その時間は反射音の原音に対する強さの比に依存します。
削除しましたが、
http://www38.tok2.com/home/shigaarch/OldBBS/stereoimage.html
で引用している文献を読めばすむことですよ。

ハース効果など 投稿者:HD  投稿日:12月10日(日)12時16分13秒  

http://human-factors.arc.nasa.gov/ihh/spatial/papers/pdfs_db/Begault_2000_3d_Sound_Multimedia.pdf

NASAの文献ですが、31ページ CHAPTER TWOにもいろいろ書いてあります(読みきれてませんが)、36ページからハース効果について実験の結果も含めて書いてあります。 ヘッドフォンで聴いた場合ですが、左側にディレーをかけ時間をずらていくと、ディレー無しでは当然ですが、センターに定位、0.6msecで右に行き、0.7msec〜35msecまではほとんど変化無し、40msecで左側も少し聞こえるという事のようです。

何かで読んだ記憶では、ハース効果の終わったあとの音は反射音あるいは残響音と認識されるとかです。

ハース効果 投稿者:AC  投稿日:12月10日(日)13時46分38秒
皆さん:

ハース効果について、私も参加させてください。

HDさんの示されたNASAの文献、面白そうですね。あとからゆっくり読ませてもらいます。

さて、ハース効果についていろいろ誤解があるように見受けられます。まず、志賀さんも書いておられますが、RSさんの訳された、『知覚抑制』に関する元の英文の記述は明らかな間違いだろうと思います。(後に実験結果で示します)。また英文全体をざっと眺めると、『両耳に到達する音に立ち上がり時間差があると、ハース効果なるものが現れる』と読むことが出来ます。これだとRSさんの様に、「じゃあその効果はどの程度持続するのだろう?」と疑問を持たれるのも当然だと思います。でも、ハース効果というのは、立ち上がり時間差ではなくあくまで波形のずれにより、生じるものだと思います。つまり、「ハース効果の持続時間」というものは、そもそも無いということになります。

これらに関して、例によってプログラムを作って実験をしてみました。まとめて今日中に報告しますので、少々お待ちくださいませ。

それから、RSさんの『2,3秒続く』というのは、何のことか気になります。URLが見つかりましたら、教えてください。

ハース効果など 投稿者:HD  投稿日:12月10日(日)16時03分31秒
http://www.parmly.luc.edu/parmly/clifton.html

こういうのもあります。実験が聞けます。ハース効果につきましてはその後いろいろ調べられているようで、

「Fortunately for us there exists the phenomenon of the 'precedence effect'. This is a neurological effect where the brain is capable of gathering data about a set of impulsive sounds being heard and combining this information into a single perception. The precedence effect allows us to hear similar types of sonic events with fast onset that occur as much as 35 milliseconds apart as a single event. As a result of the precedence effect a 31 millisecond delay might not be heard as inaccurate even though the precedence effect is less effective in most practical situations where there is a mixture of types of sounds (for example, string sounds and brass sounds). The problem is made worse when this unavoidable delay is magnified by combination with other factors. 」

「"This has recently been proven in scientific studies, and it's believed to be a critical part of our survival, historically. In other words, we first locate the origin of a sound, a potential danger for example, and then try to identify what it was that made the sound."」

等の記述がありまして、事はそう単純ではないようです。

Re: ハース効果など 投稿者:HD 投稿日:12月10日(日)17時40分58秒

<それから、RSさんの『2,3秒続く』というのは、何のことか気になります。URLが見つかりましたら、教えてください。>

もしかしたら、

http://www.parmly.luc.edu/parmly/franssen.html

に関係あるかも知れません。 この効果は5秒も続くように書いてあります。

http://www.parmly.luc.edu/parmly/

シカゴにある大学の研究室で、聴覚心理に関する研究をやっています。

訂正  投稿者:AC  投稿日:12月10日(日)17時49分24秒

先ほどHDさんの紹介された『Clifton Effect and Precedence Demonstrations』を読んで思ったんですが、そこに書いてある、『Precedence Effect』と『Haas Effect』とが同一のものなら、私が先ほど書いたハース効果の説明はどうも間違いのようです。早とちりをしてしまったようで、どうもすみません。

ただ、私のやった実験は早とちりにかかわらず有効ですので、ちゃんと報告します。今から書きます。少々お待ちください。

訂正  投稿者:AC  投稿日:12月10日(日)21時40分7秒

今ほどの投稿の中で「脳の中に超高速&超高精度の相互相関演算子があるのかもしれません。」という表現をしてしまいましたが、これは一般的な話をしたのであり、「人の脳の中には超高速&超高精度の相互相関演算子があるのかもしれません。」という表現に変えさせてください。

ハース効果?の確認実験  投稿者:AC  投稿日:12月10日(日)21時27分58秒

本当は、もっと綿密な実験をしなければいけないのでしょうが、概要を知るという意味でこれくらいで許してください。

<目的>
左右耳間の音の立ち上がり時間差や、波形の時間シフトが聴覚にどのような影響を与えるのかを調査すること。

<実験概要>
チェロの独奏曲「夢の後に」のwavファイル(44100Hz、16bit、stereo)より途中1秒間を切り出し、未加工の音と以下の方法で加工した音の区別が可能かどうかチェックした。

<データの加工方法>
1.wavデータのLとRに対し、t1msecの立ち上がり時間差を付ける。但し、波形はずらさない。(具体的には、Rの最初のt1msec分のデータを0に、つまり無音にします)

2.wavデータのLとRに対し、t2msecの立ち上がり時間差、及びt2msecの波形シフトを行う。(具体的には、RのデータをLに対し、t2msec分、遅延させます。)

3.wavデータのLとRに対し、t3msecの波形シフトのみを行う。立ち上がりは同時とする。

注)それぞれの加工データは、波形処理ソフトにて正しく加工が行われていることを確認しています。

<実験方法>
前回と同様、未加工のwavデータ(1秒間)4つの中に、上記方法にて加工したwavデータ1つをランダムに混ぜ、5秒間の音声をイヤホンで聴き、手を加えたwavデータが識別できるかをチェックした。

<結果>
1.t1>=5msecの時、識別可能。t1msecの間(ほんの一瞬です)左から聞こえますが、以降はすぐに中央に定位します。

2.t2>=0.07msec(≒3/44100秒)の時、識別可能。定位位置が中央からずれます。

3.t3>=0.07msec(≒3/44100秒)の時、識別可能。定位位置が中央からずれます。

<考察>
結果1より、立ち上がり時間差のみがある場合、その効果は全く継続しないようです。

結果2&3より、波形に時間シフトがあれば、定位位置が移動することが分ります。(時間シフトが続く限り、効果も持続します)。また、立ち上がり時間差は、その後の定位位置の決定に全く関与しないようです。

※左右の耳で0.07msecの波形のずれがあれば検知可能というのは、凄いですね。脳の中に超高速&超高精度の相互相関演算子があるのかもしれません。

今回はstereoデータを使用しましたが、より正確に実験するためにはmonoデータを左右に振り分けて行うべきだったと、これを書きながら少し反省しています。でもチェロ独唱曲のため元々ほぼ中央部に定位しており、左右の波形はほぼ同じと考えられますので、今回はこれで良しとしようと思っています。
また、曲のどの部分を使用するかによって、結果が微妙に異なることが予想されますし、被験者毎の差もあるかもしれません。

という訳で、話のたたき台として使用していただければ幸いです。

Re ハース効果?の確認実験 投稿者:志賀 投稿日:12月10日(日)23時00分27秒   引用
AC さん:

引用略


<という訳で、話のたたき台として使用していただければ幸いです。>

早速の実験恐れ入ります。これはハース効果(先行音効果)の実験というより時間差が音像定位にどれほど寄与するかという実験ですね。

手元にある音響学のテキストには方形波(500,1000,2000 Hz)を0〜1msec ずらして聴いた場合の音源の方向変化を調べた結果が載っています。その実験では最小時間遅れが0.15msec から始まっていますが、この場合各周波数で約15度の方向変化として検知するようです。チェロ弾きさんの結果もこれと矛盾しないですね。

別の認知科学(岩波講座)の本には、どういう実験で測定したのかは定かでないのですが、人間の両耳間の時間差弁別閾は何と10マイクロ秒なんだそうです。これは神経インパルスの持続時間(100マイクロ秒のオーダー?)に比べても短くかなり驚くべきことだと思います。

なおこの本には先行音効果の実験として、まず100msec間左スピーカーのみを鳴らし(どんな音か不明)た後(間隔が開かないように、かつ切り替え音が分からないように)右のスピーカーに切り替えても、左スピーカーから鳴り続けるように聴こえるんだそうです。あるいは、その効果が持続する時間が2,3秒なのかもしれません。 こんな実験は如何ですか?


Re ハース効果?の確認実験 投稿者:AC  投稿日:12月11日(月)00時09分42秒
志賀さん:

<これはハース効果(先行音効果)の実験というより時間差が音像定位にどれほど寄与するかという実験ですね。>

ひょっとしたら、ハース効果を全く誤解していたかもしれませんね。

<なおこの本には先行音効果の実験として、・・・・・その効果が持続する時間が2,3秒なのかもしれません。>

なるほど、だとすると、私のRSさんへの発言はまるで頓珍漢な内容だったのかもしれません。

ハース効果 投稿者:FS 投稿日:12月11日(月)06時45分58秒

私もハース効果は時間差の問題で、左右の耳のうち最初に聴こえた耳の方に音源があるということを人間の脳が認識してしまうということだと思っていました。

人間の脳は左右の耳にたどり着く音の差で音の定位認識をしています。例えば音源が左側にある場合最初に左耳に届く音と、続いて右耳に届く音でそれらの相関(Cohelent)をとり相関が強い音同士(同じ音源からの音と判断して)でどれくらいの時間差/強さの差/特性の差を認識して音の定位と行っています。

このとき、最初に届く音と後から届く音の時間差がキーになるわけですが、人間の左右の耳の距離は回り込みを考えると25cm?程度のため、左右の耳の遅延(どちらかの耳の延長線上に音源がある場合)は最大1ms弱程度となり、それ以上遅延があっても脳は音の定位としては認識できなくなります。(自然界では必ず1ms以内に逆側の耳に音が聞こえるはず)

そこで、脳は左右耳の音の時間差から0ms - 1ms -> 音の定位認識を行う数十ms以上 -> 反射音(最初の音とは別の音)と認識1ms - 数十ms -> 音の定位認識と反射音認識の間にある脳では認識できない音ということになります。

つまり、HDさんの記述にある
<NASAの文献ですが、...ヘッドフォンで聴いた場合ですが、左側にディレーをかけ時間をずらていくと、ディレー無しでは当然ですが、センターに定位、0.6msecで右に行き、0.7msec〜35msecまではほとんど変化無し、40msecで左側も少し聞こえるという事のようです。>

はこのことを表しています。

また、これらの実験では左右の耳に独立に音を届けられるヘッドフォーンしか使かえず、クロストークで逆側の耳にも聴こえてしまうスピーカでは意味が無いことはお分かりになると思います。

Re ハース効果 投稿者:志賀 投稿日:12月11日(月)09時24分13秒
Front Sound Fields さん:

下記の件もっともなご意見ですが、少し細かいことについてコメントします

<私もハース効果は時間差の問題で、左右の耳のうち最初に聴こえた耳の方に音源があるということを人間の脳が認識してしまうということだと思っていました。>

この表現は変ですね。当然のことながら、音源はあくまで音源にあります。耳にあるのではありません。この表現は、少し前理科好きさんが引用された外国のサイトにもありましたが(こちらの方は反対の耳は音を聴いていないと読み取れる表現でもっと極端ですが)誤解を招きます。ただし、下に書いておられることを読むと単に表現の問題だと思いますが。要するに、左右の耳は1msec以内にそれぞれのの機能を果たし第一波の音源の位置を探知しているわけです。

・・・・・・・
<そこで、脳は左右耳の音の時間差から 0ms - 1ms -> 音の定位認識を行う>

時間差および音量差ですね。どちらかというと音量差のほうが支配的のようですね。左右の耳の時間差が最大1ms ということは1000Hz以上の音は時間差からの方向定位には役に立たないということで実際の実験でもそのようになっているようです。

<数十ms以上 -> 反射音(最初の音とは別の音)と認識>

これも言葉の意味の問題ですが「反射音」とは物理的な現象で人間の認識とは関係ありません。エコーあるいはフラッたーとして認識するというべきでしょう。別の音といっておられるのはそのことを指しておられるんだとは思いますが。

< 1ms - 数十ms -> 音の定位認識と反射音認識の間にある脳では認識できない音ということになります。>

これがまさにハース効果に関る現象ですね。上の表現では何のことかよくわかりませんが?

という調子でこの掲示板では外交辞令抜きで単刀直入に意見を言うことになっています。気を悪くなさらず以後も投稿よろしく願います。


Re: Re ハース効果?の確認実験  投稿者:HD  投稿日:12月11日(月)12時06分7秒

<なおこの本には先行音効果の実験として、まず100msec間左スピーカーのみを鳴らし(どんな音か不明)た後(間隔が開かないように、かつ切り替え音が分からないように)右のスピーカーに切り替えても、左スピーカーから鳴り続けるように聴こえるんだそうです。あるいは、その効果が持続する時間が2,3秒なのかもしれません。 こんな実験は如何ですか?>

この現象は、前に紹介しました

http://www.parmly.luc.edu/parmly/franssen.html

に「音声」のファイル付きで説明されてます。この音声ファイルをダウンロードしてイアフォンとスピーカで聞いて見ました。結果、書かれてます様に広い帯域ノイズの場合は、左に先に音が出て右に移動します。イアフォンでもスピーカでも同様で波形観察と一致します。

1000Hzの純音の場合は、イアフォンでは左に先に出て右に移ります(波形観察と一致)。スピーカで聞いた(当然ですが、部屋に反射音ー残響あり)場合は音像はやや大きいですが左から出て5秒の間ずっと左から聞こえます(波形観察と一致しない)。 無響室や非常にデッドな部屋ではイアフォンのようになると思います。これはハース効果ではなく、フランセン効果として説明されています。

ついでながら、ハース効果=先行音効果と言うのは、音がいずれかの耳に到達した初期の段階(800マイクロ秒位)で人間は、音源の方向と音源までの距離、音の性質を認識して、この認識が約35ミリ秒続く、この間に同質の音が違う所から新たに発せられても再認識しないという事と理解しています。

Re2 ハース効果?の確認実験 投稿者:志賀 投稿日:12月11日(月)14時17分53秒   引用
HD さん:

<スピーカで聞いた(当然ですが、部屋に反射音ー残響あり)場合は音像はやや大きいですが左から出て5秒の間ずっと左から聞こえます(波形観察と一致しない)。 無響室や非常にデッドな部屋ではイアフォンのようになると思います。これはハース効果ではなく、フラッセン効果として説明されています。>

スピーカーではまだ試していませんが純音の場合だけ先行音効果が出るというのは不思議ですね。ちなみに先に紹介した実験は先行音効果の1つの実験として挙げてあった物でハース効果という言葉は使ってありませんでした。先行音効果にも色々のタイプがあるということですね。

<ついでながら、ハース効果=先行音効果と言うのは、音がいずれかの耳に到達した初期の段階(800マイクロ秒位)で人間は、音源の方向と音源までの距離、音の性質を認識して、この認識が約35ミリ秒続く、この間に同質の音が違う所から新たに発せられても再認識しないという事と理解しています。>

これが今まで出た中では最も正確にハース効果を説明しているようですね。

Re3 ハース効果?の確認実験 投稿者:AC  投稿日:12月11日(月)21時45分29秒
志賀さん、HDさん:

<先行音効果にも色々のタイプがあるということですね。>

どうもそのようです。というより、ハース効果とフランセン効果は、全く別物のような印象を持ちます。

で、私もフランセン効果の実験をやってみましたが、外付けスピーカがパソコン用のチャチなものだったせいか、うまくいきませんでした。左から出てすーっと右へ動いて、そこで止まってしまいました。(一応配置や角度は書いてあるようにはしてみたんですが)。事前に波形を見たりイヤホンで聞いたりして、変な先入観を持っていたせいもあるかな?

このフランセン効果なら、『数秒間保持される』といった表現はぴったり来そうです。

<<ついでながら、ハース効果=先行音効果と言うのは、音がいずれかの耳に到達した初期の段階(800マイクロ秒位)で人間は、音源の方向と音源までの距離、音の性質を認識して、この認識が約35ミリ秒
H>続く、この間に同質の音が違う所から新たに発せられても再認識しないという事と理解しています。>>


<これが今まで出た中では最も正確にハース効果を説明しているようですね。>

これは、
1.片方の耳で800マイクロ秒以内に音源の方向や距離等を認識し、
2.約35ミリ秒間は異質の音が違うところから新たに発せられない限りその認識をそのまま保持し、
3.その後は解除される。

という意味でしょうか?

だとすると、いくつかの疑問が生じます。
Q1.まず、片耳だけの情報でどうやって音源の方向や距離等を認識するのか?
Q2.何故約35ミリ秒間、続くのか?
  因みに、前にRSさんが訳された英文に出てきた「35ms」というのは、継続時間ではなく遅延時間のことですよね!?
Q3.35ミリ秒以降、保持が解除されるとすると、例えば今まで左に定位していたのが約35ミリ秒を境に中央に定位するといった、不思議な現象が起きそうですが、普通そうならないですよね!?

Re: ハース効果 投稿者:RS  投稿日:12月11日(月)22時33分24秒

議論の展開が速くてフォロウアップできていません。

ACさん
<それから、RSさんの『2,3秒続く』というのは、何のことか気になります。URLが見つかりましたら、教えてください。>
http://flawtips.ami.amigasa.jp/blog/050509.html ですね。

その中で、下の記述があります。2,3秒で、効果が消失するということは、2,3秒間効果が続くと考えました。しかし、どうもこのHPの記述もフランセン効果との混乱があるようです。
--------------------------------------------------
音の長さですが、
持続するような音であると、真ん中に位置しているように感じられます。例えば、遅らせる時間を適度な値に設定して音が左右に独立しないようにしても、2,3秒ほど持続する音だと、そういう感じになります。
--------------------------------------------------

Re4 ハース効果?の確認実験  投稿者:志賀 投稿日:12月11日(月)22時42分58秒
AC さん:

<私もフランセン効果の実験をやってみましたが、外付けスピーカがパソコン用のチャチなものだったせいか、うまくいきませんでした。左から出てすーっと右へ動いて、そこで止まってしまいました>

私もパソコンの外付けSPで試しましたがHDさんの言われる通り純音だと、定位感はかなりぼやけていますが、左側に固定したように聴こえましたよ。どうも立ち上がりの所で決まるような気がします。左右切り替えの時に一瞬でも無音にすると右に移るかもしれない気がします。

<Q1.まず、片耳だけの情報でどうやって音源の方向や距離等を認識するのか?>

音源に近い方の耳に到着した瞬間から800マイクロ秒以内ということで、もう一方の耳にももちろん届き両耳効果で方向を探知すると受け取っています。

<Q2.何故約35ミリ秒間、続くのか?>

これは分からないですね。少し古い(1994年)ですが先に挙げた認知科学の本にも神経生理学的メカニズムは未解明だとありました。

<Q3.35ミリ秒以降、保持が解除されるとすると、例えば今まで左に定位していたのが約35ミリ秒を境に中央に定位するといった、不思議な現象が起きそうですが、普通そうならないですよね!?>

音源の位置が変わらなければずっと定位も変わらないと思いますよ。35msec以後に別の方向から反射音(同質の音)が到達すればその方向から来たエコーとして認識すると云うことだと思います。

ハース効果の応用として、縦長の大きいホールで後方においたスピーカーの音をステージでの原音よりわずかに(30msec以内)遅延させてやると、ステージで大きな音がしているように感じるんだそうです。


Re ハース効果?の確認実験 投稿者:RS  投稿日:12月11日(月)23時14分35秒
志賀さん
<人間の両耳間の時間差弁別閾は何と10マイクロ秒なんだそうです。これは神経インパルスの持続時間(100マイクロ秒のオーダー?)に比べても短くかなり驚くべきことだと思います。>

これは、左右の聴覚神経が脳を経由せずに直接つながっている可能性を示唆しているように私には思えます。

Re: Re3 ハース効果?の確認実験 投稿者:HD  投稿日:12月11日(月)23時44分38秒
AC さん:

> 1.片方の耳で800マイクロ秒以内に音源の方向や距離等を認識し、
> 2.約35ミリ秒間は異質の音が違うところから新たに発せられない限りその認識をそのまま保持し、
> 3.その後は解除される。


1. は、いずれか音源に近いほうの耳に音が到達してから800マイクロ秒位でという意味です。 人の両耳間隔は15〜17cmくらいですから、単純に考えると真横から来た音でも約500マイクロ秒の差です(音の回り込みで反対側の耳に到達するとしても700マ  イクロ秒位ですか)。前方や後方から来る音はもっと短い時間差で両耳が捉えます。 到達時間差と左右の耳で聞こえる音の強度差で方向を認識すると理解しています。

2. 3はおっしゃる通りだと理解しています。

<だとすると、いくつかの疑問が生じます。
Q1.まず、片耳だけの情報でどうやって音源の方向や距離等を認識するのか?>


両耳での情報だと思います。

< Q2.何故約35ミリ秒間、続くのか?>

ハース氏が1949年に学位論文に書かれたそうですから、何らかの測定、理論付けがなされたと思いますが、Haas Effectで検索しますと、20ミリ秒〜40ミリ秒といろいろあります(個人差もあるようです)。

<因みに、前に理科好きさんが訳された英文に出てきた「35ms」というのは、継続時間ではなく遅延時間のことですよね!?>

ハース効果の継続時間だと理解していますが。

<Q3.35ミリ秒以降、保持が解除されるとすると、例えば今まで左に定位していたのが約35ミリ秒を境に中央に定位するといった、不思議な現象が起きそうですが、普通そうならないですよね!?>

35ミリ秒以上同じ音源位置で同じ音が継続すると同じ所に定位するでしょう。 35ミリ秒以内に音が消えるとその時点から聞こえなくなりますね。

Re5 ハース効果?の確認実験 投稿者:AC  投稿日:12月11日(月)23時47分47秒
志賀さん:

毎度毎度お世話かけます。私、やっぱり決定的な間違いを犯していたようです。先ほど投稿してから、ようやくそれに気づきました。今までハース効果というのを、1音源と2つの耳の時間差で考えていましたが、そうではなく、2音源の時間差(と2つの耳)で考えればいいんですよね!? そうすれば、今までの皆さんの発言とのずれがすべて解決するような気がします。

<ハース効果の応用として、縦長の大きいホールで後方においたスピーカーの音をステージでの原音よりわずかに(30msec以内)遅延させてやると、ステージで大きな音がしているように感じるんだそうです。>

この記述でハース効果の意味がはっきりと分りました(と思います)。そういうことだったんですね。ありがとうございます。これでぐっすり眠れそうです。

持続音に対する定位 投稿者:HD  投稿日:12月12日(火)13時57分24秒

先行音効果による定位への影響を避けるために故意に音の立ち上がりを遅くしたという、

http://www.sug.i.ryukoku.ac.jp/miura/pdf_dom/DOM1999-09-ASJf-zizoku.pdf

がありました。但しこの報告は音の定位に関するもう一つの要素である左右の耳に入る音圧レベルは同じにしたようです。正弦波合成音、MIDI音源、生楽器(を録音したもの?)で差があるのが面白いですね。

ハース効果についての2,3の話題  投稿者:志賀 投稿日:12月12日(火)23時16分25秒

ハース効果の応用例として、大ホールの例を挙げましたが、逆に小さな部屋で収録した音に反射音に相当する30msec以内の遅延音を加えると定位感を損なわず大きな部屋で聴いているような錯覚を起こすことが可能だそうです。

NSさん如何ですか。

また、家庭内のリスニングルームにおける反射音はいくら大きな部屋でも30msec以内の遅延しか生じないので、音色には影響を及ぼしても定位感にはそれほど大きな影響を及ぼさないようです。

クリフトン効果 投稿者:AC  投稿日:12月13日(水)17時18分39秒
皆様:

RSさんの「(先行音効果は)虚音にだまされないため」とHDさんの「虚音と実音との区別が可能」、両方のお説ともなるほどと頷けます。

さて、以前HDさんが紹介された以下のサイトに、「クリフトン効果」というのが紹介されています。

http://www.parmly.luc.edu/parmly/clifton.html

2番目のスピーカの絵をクリックしてみてください。
カチカチ〜カチカチ〜カチカチ〜 ・・・・・  と、12ms離れたクリック音のペアが30回続きます。(前半は左が実音、右がエコー、後半は逆)。驚くことに、初めの数回ははっきりと分離して聞こえる2つの音が途中から融合してしまいます。後半は左右が反転しますので、再び分離して、数個目からまた融合するというものです。もちろん波形には何の仕掛けも無く、クリックペアの時間差は常に12msです。

この結果から判断すると、実音とエコー音の時間差が35ms以内にもかかわらず、初めの数回は先行音効果が現れず2音として認識され(つまり虚音にだまされ)、途中からこれはひょっとしたら虚音ではないかと悟り、融合が起きた、とも考えられますがどうでしょう。

私はパソコン内臓スピーカにより、この現象を確認しました。イヤホンだと全く起きません。外付けスピーカでも試したのですが、どうも不調です。皆さんはどうですか?

因みにクリフトン効果というのは(論文のタイトルからすると)、分離していた音が途中から融合することではなく、条件を変えることにより融合した音が再び分離する(というか先行音効果が崩れる)ことを指しているようです。

Clifton, R. K., Breakdown of echo suppression in the precedence effect.

では、分離していた音が途中から融合する不思議な現象は何と言うのでしょう? そういうのも「込み」で先行音効果というのかな?

Re:ハース効果についての2,3の話題 投稿者:NS  投稿日:12月13日(水)18時33分26秒   引用
<ハース効果の応用例として、大ホールの例を挙げましたが、逆に小さな部屋で収録した音に反射音に相当する30msec以内の遅延音を加えると定位感を損なわず大きな部屋で聴いているような錯覚を起こすことが可能だそうです。>

はいそうです。

録音現場ではディレイマイクを設置して大聖堂のようなプレゼンスも生み出せます。そのような効果を生み出すため、現場も手伝いました。この時は、あまり良い効果を生み出せませんでした。もともとデッドなホールですし、吊りマイクの位置関係上思ったような距離で設置が難しかったからです。普通は、ディレイ用のDSPをカマせるのですが、私のポリシーには合わないのでしませんし、する必要がないと思っています。

ところで、ACさん、RSさん、HDさん、

ハース効果等の文献調査、追試をおこないましたが、その調査結果に基づいてご自身の再生装置にどのような改良を加えようと考えているのですか?発想貧困な私は全然思いつかないのです。強いて言えば定位を乱しそうな部屋の反射音を吸音材で抑えることしか思いつきません。また、録音メディアの中にはスピーカー間の間に音像定位をするように作っていますから(主にクラシック関係)、あまりいじるような事はしなくても良いと思います。

また、手を加えようと思うと大変です。ソースごとに手を加えるとなると、もう目が回りますよ。再生側でディレイをおこなうと言うことは、ひびき豊かに聞こうと思ってらっしゃると考えますが、これは、サラウンド環境を作って、AVアンプ側で疑似サラウンドにした方がスイッチ一つで達成可能な事柄かと思います。なにか作曲して、調査結果に付基づき、新奇なエフェクト(ディレイ)を掛けたCDを作成するのでしょうか?

調査目的 投稿者:AC  投稿日:12月13日(水)20時36分33秒
NSさん

<ご自身の再生装置にどのような改良を加えようと考えているのですか? なにか作曲して、調査結果に付基づき、新奇なエフェクト(ディレイ)を掛けたCDを作成するのでしょうか?>

そんなこと何も考えていません。脳がどのように音を処理するのか知りたいだけです。どうやって音の高さを認識しているのか? その弁別閾は? 何故そこに落ち着いたのか? 何故複数の楽器の音を分離して認識することが出来るのか? 何故先行音効果が起こったり起こらなかったりするのか? 人間の両耳間の時間差弁別閾は10μ秒(志賀さん)と非常に短いが、どうやってそれを実現しているのか? 等々、考えただけでもワクワクしませんか?

そういった議論の中から、例えば聴覚障害者の方のための支援ツールが出来れば最高ですよね。(難しいでしょうけど)

特殊な聴覚神経 投稿者:志賀 投稿日:12月22日(金)14時57分39秒
RS さん

少し前、聴覚の左右時間差の弁別閾が10マイクロ秒程度と通常の神経インパルス信号の幅より短いことが不思議だという話題がありましたが、最近送ってきた大学の新聞に下記のような記事が出ており学会レベルでも話題になっているようです。

これを読むと聴覚神経の神経軸索の構造と働きが特殊なものである可能性が指摘されています。

***************************************************************

周波数に応じ最適化 両耳周の時間差正確に

 本学医学研究科・神経生物学分野の大森治紀教授・久場博司助手らの研究グループが、音源を特定する脳の神経細胞では、電気信号の発生が音の周波数に応じて細胞内の最適な領域でなされていることを、ヒヨコの実験によって確かめることに成功した。この成果は先月三十日、英科学誌ネイチヤーで発表された。

 動物が耳から得た音の情報は、脳内で周波数毎に異なる神経細胞によって伝達される。神経細胞における情報の伝達は「活動電位」と呼ばれる電気信号によって行われ、これはナトリウムイオンがナトリウムチャネルと呼ばれる穴を介して細胞内へ流入することによって発生する。 これまでナトリウムチャネルは、すべての神経細胞で同様に、軸索と呼ばれる細胞から伸びた突起の起部近くに集まっていると考えられてきた。 しかし今回、左右の耳に到達する音の時間差を検出することで、音源の位置を特定するトリの神経細胞では、ナトリウムチャネルが音の周波数に依存して分布していることが発見された。ナトリウムチャネルは低い音を処理する細胞ほど軸索の起部近くに、高い音を処理する細胞ほど速くに位置していた。 軸索においてナトリウムチャネルが周波数に応じて最適に配置されていることで、細胞は効率的に「活動電位」を発生し、両耳間の時間差を正確に検出することができるという。今後、ほ乳類の細胞においても同様のしくみがあるのかを調べていくという。

Re: クリフトン効果 投稿者:HD  投稿日:12月13日(水)21時30分28秒
AC さん:

<RSさんの「(先行音効果は)虚音にだまされないため」とHDさんの「虚音と実音との区別が可能」、両方のお説ともなるほどと頷けます。>

念のためですが、「異質」の実音と理解しています。例えば、人間でも動物でもそうだとおもいますが声質は個体によって違いますね。

クリフトン効果ですが、ダウンロードしたファイルをCDフォーマットに変換してCD−RWを作ってあったので改めてオーディオシステムで聞いて見ました。

<カチカチ〜カチカチ〜カチカチ〜 ・・・・・  と、12ms離れたクリック音のペアが30回続きます。(前半は左が実音、右がエコー、後半は逆)。驚くことに、初めの数回ははっきりと分離して聞こえる2つの音が途中から融合してしまいます。後半は左右が反転しますので、再び分離して、数個目からまた融合するというものです。もちろん波形には何の仕掛けも無く、クリックペアの時間差は常に12msです。>

最初の14〜15ペアは1発に聞こえ左SPだけから聞こえます。次の5ペア位(2発か?)は両方のSPから聞こえ、次いで右SPだけから1発に聞こえます。

両SPの中央線上を前後しますと「音」の感じが少し変りますが、左右からの聞こえ方は変らないです。

<この結果から判断すると、実音とエコー音の時間差が35ms以内にもかかわらず、初めの数回は先行音効果が現れず2音として認識され(つまり虚音にだまされ)、途中からこれはひょっとしたら虚音ではないかと悟り、融合が起きた、とも考えられますがどうでしょう。>

クリフトン効果の説明で云われている融合(fusion)という言葉はハース効果によって2発(左右1発ずつのペア)が片側1発に聞こえる事を云うように思いますが。

<私はパソコン内臓スピーカにより、この現象を確認しました。イヤホンだと全く起きません。外付けスピーカでも試したのですが、どうも不調です。皆さんはどうですか?>

これは、多分部屋の音響特性と両SPの配置に関係していると思います。

<因みにクリフトン効果というのは(論文のタイトルからすると)、分離していた音が途中から融合することではなく、条件を変えることにより融合した音が再び分離する(というか先行音効果が崩れる)ことを指しているようです。>
> Clifton, R. K., Breakdown of echo suppression in the precedence effect.

このタイトルは、「先行効果(ハース効果)時間中にあった反射音抑圧(現象)の崩壊」と読めますが。

<では、分離していた音が途中から融合する不思議な現象は何と言うのでしょう? そういうのも「込み」で先行音効果というのかな?>

このサンプルでは左右切替直後の5ペアくらいの間は、ハース効果で最初左から聞こえていた刺激が脳に残っていて音を左右を切り替えても即消えないが、右からの音は即認識するため両方のSPから聞こえるが、左からの音の刺激が消えると再びハース効果で右からだけ聞こえる、この現象を「クリフトン効果」と言うのではないでしょうか。

Re:ハース効果についての2,3の話題 投稿者:RS  投稿日:12月13日(水)23時06分25秒
NS さん

<ACさん、RSさん、HDさん、ハース効果等の文献調査、追試をおこないましたが、その調査結果に基づいてご自身の再生装置にどのような改良を加えようと考えているのですか?>

私もアマチュアチェロ弾きさんとほとんど同じですね。もともと、私は2個のスピーカにより音を空間中に放射するという方式を採る限り、CDプレーヤからアンプの出口までを、これ以上あれこれしてもあまり意味が無いと思っていますので。ただし、スピーカは上記の問題は別としても、まだ問題がかなりあるとは思っています。

ハース効果については、私自身、いい加減な理解をしていましたが、今回の議論を通じてかなり理解が進んだと思います。

Re2: クリフトン効果 投稿者:AC  投稿日:12月14日(木)00時57分16秒
HD さん:

<最初の14〜15ペアは1発に聞こえ左SPだけから聞こえます。次の5ペア位(2発か?)は両方のSPから聞こえ、次いで右SPだけから1発に聞こえます。>

システムによって、聞こえ方が異なるのかもしれませんね。

この結果から判断すると、実音とエコー音の時間差が35ms以内にもかかわらず、初めの数回は先行音効果が現れず2音として認識され(つまり虚音にだまされ)、途中からこれはひょっとしたら虚音ではないかと悟り、融合が起きた、とも考えられますがどうでしょう。

<クリフトン効果の説明で云われている融合(fusion)という言葉はハース効果によって2発(左右1発ずつのペア)が片側1発に聞こえる事を云うように思いますが。>

はい、勿論ハース効果により融合が起きると思っております。私の書き方が変でしょうか?

<<では、分離していた音が途中から融合する不思議な現象は何と言うのでしょう? そういうのも「込み」で先行音効果というのかな?>>

<このサンプルでは左右切替直後の5ペアくらいの間は、ハース効果で最初左から聞こえていた刺激が脳に残っていて音を左右を切り替えても即消えないが、右からの音は即認識するため両方のSPから聞こえるが、左からの音の刺激が消えると再びハース効果で右からだけ聞こえる、この現象を「クリフトン効果」と言うのではないでしょうか。>


私は、クリフトン効果というのは、論文のタイトル通り『反射音抑圧(現象)の崩壊』(HDさん)のことを指していると思いますよ。(原著を読まないと分らないですが) それからHDさんはご確認できなかったようですが、私はPCの内臓スピーカでも外付けスピーカ(作動しました)でも、前半部で分離から融合へ変化するのを確認しました。つまり、12msの時間差でも十分2つの音として認識できます。これは例のサイトの説明文の中にも書いてありますよ。

Most listeners tend to hear two clicks at the beginning of the click train, then fusion occurs, then after the switch two clicks are heard, and then finally fusion reoccurs but at the location of the other loudspeaker.

内臓スピーカでは音像定位までは確認できませんでしたが、外付けスピーカでは、前半では右のエコー音がスーッと消えて左の原音だけとなり、後半では左のエコー音がスーッと消えてなくなり、右の原音だけになるという現象をはっきりと確認することが出来ました。それらを踏まえて、『では、分離していた音が途中から融合する不思議な現象は何と言うのでしょう?』と書かせていただきました。<分離、融合>は前半部分にもありますので、クリフトン効果ではないですよね!? 良くわかりませんが。

Re: Re2: クリフトン効果 投稿者:HD  投稿日:12月14日(木)17時43分46秒
AC さん:

<私は、クリフトン効果というのは、論文のタイトル通り『反射音抑圧(現象)の崩壊』(HEIDYさん)のことを指していると思いますよ。(原著を読まないと分らないですが) 

それからHEIDYさんはご確認できなかったようですが、私はPCの内臓スピーカでも外付けスピーカ(作動しました)でも、前半部で分離から融合へ変化するのを確認しました。つまり、12msの時間差でも十分2つの音として認識できます。これは例のサイトの説明文の中にも書いてありますよ。>


再確認して見ました。当該トラックをレピートかけて聞きますと、通常リスポジでは、1回目は前回書いたように最初の所は左SPから1発だけのように聞こえます。2回目からは、なんと、最初の3ペア位は両方のSPから聞こえまして、交互に1発ずつ(2発)のように聞こえ、左だけ1発になり、後はこの前書いた通りです。尚レピートで1回目(右から聞こえる)が終わってから、2回目が始まるまでの間隔は正確には判りませんが0.2〜0.3秒くらいでしょうか? この間隔はプレーヤによって違うと思いますが。

それから、両SPの中心線上で両SPを結ぶ線から50cmくらいのところまで前に出て聞きますと、はっきり2つの音として認識出来るようになりますね。 これは、SPから耳までの距離が関係するのか、両SPを見込む角度が関係するのかは判りません。

また、この位置で時間をおいてから1回目を聞くとどうなるかはまだ試してないです。
もう1つ気が付いた事があります。1ペアの音が鳴った直後からでしょうか、ノイズのような音が両SP中央、やや後方に定位して聞こえます。この音はSPから出ている音か、反射音が原因なのかは判りませんです。

更に、通常リスポジの距離で中央から左に左SPの前に移動して聞く場合と右に移動して右SPの前の場合で聞き比べますと、両SPから耳までの距離関係や反射音の影響が変りますから当然なんでしょうが、色々なことが違って聞こえます、面白いです。お試し下さい。

Re: ハース効果についての2,3の話題 投稿者:HD  投稿日:12月14日(木)18時27分47秒
NS さん:

<ころで、ACさん、RSさん、HDさん、ハース効果等の文献調査、追試をおこないましたが、その調査結果に基づいてご自身の再生装置にどのような改良を加えようと考えているのですか? 発想貧困な私は全然思いつかないのです。 強いて言えば定位を乱しそうな部屋の反射音を吸音材で抑えることしか思いつきません。>

特になにか変えようとは考えてないです。部屋によって最も自然と思われる再生音を得る為に、(部屋にはオーディオ装置だけではなく色々なものがありますが)最も良いスピーカの置き方があると言うことで、定在波や、音の反射に関する資料をいろいろ見てまして、ハース効果とか、初期反射等に興味を持ったと云う事です。それで、このような現象的なことや、自分で聞いたり、色々な方に聴いて頂いてご感想や、ご助言も頂きスピーカを動かせる範囲内で、「良かろう」と思う場所にセッティングしましてその後は動かしてないです。

尚、スピーカは15、6年くらい前のダイヤトーン+ヤマハ サブウーファです。

アンプはこのスピーカを鳴らすのに必用・十分と思う100W@6Ωのものです。他の器機も所謂ハイエンドではない中級機です。

クリフトン効果とハース効果 投稿者:志賀  投稿日:12月14日(木)22時07分33秒

私もクリフトン効果の音を少し注意深くPCの外付けスピーカーで聴いてみました。どんな波形かは

http://www.parmly.luc.edu/parmly/clifton.html

のFigure2 に書いてある通りですが、自分でも確かめてみました。各クリック音は半値幅0.1 msec の極性+の二等辺三角形のパルスです。前半は左チャンネルが先行し12msec後右チャネルにに現れます。このペアー音が約0.3sec毎に鳴り、15ペア続き、後半は右チャネルが先行左チャネルが後続で同じく15ペア続きます。各4.5秒ずつ計9秒で終わりです。この間波形や間隔は、先行、後発が一度反転するだけで全く変わりません。

これがどう聴こえたか? ですがHDさんとかなり近いです。前半は左からクリック音が聞こえますが注意深く聴くと、前半(左音先行)がさらに前半、後半に分かれ、後半ははっきりと左スピーカに定位し1個のクリック音として聴こえます。前半の前半、つまり出だしの部分はやはり左スピーカに定位して聴こえますがそれほど鮮明でなく、音質が後半と明らかに異なります。ただACさんのようにはっきり2個に分離した音とは聴こえませんでした。後半(右音先行)の前半は、皆さん同じだと思いますが左右のスピーカから音が出てきます。時間的にずれているかどうかはよく分かりません。後半の後半ははっきり右スピーカに定位し聴こえてきます。

さて、これから考えたことですが、先行音効果には定位を固定し記憶する効果と、先行音による後発音のマスク効果(融合といってもいいのかもしれません)の2つあるんではないかと思います。そして、それが完全な形で脳に記憶されるには少し時間がかかる。この場合は数発のパルス(2秒くらい?)で固まる。こうなると、はっきり左に定位しマスキングも完全になる。これが完全なハース効果が現れた状態。その後左右を切り替えると、左への定位感がすぐには消滅せず、左音も聴こえる。しかし、右音が先行音なので右音も聴こえる。その後1〜2秒で記憶されていた左側定位感が消滅しはっきり右側に定位し、右音(先行)による左音のマスキングが完全になる。つまり、後半の(右先行)の前半はいわゆる本来右に定位するはずのハース効果が左定位感が残るため抑制され効かなくなる。あるいはこのことをクリフトン効果と呼ぶのかもしれません。と、こう解釈しました。

それを確かめるため、前半(左先行音)の最初の部分をカットし、左先発音を3発くらいにして右先発(後半の音)に移行してみました。そうすると、両スピーカーから聴こえる時間が短くなりました。つまり、左定位感がまだ十分に固まっていないのですぐ消えてしまう。といった具合です。 如何でしょうか?

なお、このような実験はHDさんに紹介していただいたAudacity というソフトで簡単にできます。

また、フラッセン効果についても面白いことが分かりましたが後で紹介します。


Re:クリフトン効果とハース効果 投稿者:AC  投稿日:12月14日(木)23時59分36秒
志賀さん、HDさん:

皆さん、聞こえ方に微妙な違いがあるようです。これは、スピーカや配置の差が現れているのかもしれませんね。今、PC内臓のスピーカ(これが一番2音として聞きやすい)で聞いてみましたが、前半の前半と後半の前半の2音の分離具合を比較してみると、同じといわれれば同じだし、違うといわれれば違うとも思えるし、という感じです。良くわかりません。それから、一旦融合しても、頭を前後左右に少し振っただけで分離してしまったりもします。微妙ですね。

<さて、これから考えたことですが、先行音効果には定位を固定し記憶する効果と、先行音による後発音のマスク効果・・・・・あるいはこのことをクリフトン効果と呼ぶのかもしれません。と、こう解釈しました。>

とてもすばらしい推論だと思いますし、十分に納得できます。「定位が固定するのに少し時間がかかる」とすれば、私の疑問「分離していた音が途中から融合する不思議な現象」も解決しそうです。

<それを確かめるため、前半(左先行音)の最初の部分をカットし、左先発音を3発くらいにして右先発(後半の音)に移行してみました。・・・・・>

その3発を、2発、1発、0発としていったとき、両スピーカーから聴こえる時間がどうなるのか、興味あるところです。

Re2:クリフトン効果とハース効果 投稿者:志賀 投稿日:12月19日(火)10時29分19秒
AC さん:

<さて、これから考えたことですが、先行音効果には定位を固定し記憶する効果と、先行音による後発音のマスク効果・・・・・あるいはこのことをクリフトン効果と呼ぶのかもしれません。と、こう解釈しました。

それを確かめるため、前半(左先行音)の最初の部分をカットし、左先発音を3発くらいにして右先発(後半の音)に移行してみました。・・・・・>


<その3発を、2発、1発、0発としていったとき、両スピーカーから聴こえる時間がどうなるのか、興味あるところです。>

1発でも効果があるようですが、はっきりと両スピーカーから聴こえて来る感じは薄いですね。後半(右先行)の前半は定位がはっきりしないので判断しにくい所です。実は0発、つまりいきなり右先行から初めても初めの数発の音は聴き方によっては両方から聴こえるようにも感じます。

フラッセン効果 投稿者:志賀 投稿日:12月15日(金)09時38分52秒   引用
今度はこちらです。

http://www.parmly.luc.edu/parmly/franssen.html

図にあるように、始め左スピーカから始まり、音量が直線的に減少し0.5 sec で無音となります。右スピーカはスタート時は無音から始まり、0.5sec後最大となり(左音の初めと同じ音量)あと一定で5秒間続きます。

以下は私の主観的聴こえ方です。

最初の例は搬送波がホワイトノイズで、この場合は音源がはっきり定位し左から始まり上と同じタイミングで右へ移っていきます。特に先行音効果は認められません。

面白いのは1kHzサイン波を使う場合で、始めはっきりと左スピーカから聴こえ、その後定位感がぼけてきますが、右に移るようには感じられません。どちらかというと左方向に感じられ先行音効果があるようです。ところが最後終了時に"プチッ"という音がしますがこの音ははっきり右スピーカーから聴こえます。

左スピーカーをoff にして初めから聴くとほとんど定位感が失われます。この場合、頭の角度を変えたりすると左に振れたり右に振れたりかなり曖昧です。しかし、途中から、つまり右音をいきなり聴くと、少なくとも最初ははっきり右から聴こえます。

すなわち、純音の場合はっきりした定位感が得られるのは突然音量が変わる場合のみということになります。この場合、立ち上がり、下がりの部分の特徴は周波数スペクトルが広く分布することですが、シャープな定位感が形成されるためには、時間差や音量差だけでは不十分で、瞬間的(1msecくらいか?)でも同じ音源が発する広い周波数成分が必須条件だと思います。

これは人の声などがシャープに定位する原因だと思います。ちなみに、このことはHPの音像形成のページに書いてありますが、改めて確認出来たと思います。


Re: クリフトン効果とハース効果 投稿者:HD 投稿日:12月15日(金)14時52分27秒
< 今、PC内臓のスピーカ(これが一番2音として聞きやすい)で聞いてみましたが、前半の前半と後半の前半の2音の分離具合を比較してみると、同じといわれれば同じだし、違うといわれれば違うとも思えるし、という感じです。良くわかりません。それから、一旦融合しても、頭を前後左右に少し振っただけで分離してしまったりもします。微妙ですね。>

そうですね。 宿題?でした前の方(両SPを見込む角度130度位)で1回聞きましたところ、最初の1ペアだけ両方のスピーカから左->右と交互に聞こえ(2音として聞こえ)、次から左だけになり、左右逆転後5ペアくらい両SPから聞こえます(この時点では、1音か2音か不明確)。その後は終りまで右からだけになります。

左右の音の遅れ時間がどうなれば、ハース効果が現れ, 継続するかには、諸説ありますね。

1) Our brain blends together all of the sounds reaching our ears within 5-30 ms of the original. Reflections arriving approximately 30-50 ms or more after the original will be perceived as separate sounds. This phenomenon is known as the Haas effect

2)The Haas effect is a psychoacoustic effect, also known as the Precedence Effect or law of the first wave front. (中略) This effect will occur when the arrival difference between the two sources are 10 to 40 milliseconds.

Re2:クリフトン効果とハース効果 投稿者:志賀 投稿日:12月19日(火)10時29分19秒
AC さん:

<<さて、これから考えたことですが、先行音効果には定位を固定し記憶する効果と、先行音による後発音のマスク効果・・・・・あるいはこのことをクリフトン効果と呼ぶのかもしれません。と、こう解釈しました。>>

<<それを確かめるため、前半(左先行音)の最初の部分をカットし、左先発音を3発くらいにして右先発(後半の音)に移行してみました。・・・・・>>

<その3発を、2発、1発、0発としていったとき、両スピーカーから聴こえる時間がどうなるのか、興味あるところです。>

これについての返答を出し忘れてました。

1発でも効果があるようですが、はっきりと両スピーカーから聴こえて来る感じは薄いですね。後半(右先行)の前半は定位がはっきりしないので判断しにくい所です。実は0発、つまりいきなり右先行から初めても初めの数発の音は聴き方によっては両方から聴こえるようにも感じます。これはもちろん最初から聴くのと、左右逆転したことを除いて同じように聴こえると言うことです。


先行音効果と言うことで話が弾みました。最初はハース効果の事ばかり考えていましたが、その他にもクリフトン効果やフラッセン効果というのもありネット上に音源が公開されていることもわかりました。再度リンク先を、挙げておきます。

クリフトン効果:http://www.parmly.luc.edu/parmly/clifton.html
フラッセン効果:http://www.parmly.luc.edu/parmly/franssen.html

です。一度試して見ませんか? 波形が全く同じでも時間経過と共に違って聴こえることが体験出来ます。錯聴の一種です。


フラッセン効果

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