光が柱の証を手にいれ、デボネアを倒し、戦いは終結した。
1年かけて元の平和な姿を手にしたセフィーロ。例の三カ国とも仲良くやっている。
光、海、風はその姿を見たときは中学三年生。一つの国を救った魔法騎士は受験勉強を控えていた。
そして、三人とも志望校に合格し、明日、入学式を迎えることになった。
3人は久々に東京タワーで待ち合わせをしていた。
もしかしたらセフィーロに行くことができるかも知れない、と。
「風、早いわね」
青い長い髪の少女、龍咲 海。
「海さんこそ、元気そうですわね」
金髪で眼鏡をかけた、鳳凰寺 風。
なぜか20分前に着いてる。
集合時間になったとき
「あ、海ちゃん!!風ちゃん!!」
走ってきたのは赤い長い髪を束ねた小さくて元気な女の子、獅堂
光。
「光、ひさしぶりね」
「でも…光さん、お疲れですか?」
「いや、大丈夫だよ。それより早いね、二人とも」
「そりゃぁ行けるかもしれない、と思ったからねぇ」
「楽しみですわね。受験勉強で疲れた体には持って来いですわ」
3人が最後に会ったのは平和になったセフィーロを東京タワーから見たとき。
それ以降は受験勉強や部活で忙しかった。
特に風は地区で一番難しいとされる私立高校を目指していた。
3人は東京タワーの展望台まで上り、以前召喚されたあたりまで行く。
「確かこのあたりですわね」
風がそういうと
「じゃぁここから行けるのかしら」
海は少し不安だった。本当に行くことができるのかなんて誰にも分からない。
「行こう!!海ちゃん!!風ちゃん!!"信じる心が力になる"んだから」
そう言って光は二人の手を取り、海と風も互いに手を取る。
『セフィーロへ!!』
3人が一斉に祈ると…まぶしくて目が開けられないほどの光に包まれた。
そして、東京タワーから3人は姿を消した。
3人の目下には決して広いとは言えないものの、すばらしい景色が広がっていた。
3人は実感した。来れて良かったと。また来ることができたんだと。
だが、10秒も経たないうちに…
「誰か助けてよ〜!!」
海が叫ぶ。なんせ自由落下。しかもパラシュートやグライダーなしの。
つまり、重力に従い落下を続けている。
当然このままでは…
その時、黒系統の生き物が下から上がってきた。
誰か乗ってる。
「ウミ〜!!ヒカル!!フウ!!」
招換士アスコットと、その友達である鳥形の魔獣である。
ボスボスボス!!
と着獣(?)。
「アスコット、久しぶりね。それにあなたも」
海は嬉しそうに自分の乗っている魔獣の背中をなでる。
「久しぶりだね、アスコット」
「お久しぶりですわ、アスコットさん」
光と風も挨拶。
「久しぶり、元気だった?」
アスコット、再開一番乗りに嬉しそう。
「クレフはどうしたんだ?フューラじゃなかったけど」
光の疑問。いつもはクレフの精獣、フューラの背に乗り城に行く。
「導師より先に出してみたかったんだ。その為に"気"を読む修行もしたし」
導師クレフと魔法剣士ランティスはある程度なら気が読める。
ただし、光とノヴァのように同じ気の時もあるため、正確さは微妙。
最も、ノヴァは光の心の影なので気は同じなのだが。
「ウミの気を追って来たんだよ」
と顔を紅くしながら海を見るアスコット。海、"?"
「なんで私なの?」
「え…いや…その…」
真っ赤になったまま返答に困るアスコット。
一向は城に向かうことにした。
「このお城、まだあったのね」
すっかり崩落前の形に戻っている城を見た海の感想。
「まぁシンボルとして、かな」
アスコットもこの城を支えている人間の一人である。
が、一番それに力を注いでいるのは導師である。
「早く皆さんにお会いしたいですわ」
「そうだね。行こう!!」
光と風は走り出す。
「あ、ちょっと待ってよ!!」
置いてかれそうになった海は慌てて二人を追いかける。
アスコットは思った。
(道分かってるのかなぁ…)
一応元のとおりに作ってあるから前と同じ道順を辿ればちゃんと着く。
が、彼女達が訪れたのは2年も前のこと。ある程度は覚えてるだろうが…
「ここ、どこだろう?」
「思ってたより広い城だったんですわね」
「ここどこか分かる?アスコ…」
海が呼ぼうとした青年はいなかった。
『い!?』
完全に迷子になった3人。
大慌てでそこら辺を駆け回っている。
その頃アスコット。
海の気を追って歩いている。
(なんでそんなところでグルグル回ってるんだ?)
と思っていた。
(もうすぐでフェリオがいる所なんだけどな)
そしてアスコットがグルグル回ってる3人に追いついた。
「ちょっと!!どこ行ってたのよ!!迷っちゃったじゃない!!」
怒っている海。アスコットの両肩を両手で掴みブンブン振ってる
「な…そっちが勝手にどこか行ったんじゃないか!!」
いくら海に惚れてるからってこちらに非があるわけでもないのに責められると怒る。イエスマンじゃぁない。
「う…」
海の動きが止まった。言われてみれば勝手に歩き回っていたのは自分達だから。
風は腕を組みウンウンと頷き、光は猫耳シッポ。
「うるさいなぁ…静かにしてくれよ」
近くの部屋からそう聞こえた。光たちはヒョコっと部屋の中を覗くと…
「フェリオ!!」
思わず風が叫んだ。
「おまえ…フウなのか?本当にフウなんだな!!」
フェリオは風に駆け寄った。
「…久しぶりだな、フウ、ヒカル、ウミ」
フェリオは笑いながら3人に声をかけた。
フェリオは風の腕を引き寄せ、抱き寄せる。
「もう会えないかと思ってた…」
「フェリオ…」
二人だけの空気が漂う。