「あれ?海ちゃんとアスコットじゃないか!?」
「あ、本当ですわね。でも何故アスコットさんの帽子を?」

「あれ?ヒカルにフウ?それにフェリオ」
「あー!!どこ行ってたのよー!!」
魔法騎士の寝てた部屋の前でバッタリ。


「…どこか行ってたのか?」
「あ、うんちょっとね」
やばい…フェリオとアスコットでも光と海でもいける…

「ま、とりあえず寝ようぜ」
「そうですわね。夜更かしはお肌に厳禁ですわ」


『おやすみなさーい』
魔法騎士がドアを閉めたのを確認してから、フェリオとアスコットは自分達の部屋に向かった。

「でも海ちゃんが起きてたとは思わなかったよ」
「そうですわね。モコナさんと一緒に寝てたはずでは…」
「私も昼に少し寝てたからね…」
3人は修学旅行みたいになっていたが、空気が変わった。

話すべきことはあったが、寝ることが先決となった。
モコナが一人(?)で気持ち良さそうに寝てるのを見てそう思ったのだ。

『おやすみー』

こんどこそ本当に寝た。



光は夢を見ていた。
崩壊直前のセフィーロが、今のように再生していく姿を。
光は宙に浮かび、人々が祈っている場面を見ていた。
人々の祈りで崩壊していたセフィーロの国土が少しずつだが戻っていった。
その繰り返しにより、今のような平和で綺麗なセフィーロができていく様を見ることができた。

「良かった…」
光の思いは通じていたのだ。

また、復興に際し、あの戦いに関わった人たちの夢をも見ている。
クレフとフェリオが指揮を執り、ラファーガ達が班長となって建物の建築等を行っていた。
魔物が出たときは全員の力を合わせ、戦うまでもなく消滅させていっていた。
カルディナとラファーガのことや、なんとクレフとプレセアの事も夢にでてきた。
流石に光は真っ赤になって見るのが恥ずかしかった。

ランティスが一番多く出てきた。光が望んだから。
彼はセフィーロ復興に携わる一方で、オートザムとの掛け橋にもなっていた。
その中にもちろんジェオが出てくるが、今日の様子のおかしいジェオではなく、イメージどおりのジェオだった。

夢の中でも考える。何故彼が変わってしまったかを。


夢が切り替わった。
何やら暗い会議室のような場所。
そこでは数名の男達が話し合っている。

「もう我慢の限界だな」
「節約していくだけではもたんよ」
「やはり新たな精神エネルギー源が必要だな」
「だが今の奴はそんなことを全く考えていない」
「このままではわが国の地位、いや我々の地位が危ういぞ」
「なら簡単だろうが」
「暗殺、か。恐ろしいことを考えるもんだな、サターン」
「ここにいる全員が同じ答えだろう」
「ま、そうだな」
「決行日は明日」
「パレードか。だが簡単に行くか?」
「奴はオープンが好きなんでな」
「そうか、なら後はお前に頼もうか」
「任せてくれ。サターン・レビンの名にかけて、な」


「暗殺!?誰かを殺そうとしてるのか!?」
光は叫んだが返ってこない。夢だから?


そして、運命の日…
オープンカーにオートザムの大統領が乗っている。
運転士は、ジェオ・メトロだった。

「ジェオ!?じゃぁあれが…まさか!!」

そしてそれは起こった。
大統領 狙撃。


『ハァッハァッハァッ』
三人とも一斉に起きた。
横を見ると、全員玉のような汗をかいており、その表情は尋常じゃなかった。

「海ちゃん…風ちゃん…」
「光…風…」
「光さん…海さん…」

呼吸を整える。
『まさか…!!』

そのまさか。光が見た夢を海と風も見ていたのだ。
違いは、セフィーロ復興の際、誰が一番見えたか程度。

「最初はセフィーロが元通りになる夢だったんだ…」
「クレフとフェリオを中心にして、ね」
「皆さんの祈りで今のセフィーロはあるんですね」
そう、そこまでは良かったのだが

「でも…会議室みたいな部屋に変わっちゃたんだ」
「薄暗い部屋だったわね。男の人が数人…」
「そこで暗殺計画が出て、サターンという人の名前がでて…」

『そして…』
言えなかった。言わなくても分かってたが、言えなかったのだ。
そして、その後のことは分からない。そこで起きたのだから。


改めて、戦いの中にいることを思い知らされた。
モコナは気持ち良さそうに寝ている。
それを見た三人は改めて思った。

『セフィーロは守る!!いや、この世界を!!』

夜明けと共に再び決意。


モコナが起きた。
「ぷぷ〜…」
「あ、モコナ!?起こしちゃった!?」
「ご、ゴメン」
「申し訳ございません」
3人が謝ってくるのが意外だったモコナ。

「ぷぷぷ〜」
時計を指差している。

「もしかして、いつもこの時間に起きてるのか?」
「ぷぷぷ〜」
「は、早いわね〜…」
「早起きは三文の得ですわ」

モコナが部屋を出た。

「行っちゃった…」
「どうする?」
「もう一寝入りするというのは?」
「そうね、夜遅くまで起きてたんだしね」
「誰かが起こしに来るまで寝よっか」

三人は再び寝始めた。

夢の中はまるでさっきの続きだった。
ジェオは狙撃に気づいたため蛇行して阻止しようとしていたが、無駄だったのだ。

「な!!ちくしょー!!」
そう言うとアクセルを思い切り踏み込み、とある場所へと向かっていた。
NSXの停泊している場所へ。

「ジェオ・メトロから全艦にコマンダー命令!!全員今すぐ船から降りろ!!繰り返す!!命令だ!!降りろ!!」
「どうしたんだジェオ!!」
「クーデターだ!!奴ら大統領を暗殺しやがった!!」
「なんだって!?まさかそんな!!」
「セフィーロのやり方のどこが気に入らなかったってんだ!!」
ジェオは計器板を激しく叩いた。

「ジェオ…」
「ザズ!!お前も降りろ!!」
「ジェオはどうするんだ!?」
「NSXを自爆させる」
「何だって!?」
「大統領をセフィーロの地に眠らせたあと、NSXを自爆させる。だからお前は降りろ!!」
「…へっ俺はこの艦のメカニックだぜ。就航阻止位できるんだ」
「な!!てめぇ…!!」
「俺もついていくことを許可しろよ。コマンダー」
「何!?」
「イーグルの親父さんが殺されたのを黙って見てるわけにはいかないんだよ!!」
「…だがお前は死なせるつもりはない」
「いいんだな?NSXが出せなくても」
「何!?」
「チーフメカニックを忘れていくと、動かないんだぜ」
「…!!分かったよ!!好きにしろ!!」
「なら我々も好きにさせていただきますよ」
それは、NSXクルーの一言だった。

「俺達もイーグル大佐が好きだったんです。艦長が何と言おうと、付いて行きますよ」
「エンジン点火、完了してます」
「武器も今のところ満載ですしね」
「おまえら…」

こうして、NSXはオートザムから脱してきた。
大統領の遺体の話など聞いたことが無かった。

三人が起き上がったときには、前と同じく大粒の汗をかいていた。
『また…』

彼女達の嘆きは、起こしに来たプレセアを驚かせていた。

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