「ジェオ!!後ろから何か来る!!」
「何だと!!」
ザズの報告でジェオはレーダーを見た。
格納庫に向かっていたランティスもレーダーに目をやる。

「機械じゃない…なんだ?映像は!?」
「遠すぎて映らない!!でもNSXよりは速い!!」
そのやり取りを見たランティスがとんでもないことを言い出した。

「ザズ、FTOを出せるな?」
『何だって!!!』
二人は驚いた。こいつの目的はそれか!と。

「おい、ふざけんじゃねぇ!!なんでてめぇがFTOに乗るんだ!!」
「言ったはずだ。あいつの意思は俺が継ぐと」
胸倉をつかまれたランティスは冷静に答える。

「ふざけんな!!セフィーロの人間を巻き込んでたまるかってんだ!!」
「これは俺の意思だ。セフィーロの意思じゃない」
言い合いをしているうちにザズから連絡が入った。

「ジェオ!!ランティス!!映った!!」
「転送しろ!!」
映像がジェオのゴーグルに入ってくる。
ランティスもゴーグルをし、映像を見た。

そこには羽の生えた黒い虎が映っていた。
そう、アスコットが追いついたのだ。
ついさっき城をでたばっかなのに。

「ランティス、ありゃなんだ?」
ゴーグルを上げランティスを見るジェオ。

「招換士アスコットの魔獣だろう」
ゴーグルを外さず映像を見て答えるランティス。

「な!今すぐ追い返さねえと!!」
「でもGTRも来てる!!」
ザズのこの一言でジェオはもうどうすれば良いのか分からなくなっていた。
頭を抱え、そして壁を殴った。


「ザズ!!GTOで出るぞ!!」
ジェオは決めた。迷ってる暇はない、やれることをやるのみだと。

「了解!!GTO、スタンバイ完了!!」
ザズはコンピュータと接続し、速やかに発進準備をした。

「GTO、Go!!」
ジェオは加速Gを感じながら、戦場に独り出た。
自分ひとりでどこまでできるか分からないが、向こうの戦力を削ることしか考えてなかった。




戦艦GTR。
NSXを超える大きな巨体はその中に武器や艦載機が多数搭載されている。
それでいてNSXと同等の性能を有している。思ったより機敏に動けるのだ。
攻撃性だけならNSXより上かもしれない。ラグナ砲を2基装備しているのだ。
つまり、事実上オートザム最強の戦艦ということになる。

「シルビア艦長」
ある女性が声をかける。

「どうしたの?アリスト」
名前を呼ばれた女性が振り向く。
彼女の名は、シルビア・クエスト。
戦艦GTRの艦長を務めている。

「レーダーに機体反応あり。NSXのGTOです」
アリスト・ドマーニ。GTR副艦長。

「あぁ、あの逃亡艦の…なら、S2000への指令。ターゲットはGTOとNSXよ!!」
「了解!!」
彼女はコンピュータと接続し、計100機に指令を下した。
S2000は無人機である。先に斥候役として出ていた。
自動で判断し攻撃、防御を行うほか、指令元の命令で捕獲や破壊も行う。



GTOが発進した後、ランティスはFTOに搭乗した。
「無茶だよ!!ランティス!!」
ザズが画面越しに食い止める

「確かに修復はしたけど試運転をやってないんだ!!それにそいつを動かすと言うことがどういうことか分かってるのか!?」
今は完全にセフィーロ人であるランティス。
しかし、オートザム所属であるFTOを駆るということは…
セフィーロ人であることをやめるようなものである。

「なら、何故ジェオは挑んでいった?」
画面に映るザズをにらみつけるランティス。

「お前達はオートザムの人間でありながら今のオートザムに反抗してるだろう」
「ぐ…それは…」
ザズは何も言えなかった。
そう。彼らが戦うのは自分達と同じオートザムの人間。
オートザムの軍はクーデターを起こし、ジェオとザズは嫌だったから抜け出してきた。
今のジェオとザズは逃亡者でありお尋ね者であるのだ。
捕まれば確実にNSXを奪われ、セフィーロや他の国を襲うだろう。
そうなれば誰も奴の暴走を止めることはできない。

「行くぞ。あいつを死なせるわけにはいかない」
「…分かった…ランティス、死ぬなよ!!」
「死ぬつもりはない。FTO、Go!!」

こうしてランティスはかつての親友の"相棒"と共にGTOを追う。



アスコットはNSX上空にいた。
そして甲板に降り立つと同時にFTOが出た。
ザズが甲板に走って出てきた。
「今すぐ引き返してくれ!!」
ザズが息を切らしてる。

「僕だってセフィーロを護る為にきたんだ。あれ、ランティスが乗っているんだね」
FTOの速度が速くもう肉眼で捕らえることは出来なかったが、FTOのことを言っているのは分かった。

「ならランティス一人でかっこつけさせるわけにはいかないよ」
そういうとザズの頭をポン、と叩き、今まで乗ってきた魔獣に跨った。

「おい!人の話を聴いてるのか!?」
ザズが走り寄る。

「君がランティス達を心配してるのは分かるよ。でも僕も仲間を思う気持ちは誰にも負けていないつもりだよ」
アスコットはFTOの向かった方角を見ながらそう答えた。

「ランティスは大切な仲間だ。そして、君やジェオも」
そう言って、アスコットも戦場に身を投じた。
ザズはただ見送るしかなかった。



「ランティス、何故お前がここにいるんだ!!」
GTOのジェオが怒鳴る。
スピードが売りのFTOならば重装備のGTOに追いつくことも難しくは無い。

「セフィーロの手は借りんと言ったはずだ!!」
「誰の命令でもない。俺の意思だ。それに、アイツならこうするはずだ」
ランティスはジェオが独りで逝くことを防ぎたかった。
無人機相手ならFTOとGTOがいれば勝てるだろうと思ったのだ。

―戦いはすぐそこに―

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