最初の投稿はAV機器のプロの方からの投稿で、最近のデジタルアンプの音質はすばらしく、その原因は相互変調歪がきわめて小さいことにあるのではないかというご意見です。ただ、途中本題と直接関係のない議論が入り流れがつかみにくいが、プロならではの情報もありほぼそのまま収録した。
心理効果? 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月13日(日)22時46分59秒
最近、私は、自作のデジタルアンプを作って、その音の濁りの少なさに、自身は納得したのですが、家族からは、前のアンプと変わらないと言われて、がっかりしています。心理効果でしょうかね。アンプを新調したということで、自分としては、良くなったはずだという思いもから、そう感じたのかも知れません。
でも、過去に聞いたCDを、そのアンプで聞き直してみると、CDによって、録音の良いもの、余り良くないものが私には分かるようになりました。FFTで調べても、相互変調系の成分が殆どなく、澄んだ音で聞こえる裏付けは、測定器上でも出ています。
CDによっては、随分、コンプレッションされたり、ピークがリミットされているものも、このアンプでは、すぐに分かるようになり、久しぶりに、アンプ作りに精を出した甲斐はあったと、自分では納得しています。
心理効果もあるでしょうが、最近の半導体技術の発展で、デジタルアンプは随分と、良いものになったとも思います。10数年振りのアンプ作りでしたが、IC内に殆どの機能が半導体として入っており、評価基板に、必要な外付け部品を追加し、電源周りと接続系をちょいちょいと工作しただけのことで、20W+20Wのアンプ自体は、名刺ケースに入るくらいの小さなものに仕上がりました。その小ささゆえ、以前のアンプに組み入れられたので、家族は、中身が見えておらず、心理的に、変わったとも思えないという要素はあったりします。
URLに張ったリンクは、アンプを入れ替えたら、随分と、コンプレッションがかかっていると感じたCDの1曲の振幅を調べたものですが、やはりそうでした。
http://s279.photobucket.com/albums/kk122/Yamaestro/?action=view¤t=AmazingGracewholepart1.jpg
Re 心理効果? 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月14日(月)18時47分2秒
MY さん
>最近、私は、自作のデジタルアンプを作って、その音の濁りの少なさに、自身は納得したのですが、家族からは、前のアンプと変わらないと言われて、がっかりしています。心理効果でしょうかね。アンプを新調したということで、自分としては、良くなったはずだという思いもから、そう感じたのかも知れません。・・・・・・
CDソフトの音質の良し悪しはかなり大きく、とても心理効果だけでは説明出来ないと思いますが、この場合はアンプを変えたことにより、以前には分らなかった差が分るようになったとおっしゃるわけですね?
以前どんなアンプを使っておられたのか分らないので何とも言えないのですが、FFTの測定で以前のアンプとはっきり差があるんでしょうか?
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/ampblind.htm
ここにも書いていますが、アンプの場合、THDや相互変調歪みがパーセントオーダーあれば、ブラインドでも差が分るようです。測定上で大きな差があれば、アンプの性能のせいだと言っていいと思いますが、そうでなければ、心理効果かどうかを調べるにはやはり厳密なブラインドテストで調べるしかないと思います。
>心理効果もあるでしょうが、最近の半導体技術の発展で、デジタルアンプは随分と、良いものになったとも思います。・・・・
実は、私もメインに使っているアンプを修理に出したとき、1万円ほどで手に入るR社のデジタルアンプを使ったことがあります。この場合少なくとも、前より良くなったとは感じませんでした。もちろん、パワーや、価格に大きな差があるので、心理効果かもしれません。いずれにせよ、使い勝手も悪いので現在は元のアンプを使っています。
>URLに張ったリンクは、アンプを入れ替えたら、随分と、コンプレッションがかかっていると感じたCDの1曲の振幅を調べたものですが、やはりそうでした。
ちなみに、録音時のコンプレッションについては以前ここでも議論したことがあり、
http://www38.tok2.com/home/shigaarch/OldBBS/43compression.html
にまとめてあります
Re: 心理効果 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月14日(月)23時15分12秒
以前のアンプは、会社からの払い下げ品で、細かく明かせませんが、それなりに良い、と言われるものですが、結構、古いものです。奇数次混変調積は比較的良い部類ですが、最新のデジタルアンプにはとても適いません。
シングルトーンの高調波が連なっていても、耳には、音が汚く感ずることは少なく、複数の異なるトーンの高調波が発生すると、そのとき生ずる相互変調歪は、汚い濁った音として、私には聞こえます。今回のデジタルアンプは、それが非常に少ないと思いましたし、実測でもそうでした。しかし、ユニバーサルレコードが、6月4日に、SHM-CDとして出した、Hayley sings Japanese Songs というクロスオーバー歌手のCDを聞いて、相互変調成分が新しいアンプでもえらく気になったのです。
非直線増幅に伴う非線形歪の内、高調波は、帯域分割したり、一旦、可聴域より高い周波数に変換して処理すれば、除去できますが、相互変調成分は除去できないので、これによる歪感は出てしまいます。特にスライスしたときのクリッピング歪の内、相互変調によるものは、しっかりと残るので、これが私の耳につくのです。
相互変調が皆無に近いデジタルアンプを使っても、ソースにそれがあるようでは意味がありません。元々、相互変調がアンプ内で生ずる、A級やAB級アンプでは、クリッピングによる歪が多少は誤魔化せても、これから、デジタルアンプが本格的に普及すると、どうでしょうね。CDはそのDレンジを生かして、変な加工はしないものを私は希望します。
Re2: 心理効果 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月15日(火)22時30分50秒
MY さん
>以前のアンプは、会社からの払い下げ品で、細かく明かせませんが、それなりに良い、と言われるものですが、結構、古いものです。奇数次混変調積は比較的良い部類ですが、最新のデジタルアンプにはとても適いません。
この件については具体的なことが分らないとやはり何とも言えません。なにしろ、それなりによいと言われる半導体アンプでは、ブラインドテストで互いに有意差ありという報告は寡聞にして聞いたことがありませんので。
>シングルトーンの高調波が連なっていても、耳には、音が汚く感ずることは少なく、複数の異なるトーンの高調波が発生すると、そのとき生ずる相互変調歪は、汚い濁った音として、私には聞こえます。
歪み感は相互変調成分によるところが大きいというのはよく言われることですね。その強さにもよるでしょうが、おそらく一般的に言えるんだと思います。
>・・・Hayley sings Japanese Songs というクロスオーバー歌手のCDを聞いて、相互変調成分が新しいアンプでもえらく気になったのです。
相互変調成分が気になると言っておられますが、そんなに簡単に相互変調成分だけ聴き分けることが出来るんでしょうか? もっとも,上に書いたように、歪みっぽい音を相互変調成分のせいだと言われるならそうかもしれません。前レスで紹介したコンプレッションの議論でも、単純に非直線圧縮をやる場合もあるようなので高調波歪みとともに相互変調成分もそれなりに大きいと思います。
>非直線増幅に伴う非線形歪の内、高調波は、帯域分割したり、一旦、可聴域より高い周波数に変換して処理すれば、除去できますが、相互変調成分は除去できないので、これによる歪感は出てしまいます。特にスライスしたときのクリッピング歪の内、相互変調によるものは、しっかりと残るので、これが私の耳につくのです。
NFBによらず、ソースに含まれる高調波成分に影響を与えず、帯域制限でアンプの非直線性による高調波成分のみを除去すると言うことですね。多くの周波数成分とその高調波を含む音楽ソースに対してもそんなことが出来るんでしょうか? その原理がよく分かりません。ご存じなら教えて下さい。
>相互変調が皆無に近いデジタルアンプを使っても、・・・
デジタルアンプの歪みはほとんど電源電圧の揺らぎが原因なのではないでしょうか? だとすると、しっかりしない電源を使っていると、かなりの、あるいは少なくとも高調波歪成分と同じレベルの、相互変調成分も出るはずだと思うんですが、いかがでしょう?
私が使ったデジタルアンプはノートパソコンの電源アダプターに毛の生えたようなものでした。満足できなかったのはそれが原因かもしれません。あるいは、それが原因の心理効果かもしれませんが。
相互変調 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月16日(水)00時44分56秒
志賀さん
すみません、今夜、野暮用があって、ご質問に、細かくお応えしきれませんが、一つ事前にお尋ねさせていただきたいことがあります。
”音は脳で聴く”のところに、
1. 脳が作る「聞こえない音」 朝日新聞(2004.5.19 朝刊)科学欄 五感(5) 聴覚
2千Hzから200Hzおきに2600Hzまでの音を同時に聴くと、実際にはない200Hzの音が「聞こえる」。昔から知られるこの現象も脳の仕業だ。・・・
(佐々木英輔)
という記述を引用されていますが、200Hzおきでなくても、2KHzと2.6KHzの2つだけでも、ある程度の音圧があれば、200Hzが聞こえます。
また、それは脳内よりも前に、マイクロフォンでも拾えて、録音も可能なのですが、このメカニズムはどのようなものかを、志賀さんはご存知かと思いますが、いかがでしょうか?
ヒントは2つの異なる非可聴域の超音波の2波から、可聴音が空気中で複数聞こえることと関係しています。
Re 相互変調 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月16日(水)10時16分1秒
MY さん
>”音は脳で聴く”のところに、
>1. 脳が作る「聞こえない音」 朝日新聞(2004.5.19 朝刊)科学欄 五感(5) 聴覚 2千Hzから200Hzおきに2600Hzまでの音を同時に聴くと、実際にはない200Hzの音が「聞こえる」。昔から知られるこの現象も脳の仕業だ。・・・
(佐々木英輔)
まずこの件に関連して、以前
http://www38.tok2.com/home/shigaarch/OldBBS/48beat.html
で議論をしています。上記の研究は聴覚心理学では有名な話しで、原論文を読んだわけではないのですが、少なくとも耳に入るまでの実音成分に200Hz 成分は検出されないことは十分吟味されていると思うんですが?
>・・・という記述を引用されていますが、200Hzおきでなくても、2KHzと2.6KHzの2つだけでも、ある程度の音圧があれば、200Hzが聞こえます。
>また、それは脳内よりも前に、マイクロフォンでも拾えて、録音も可能なのですが、このメカニズムはどのようなものかを、志賀さんはご存知かと思いますが、いかがでしょうか?
例えば、4*2000-3*2600=200 Hz という相互変調成分のことですか? これだと、かなり高次成分なので、そのレベルは、差分600
Hz に比べきわめて小さいのと違いますか? いずれにせよ、上記の聴覚心理学の結果はこれで説明できるような話ではないと思いますよ。
>ヒントは2つの異なる非可聴域の超音波の2波から、可聴音が空気中でヒントは2つの異なる非可聴域の超音波の2波から、可聴音が空気中で複数聞こえることと関係しています。
私の知る限り、これはスピーカーの非直線性が原因だと言うことですが?
http://web.archive.org/web/20020305075530/http://www.etl.go.jp/etl/divisions/~acoustic/research/hf-j.html
(私のPC環境ではこのサイト、手動で文字コードを日本語自動に設定しないと文字化けで読めません)
これとほぼ同じ研究結果を日本音響学会の論文で見たことがあります。つまり、空気伝搬の非直線性より電気音響変換器の非直線性の方がずっと大きいと言うことのようです。それとも、最近新しい結果が出ているんでしょうか?
それはそれとして、この質問で何がおっしゃりたいんでしょうか? 冒頭の聴覚心理学の結論が間違いだとでも?
Re 相互変調 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月16日(水)21時45分35秒
志賀さん
遠回りをして、失礼しました。確認をさせて頂いた訳は、
>NFBによらず、ソースに含まれる高調波成分に影響を与えず、帯域制限でアンプの非直線性による高調波成分のみを除去すると言うことですね。多くの周波数成分とその高調波を含む音楽ソースに対してもそんなことが出来るんでしょうか? その原理がよく分かりません。ご存じなら教えて下さい。
ということでしたので、どのようにお応えすべきか迷い、一つ、別の次元で、200Hzを引き合いに、お尋ねした次第です。
示して頂いたとおり、第7次相互変調成分として、4*2000-3*2600=200 Hz が得られます。そのレベルは条件によって変わりますが、元信号が、200Hzおきでなくとも、2KHzと2.6KHzだけで、200Hzを出すことは可能です。
私の若い頃のことですが、メーカーの異なる超音波洗浄器を2台を並べて使ったとき、どちらか1台ではしなかった、妙な音のすることを私は経験したことがあります。文献と購入したばかりのFFTで調べて判明したのは、空気の非直線性によって、超音波の周波数差によるビート音や、3次、5次、7次と9次いった相互変調による成分が生ずることでした。高次の成分は、可聴域にも入りこんでいました。妙な音の理由はそこにあったのです。可聴域より高い周波数の機器を扱っていたのに、十分に五月蝿い作業になったのは、私が、2台を同時に働かせて、作業を急いだせいでしたが、良い勉強になりました。この時以来、相互変調が気になって、相互変調に絡む、いろいろな実験を、Audio帯域から高周波帯域まで、私はするようになり、それに神経質なっている面が私にはあります。
私が申し上げたかったことは、相互変調成分の存在と、その結構な高次のものも、FFTを使うと存在が確認できるということです。2つの元周波数が極めて近い、例えば、10Hzの差の場合は、高次の11次といっても、元の周波数から、50Hzしか離れいないので、後述のオクターブ未満のBPFでも取り除けません。
>音楽ソースに対してもそんなことが出来るんでしょうか?
というご質問は、”コンプレッションとリミッター”にある、
”Re3 Dynamic Range Compression 投稿者:SK 投稿日: 2月10日(土)02時18分44秒”
に記述されている ”帯域分割して個別に細かく圧縮の設定ができる物、など色々あります。”
を補足して、ご説明させて頂けば、十分かと思いました。
この種の装置は、帯域ごとの圧縮の設定だけでなく、非直線性によって、発生した高調波を抑えられるメリットがあります。
分割帯域がオクターブ未満であれば、顕著にその効果が出ます。何故なら、第2高調波以上が通過できないからです。でも、フィルターの通過帯内に生ずる相互変調歪は、抑えられません。したがって、帯域分割してコンプレッションやリミッターを働かせる装置では、高調波が少ないのに、相互変調歪が目立つのです。勿論、フィルターはアンプの前後の両方に入れないといけませんが、可聴帯域を、オクターブ未満のBPFを短冊のように使って、帯域単位で高調波をフィルターすると、多くの周波数成分とその高調波を含む音楽ソースでも、新たな高調波が殆ど出ない非直線増幅装置ができます。
先日、引き合いに出した、ユニバーサルのSHM-CDは、まさに、そういう感じが私の耳にはしました。帯域分割してソースを加工することは、SKさんが機器をさらっと説明されたように、業界の編集室には、普通にあるものです。音楽ソースに対して、こんなことをして欲しくはないのですが、消費者が手にする最終商品は多かれ少なかれ、その類の機器で処理されたものです。また、帯域分割に伴う、位相の乱れがこの種の機器にはあることは、申し添えるまでないかとは思います。
もう一つ、忘れていました。どんなに頑張っても、プッシュプルのA級アンプでは無理な相互変調ゼロが、志賀さんが書かれたように電源が安定していれば、デジタルアンプでは、観測不能なほど、相互変調は少ないものです。
Re2 相互変調 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月17日(木)18時46分9秒
MY さん
>遠回りをして、失礼しました。
確かに、いろんな話題が出て何が中心か分かりにくくなってきましたね。とりあえず、コメントを。
>・・・、メーカーの異なる超音波洗浄器を2台を並べて使ったとき、どちらか1台ではしなかった、妙な音のすることを私は経験したことがあります。文献と購入したばかりのFFTで調べて判明したのは、空気の非直線性によって、超音波の周波数差によるビート音や、3次、5次、7次と9次いった相互変調による成分が生ずることでした。・・・
超音波洗浄機ですか。かなりのハイパワーですね。これなら空気の非直線性だけでも相互変調により可聴音が聴こえると言うこともあり得ますね。
>>NFBによらず、ソースに含まれる高調波成分に影響を与えず、帯域制限でアンプの非直線性による高調波成分のみを除去すると言うことですね。多くの周波数成分とその高調波を含む音楽ソースに対してもそんなことが出来るんでしょうか?
>というご質問は、”コンプレッションとリミッター”にある、”Re3 Dynamic Range Compression 投稿者:SK 投稿日:
2月10日(土)02時18分44秒”
>に記述されている ”帯域分割して個別に細かく圧縮の設定ができる物、など色々あります。” を補足して、ご説明させて頂けば、十分かと思いました。
>この種の装置は、帯域ごとの圧縮の設定だけでなく、非直線性によって、発生した高調波を抑えられるメリットがあります。・・・・
>可聴帯域を、オクターブ未満のBPFを短冊のように使って、帯域単位で高調波をフィルターすると、多くの周波数成分とその高調波を含む音楽ソースでも、新たな高調波が殆ど出ない非直線増幅装置ができます。
了解しました。これは、ソースを作る側の技術で、低歪増幅が目的でなく、一種のエフェクタとして使っているんではないでしょうか? オーディオ用アンプではあえてこんな面倒なことをする必要はなさそうですね。
>もう一つ、忘れていました。どんなに頑張っても、プッシュプルのA級アンプでは無理な相互変調ゼロが、志賀さんが書かれたように電源が安定していれば、デジタルアンプでは、観測不能なほど、相互変調は少ないものです。
私も決してアンチデジタルアンプ派ではありません。それどころか、実用的な再生装置ではこれからどんどんデジタルアンプ化すると思っています。音質面では十分だし、省エネ、低価格とくれば、合理的に考えれば当然そうなるはずです。ただ、オーディオの世界では心理効果が大きく効くのでしばらくはアナログアンプが主流として残っていくんでしょうね。少しづつ情況は変わりつつあるようですが。
ちなみに、ある方にメールで、恐らくMYさんが使われたのと同じようなデジタルアンプの測定結果を教えてもらいました。これです。(間違っておれば失礼)
http://cafe.mis.ous.ac.jp/sawami/Tripath2020memo.html
THDレベルはかなり低いですね。これから推察すると相互変調歪は測定困難かもしれません。ただ、このサイトの最後にある出力インピーダンスがアナログアンプに比べて1桁以上大きい、DFにすると真空管アンプ並と低いのがちょっと気になるところですね。
そこで、最初の話題に戻り、MYさんの元のアンプについてですが、別に報告していただく必要はありませんが、新しいデジタルアンプの測定と全く同じ条件でTHDや相互変調成分を測定して比較してみられたらいかがでしょう?
心理効果かどうかについてのヒントも得られるんじゃないでしょうか?
Re2 相互変調 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月18日(金)00時12分40秒
志賀さん
>了解しました。これは、ソースを作る側の技術で、低歪増幅が目的でなく、一種のエフェクタとして使っているんではないでしょうか? オーディオ用アンプではあえてこんな面倒なことをする必要はなさそうですね。
はい、そのとおりです。マスターから、CD原盤を作る際に、dynamic range compression and limiting ということをしますが、その装置の話です。前に話題にしたSHM-CDに関して、海外でも、この操作が気になると、話題に上がっています。
http://hwi.proboards20.com/index.cgi?board=japanese&action=display&thread=3830
ご紹介頂いた、TH2020は3世代くらい前のデジタルアンプですね。最新のものは、物理的に1桁、小さいサイズで、さらに性能も音も良くなっています。ポップノイズも出ませんし、ダンピングファクターも、オン抵抗の低い内臓FETが使われるようになって、バイポーラトランジスタによるアンプより良くなっています。また、EMI(電磁妨害)もぐっと減って、AMチューナーにさえ、妨害を殆ど与えないレベルになりました。尚、ダンピングファクターは、アンプの出力側に入れるローパスフィルターのLがしょぼいと、一気に上がってしまいます。ご紹介頂いたHPにあったLは、ちょっと役不足のような気がします。
最近は、携帯電話から、超高級アンプまで、デジタルアンプがオンパレードです。電力変換効率が90%以上もあり、地球にも優しい面があります。私が組んだデジタルアンプは、ある半導体メーカーのエンジニアリングサンプルのICでですが、自宅で評価に使うという許可をもらってのことです。最近、機器メーカーへの販売も、テーピングの形で始まっており、恐らく、TH2020を使ったようなキットを用意する業者さんも出てくるだろうと思います。特定メーカーの宣伝はできないので、敢えて、これ以上のことは申し上げませんが、デジタルアンプの音を、手持ちの高級アナログアンプと比べたい方には、なるべく、最近リリースされたばかりのQFPパッケージのものをお勧めします。人差し指の爪程の大きさで、放熱板なしで、びっくりするくらいのパワーが出せますし、音も、良い勝負以上というケースもあるだろうと思います。
いろいろな半導体メーカーのものを私は比べましたが、各社とも、改善が進んできていることを実感しています。あの小ささと、性能を思うと、アナログアンプは、前世紀の遺物のようにさえ私には思えてきました。そういう思い込みが作用していることもあるでしょうが、相互変調の少なさは測定器が壊れているのではないかと思うほどで、これは客観的なデータが半導体メーカーからも出ています。
前のアナログアンプは、中身を一部、引きずり出して、そこに、新しいアンプユニットを入れたために、現段階では、もう比較対照しようがありませんが、もっと世代の新しいアナログアンプといろいろな項目を比較評価した、直接の担当者のところにはデータはあります。あっても、勝手に出せないのでいけませんが、ご興味がおありなら、半導体メーカーさんが以前、参考にとくれたものを公開して良いか、尋ねてみます
Re3 相互変調 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月18日(金)22時39分13秒
MY さん
>いろいろな半導体メーカーのものを私は比べましたが、各社とも、改善が進んできていることを実感しています。あの小ささと、性能を思うと、アナログアンプは、前世紀の遺物のようにさえ私には思えてきました。・・・・
デジタルアンプは今ちょうど日進月歩の時代なんでしょうね。最近あるスイス製の超高級CDプレーヤの心臓部に日本製の安価な部品を使っていたと言う話がネット上で話題になっていますが、その内、超高級アンプの心臓部が1個数千円のデジタルアンプICだったりして? 産地偽造が横行する昨今、オーディオファンももっと賢くなる必要がありそうですね。
>・・・もっと世代の新しいアナログアンプといろいろな項目を比較評価した、直接の担当者のところにはデータはあります。あっても、勝手に出せないのでいけませんが、ご興味がおありなら、半導体メーカーさんが以前、参考にとくれたものを公開して良いか、尋ねてみます。
それは興味ありますね。可能なら差し支えない範囲でお願いします。メールででも結構です。
Re3 相互変調 投稿者:MY 投稿日:2008年 7月19日(土)00時19分23秒
志賀さん
>産地偽造が横行する昨今、オーディオファンももっと賢くなる必要がありそうですね。
そうですね。Hi-Fiは趣味性の高いものですから、外観にお金をかけ、見栄え良い商品が、各社からいろいろと出てくると、思いますが、心臓部のアンプ自体は、某半導体メーカーのものが主流という時代が来るだろう、と私は想像しています。
PCのCPU周りと、OSがWintel連合に寡占され、各PCメーカーは独自性を出そうと、あの手この手を使い、外筐のデザインをユニークにしても、所詮、中身は似たようなものというのが現実です。差別化は電源を信頼性の良いものであるとか、静かであるとか、という点では、各社に技術差があり、アンプでも、そういうことになっていく気が私はしています。
Digital Amp 投稿者:TY 投稿日:2008年 7月20日(日)16時00分45秒
ディジタルアンプに関する議論、興味深く拝見しました。
私も以前から、その効率の良さには注目していました。
現在、私の使っているアンプが極端に効率が悪く(FET1段によるA級シングルアンプで何も音が出ない時の1チャンネルあたりの消費電力が80Wで、歪率3%の出力が16Wです。A級シングルであるため真空管のような音が出ているのではないかと推測しています。現に歪率特性は真空管のそれと瓜二つです。)満足な音が出るならば、ディジタルアンプに換え省エネ化をしようと思っていたところです。
そこで質問があります。
>以前のアンプは、会社からの払い下げ品で、細かく明かせませんが、それなりに良い、と言われるものですが、結構、古いものです。奇数次混変調積は比較的良い部類ですが、最新のデジタルアンプにはとても適いません。
この混変調積を見る時にはどのような信号を入れるのでしょうか。それには工業規格、品質規格などのような国際統一規格があるのでしょうか。私はこの30年いわゆるオーディオ誌のようなものは見ていませんのでよく分かりません。ただ常識的に混変調を測定するとなれば少なくても2信号を入力しその子、孫、ひこ孫を測定することになると思います。上の2つのアンプの比較には具体的にどのような信号を入れて、どういう結果になったのでしょうか。
話題を前に戻してすみませんが、一番本質的な課題ですのでお尋ねします。
デジタルアンプの相互変調歪 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月20日(日)20時47分48秒
MYさんの「心理効果?」というタイトルの投稿に始まり、相互変調歪を中心に、少々発散気味な議論が続きましたが、TYさんより新しい投稿もありましたので、ここで私なりのまとめを書いておきます。
まず、デジタルアンプは原理的に相互変調歪みが小さいという話について、データを基に必ずしもそうは言えないことを示しておきます。
この文献はMYさんからメールで教えてもらったものですが、すでにネット上に公開されているものなので公表しても差し支えないと判断してリンクを張っておきます。
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/slyt198/slyt198.pdf
比較検討しているのはパソコン用の小出力のPWMデジタルアンプ(TPA005D02)と、ほぼ同じ出力のAB級アンプモジュール(TPA0102)です。
デジタルアンプはフィルターを付けた場合と、フィルター無しの場合でかなり特性が異なります。
全高調波歪+ノイズ(THD+N)はあまり変わりません。強いて言えば中間出力ではフィルターなしのデジタルアンプが最も低歪みですが、高出力側ではアナログアンプが逆転します。
相互変調歪は、フィルターを付けないデジタルアンプが最も低レベルですが、フィルター込みでは、アナログアンプの方が低レベルになっています。
といっても、この場合は、いずれも1% 以下なので、ブラインドで聴感テストをすると恐らく有意差は出ないと思います。
一般的に言って、物理特性が同じくらいで且つ、従来のデータから、その違いが聴いても分らないレベル
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/distortion.htm#feeling
以下なら、新しく買ったり、自作や改造をした場合は、心理効果により、従来のものよりよいと感じるのが普通でしょう。
逆に、性能の差が大きい場合は、ブラインドでも聴き分けられ、音の善し悪しはその人の音の好みにより決まるでしょう。この場合、無帰還のシングル真空管アンプの音が最高という人もいるくらいなので、歪みが大きい方を良しとする人もいるかもしれません。
MYさんへ
で、MYさんの使われたアンプの場合はどうか? 残念ながら、改造前のアナログアンプとはすでに比較できない状態のようなのでやはり何とも言えません。
TYさんへ
相互変調歪みの測定法などは上に紹介した報告に簡単に書いていますが、さらに詳しい方法などは専門家であるMYさんが答えられる方が良さそうなので私は遠慮しておきます。
Digital vs Analogue 投稿者:TY 投稿日:2008年 7月21日(月)17時14分12秒
志賀さん、
ディジタルの記事にはIMDが出ていますが。アナログICのデータシートにはTotal Harmonic Distortionしか見つかりませんでした。しばらく返事を待ってみます。
Re Digital vs Analogue 投稿者:志賀 投稿日:2008年 7月23日(水)22時20分53秒
TY さん、
レスがないようなので私から分る範囲で返答します。
>ディジタルの記事にはIMDが出ていますが。アナログICのデータシートにはTotal Harmonic Distortionしか見つかりませんでした。
このページは1つ前の文献に比較機として出てくる、TPA0102というアンプの素性を明らかにするために示したデータシートで、相互変調歪量を示すためではありませんでした。
実はMYさんから、もう一件文献を紹介してもらっています。これもネット上に公開されているのでリンクを張っておきます。
http://focus.ti.com/lit/an/sboa077/sboa077.pdf
これは、相互変調歪み(MID)の解説です。前半の一般的説明は、私の解説
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/distortion.htm#distortion
とほぼ同じ内容です。Figure 2 はFFTでの測定例を示しているので参考になります。
後半に高周波用のオペアンプについての実測データがありますが、オーディオ用でないのであまり参考にならないかもしれません。
オーディオアンプでの評価は最初に示した
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/slyt198/slyt198.pdf
が参考になると思います。相互変調歪の評価は、2つの周波数の信号を入れ発生する相互変調波成分の強度を測定する必要があり、無限の組み合わせがあります。標準的な評価法として、p.22 に書いてある SMPTM法、CCIF法と言うのが使われているようです。
それで、結果は前レスに書いた通りです。
Intermodulation Distortion 投稿者:TY 投稿日:2008年 7月24日(木)16時52分23秒
志賀さん、
引用されている資料、今度は熟読しました。大事な部分を見落としていました。
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/slyt198/slyt198.pdf
このリンクのFigure4が私の探していた比較です。志賀さんも前の投稿でここを見て話していたのではないかと今理解しています。
アナログIC、TPA0102とディジタルの比較で、志賀さんの指摘の通り、Full filterの時もHalf filterの時もアナログの方がいい結果になっています。No
filterで使う事があり得るのかどうか解りませんが。
もう一つの質問の解答は次のページにありました。
SMPTE standard IMD test:
Input 60Hz/7KHz
60Hzは7KHzの4倍の入力
と言うことのようです。
勿論これは一つの測定方法なのでしょうが、どうしてアンプメーカーはこのような測定をして、結果を公表しないのかわかりませんが。全高調波歪率0.001%ばかり表示してあります。
このように、手に入るデータで見る限りでは、必ずしもデジタルアンプの方が優れているとは言えないようだが、リンクしたデータは1999年のもので古く、最近はもっと優れた製品があるのかもしれないが残念ながら手に入らなかった。
また、デジタルアンプは原理的に回路素子自体が発生する歪みは小さく、上記のデータも歪みの発生源はスピーカ出力のためのフィルターのようである。また、Reasonable
なオーディオ用デジタルアンプとして有名なF社の技術資料によると、歪みの発生源は主に電源の安定性にあるということで、周辺の環境を整えてやればアナログアンプより高品質のアンプがより低価格で実現する可能性は高い。