セフィーロに二度行き、二回目はデボネアを倒し、セフィーロと他国を救った魔法騎士。
彼女達はその1年後、東京タワーで復興したセフィーロを見た。
それから3ヵ月後。

夏休み。学生生活において最大のイベントとも言える長期休暇。
でも一部の人たち、"受験生"にとっては戦力増強に忙しい時期でもある。
中学三年生。魔法騎士は別の戦いを挑む時期。



夜明け前。
「うお!!」
「い!?」
『高すぎだろ!!』
地球、日本、東京、港区、芝浦
その上空3000mに、二人の男が舞っていた。
というより、落下していた。

「おい!!早くしてくれ!!」
「分かってるって!!」
そう言うと、一体の大きな生き物が出てきた。
黒い、プテラノドンのような生物が。
それは、地球の生き物ではない。

『もうすぐ…会える!!』



鳳凰寺邸。
風はまだ寝ていた。彼女の机の上には、勉強道具の他に、大切にしているものがある。
それは自分の大切な人から貰った、とても大切なもの。
それは今まで、機能したことがない。
そう、今の今までは。

「おい、フウ!!聞こえるか!?」
最初は夢なのかと思った。

「おい!!フウ!!くそっ!!ダメか!?」
「え!?失敗!?」
「…かも知れないな」
「そ…そんな…」
高めの声の男の落胆の声も、聞こえてきた。
思わずバッと起き上がり、急いでオーブを取る。

「フウ!!フウ!!」
「フェ、フェリオ!?」
思わず叫んだ。未だに信じられない。

「フウ!?フウなんだな!!」
「フェリオ!?本当にフェリオなんですの!?」
「あぁ!!あ、コラ!!」
「フウ!!覚えてる!?僕だよ!!」
「アスコットさん!?」
「こら返せ!!とりあえず成功、だな」
「…まさか地球に!?」
「そのまさかってことだ。今空から降りてるが、赤と白の三角形に近い塔に向かっている」
「…東京タワー!?」
「…なるほど。そういうことか。だから俺もアスコットも目標が定めやすかったんだ」
「確かトーキョータワーから来たって聞いてるからね。多分セフィーロに一番近いから、なんとなくあそこに行こうって思ったんだね」
「じゃ、じゃぁ今から会いに行きますわ!!」
「あ、フウ!?」
「アスコットさん?」
「あ、あの…ウミも呼んでもらえるかな…」
その言葉にピンと来た風。

「もちろん、光さんもお呼びしますわ」
「じゃ、また後で会おう」
通信終了。
未だに信じられない風だが、急いで着替え始めた。



龍咲邸。
もちろん、夜明け前なので海も寝ていた。
そんなとき、携帯がなり響いた。

「ん…はい…風?…どうしたの…?」

「…は?え?えぇ!?ええええええ!?」
飛び上がって起きた。

「そ、それ本当なの!?え、だって…」
「私もまだ信じられないんですが、でもオーブに通信が…」
「え?アレって地球に帰ってから使えなくなってたって…」
「えぇ。でも通じたんですわ。それと、アスコットさんが是非海さんに来て欲しいって」
「ちょ、ちょっと話をさせて!!」

海の要望により、オーブでフェリオとの通信を再開する。

「ん?どうした?…アスコット、お前にだそうだ」
「ん?はい。何?」
「もしもしアスコット!?」
「ウ、ウミ!?」
「本当に東京に来てるの!?」
「うん、そうだよ。ウミに…会いに来たんだ」
決死の覚悟?で話をするアスコット。でも…

「まさかと思うけど…魔獣に乗ってるんじゃないでしょうねぇ」
「あ。良く分かったね。結構高い位置に出ちゃっからね。出さなきゃ即死だったよ」
「…降りたらすぐしまって!!良いわね!!」
「え?何で?この子にもウミたちの世界を見せたいと…」
「良いわね!!」
「…わ…分かったよ…」
どっから聞いても悲しみにしか聞こえない声。

「うわ!!いきなり消す奴があるかよ!!」
「だって…ウミにも邪魔者扱いされたんだ…」
「バカやろー!!」
彼らの高度は約1500m。そりゃ即死だ。
でもアスコットはもう死にたいような気分だったと思えば…

「俺を殺す気か!?」
「…一人で死ぬのって…寂しいよね…」
『とっとと出しなさーい!!』
「え?」
「だから降りてからで良いって言ったでしょ!!」
「そんなことでフェリオを殺されたらたまりませんわ!!」
「だって…」
「邪魔だなんて思ってないわよ!!ただ地球とセフィーロじゃ常識が違うの!!」
「とりあえず海さんと光さんと一緒に行くまでおとなしくしておいてください!!」

高度500m。魔獣招喚。

「ハァッハァッ…ハァッ…お前、頼むから…殺さないでくれ…」
「…この子達は本当は凄くいい子なのに…」
「あのなぁ…ちっとは人の話を聞いてくれ」
「え?あぁ、何?」
「あのなぁ…(怒)」



獅堂家。光ももちろん寝ていた。
Prrrrrr…
「ん〜…はい…あ…風ちゃん…どうしたんだ…?」

「…え!?それ本当なのか!?」
「えぇ。さっきまで海さんとアスコットさんの言い合いがありましたが…」
「…それってアスコットの友達のこと?(汗)」
「えぇ…」
「分かった!!すぐ行くよ!!東京タワーだね!!」
光も急いで着替え始めた。

「ん?どうしたんだ?」
優はレポート作成徹夜。

「ちょっと出かけて来る!!」
「朝飯は?」
「あ…」
「何も食べずに行くと道で死ぬぞ。ちょっと待ってろ」
「い、良いよ!!兄様こそ徹夜でレポート作ってるんだろ!?」
「さっき終わった。それに可愛い妹が倒れる方が心配だ」
ということで目玉焼きと味噌汁を作り、光に食べさせる。

「こんな時間にどこに行くんだ?」
「東京タワー。知り合いが今来てるんだ」
「…もう少し常識というのがあるだろ」
「…」
確かに。それ以外反応ができなかった。

「始発までいくらなんでも時間がある。これ被ってろ」
「あ…」
フルフェイス。優が東京タワーまでバイクで送ってくれるらしい。



海は自分の自転車で行く。同じく始発が無いため。
「朝から良い運動よね」
愚痴。朝から重労働。マウンテンバイクに跨る。


風も自転車。誰も起きてないため朝食は生パン。
「私が一番遅いかもしれませんわね」
3速ママチャリ。地理的にも不利らしい。



ブァン…ブァンブァン!!
優が空吹かしを軽くやり、エンジンの調子を伺う。
「しっかり掴まってろよ」
「あんまり飛ばさないでね…」
優の公道最速記録は160km/h。
250ccの恐ろしさを知った光の言うことも虚しく…

「飛ばしすぎだよ!!」
「まだ100キロだぞ」
「ここは高速道路じゃないよ!!」
一般道最速記録:160km/h

「待たせちゃ悪いだろ」
「でも事故でもしたら…」
「俺の腕を甘く見るなよ。出そうと思えば…」
「安全運転で!!」
ハンドルを握ると人格が変わる人っているよね…。
光がどんなにお願いしても、信号での減速以外は80km/h以上をキープできる優。
そう、例え交差点を曲がるときも…

「す…滑ってるー!!」
「まだ余裕だ」
更に、レイトブレーキング等もこなし、光はもう目が周り気味だった。

「ぶ、無事に着くかなぁ…」
なんか主旨外れ気味なので、他の二人は…。



「きっついわね…この坂…」
下から見上げる海。

「ま、しょうがないわね。アスコットがあの子達を出すのを止めなきゃいけないんだから」
こういう時はマウンテンバイクが有利。



「これが一番近いんですが…やはり体力に自信が無いので…」
できるだけ平坦な道を選んで走る風。
今は3速で走っている。



「…」
「お、おい…そこまで凹むことはないだろうが」
「だって…」
アスコット、テンションダウン。
理由:魔獣招喚禁止令 by海

「僕はただ、あの子達をウミに会わせたい、ウミたちの住んでるところを見せてあげたい、それだけなのに…」
「俺からも頼んでやるから元気出せって」
彼らは今、東京タワーの展望台近くの鉄骨に座っている。

「ま、ウサ晴らしにちょっと下で修行でもやらないか?」
「…そうだね」
切替早!!彼らは鉄骨伝いに地上に降り立った。

『行くぞ!!』
朝から元気だなぁ…

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