「おはようございます。ザズ」
「イーグル。もう良いのか?」
「えぇ。あれから動きは?」
「特にないよ」
二人はレーダーを見ていた。

「ジェオが寝ると言った時はビックリしましたよ」
「でも慣れてるもんだろ?」
ザズはニッと笑った。

「そう言えば僕がいない間、副長はザズがしてたんですよね」
「まぁな」
えへんとなったザズであった。

「機体の方は?」
「FTOはバラシが終わったところ。GTOはチェック中」
「了解。とりあえず今日はもう来なさそうですから、明日の早朝までにお願いしますよ」
「C整備を一晩でやれって!?」
「ザズならできますよ」
彼はそう言って艦橋を立ち去った。

「…鬼」
ザズが呟いた。


「ん?なんだ起きてたのか」
「おはようございます。ジェオ」
二人は廊下でめぐり合った。

「どこに行くんだ?」
「城にでも行こうかと思って」
「…遠足してるみたいな顔して言うなよ」
「ま、あちらも今日は来ないでしょうし、機体がありませんからね」
「…たく…だがヒカルはまだ帰ってきてないんだろ?」
「ザズの報告ではそうみたいです」
「じゃぁそれが先だろうが」
「それならもう考えてありますよ」
「本当か!?」
「導師クレフやランティスが瞬間移動で行けるってことを忘れてました」
「あぁぁ!!…っくしょ〜!!忘れてた!!」
「ですからその提案もかねて、ね」
「じゃぁ一応艦橋おるわ」
「はい」





「どわぁっ!!」

アスコットはドサッと自分のベッドに放り込まれた。
一応やったのは魔獣だが、海も何か"やり遂げた感"があったらしい。

「私のせいでアスコットが…」
光は切ない顔をした。

「光のせいじゃないわよ」
海がポンと肩に手を置いた。

「でも…!!」
光が見た彼女は、少し泣きそうだった。

「起きたら…引っ叩いてやるんだから!!」
と言ってもアスコットも寝てるわけではないのだが…

「無茶して死んじゃったら…意味ないじゃない…!!」
「海ちゃん…」
海は部屋を後にした。

「…ごめん…」
アスコットはいなくなった人にそう言った。

アスコットの計画を聞いて一番ショックだったのは光でもあり、海でもある。
光は先ほどランサーの話を聞いていた直後。"死"に対し敏感になった感がある。
海からすれば、自分の好きな人は無茶をして死にかけるというパターン。
そう考えれば、彼女は男運が悪いのかもしれない。
泣きそうなのを堪えてる彼女を見て、光は切なくなった。

彼は頭の片隅には導師に対抗するものがあったのかもしれない。
かつてデボネアの攻撃を受けた後、自分達を救ったのは導師だった。
そしてその影響で倒れ、そして…自分の好きな人は倒れた人を想う様になった。
だが、そんな見返りを求めていたわけではない。
彼は命を賭けて魔法騎士を守ると誓った。だからなのだ。
ただ、後先考えずにやろうとしたから、魔法騎士を悲しませる事になるなど考えてもなかった。



カルディナとラファーガ、レガシィもいなくなり、広場には風とフェリオが残った。
てか残された。
二人は会話の糸口が見出せなかった。

そこにイーグルが現れた。

「おや、お邪魔でしたか」
『イーグル(さん)!!』
「導師かランティスを知りません?」
「二人とも自分の部屋だが…」
「あ、もしかして光さんのことですか?」
「えぇ。いい作戦を思いついたので」
「導師とランティスが瞬間移動して助けに行くって言うんじゃないだろうなぁ」
「あれ?バレてましたか」
「えぇ。もう終わりましたもの」
「え?」
「ヒカルは二人が連れ帰ったぜ」
イーグルは知る由もなかった。寝てたんだし。

「あ、考えてみればそうか…あの二人が思いつかないわけないですよね」
『うんうん』
「じゃぁヒカルはどこにいます?」
「あいつならアスコットを部屋に送ってったけど」
「…どこですか?それ」
知ってたら凄い。

「あいつの部屋なら廊下を突き当たって…って案内する方が早いな」
「あ、ではお願いしましょうか」

風はその場に残ろうかと思った。
ふと気が付いた。
イーグルがいたからかフェリオとスムーズに話せた。
更に…

「行きますよ。フウ」
『え?』
「だってほら、魔法騎士は3人でないと」
彼は悪気もなければ好気もないが。

というわけで、"何故か"3人でアスコットの部屋に向かう。

「そういえば、王冠の部屋ってまだあるんですか?」
イーグルの突然の質問。

「一応な。でも柱の証はヒカルが持ってるから今は水が流れてるだけらしい」
『らしい?』
「俺はあそこに一度も行った事がないんだ」
行くにはクレフとランティスの持ってる道具がいる。
恐らく光も行く事が出来るのではないだろうか。
柱の証を持っているのだから。


尋ね人は部屋につく前に見つけた。

「あ、ヒカルー!!」
『イーグル!!』
「本当に帰ってたんですねぇ」
「うん。あ、NSXに行くの忘れてた」
「何か用事でも?」
「ううん、ただいまって言いたかっただけだから」
「ランサーに何かされました?」
「ううん、ダイジョブ」
「そうですか。良かったぁ」
何か安心した様子のイーグル。
周りは気付いていない。昔彼が抱いた淡い想いに。

「心配してくれたんだね。ありがとう」
光は笑顔で返した。
なんとなくイーグルはそれでいい気がしたが、本題を思い出した。

「どうでしたか?GTRは」
彼がそう切り出すと、光の顔色が変わった。

「…結局…救えたのは…少しだけだったんだ…」
『え!?』
「さすがにあの衝撃ですからね。よく生きてましたね」
「でも…!!」
切ない光を見たイーグルは彼女の肩に手を載せた。

「あなた達がいたから、生き残った人もいるんですよ」
彼の言葉が、救いに思えた。
光はイーグルの胸の中で、思い切り泣いた。

フェリオは魔法騎士が泣いてるのをどうしようもできなかった。
導師とランティスは覚悟していたのではないかと思う。
そうなると、残るアスコットが知れば、多分同じことになると思った。

(何もできなかった俺よりも、辛いのはこいつらだよな…)
彼はその場に4人を残し、最後の一人を"泣かそうか"と思った。
別々のタイミングで泣かれてズルズル引き摺られるよりも、今大きく泣く方が良いと思ったから。

【運営会社「パラダイムシフト」サービス】

無料ホームページ   携帯ホームページ   無料ホームページ作成   レンタルサーバー   ブログ   ホテル   アンドロイド   評判   Timesell   格安国際電話   宿泊料金比較