「良いのかな入っちゃって…」
「…本当に似てるな」
「え?」
「ヒカルたちも無断で入ったらしいぞ」
ランティスはズカズカ侵入。
後続二人は(汗)状態。
暫くして、お約束どおり"書斎"に出た。
ランティスはそこで立ち止まった。
「どうしたラン…うお!?」
「なに?うわぁ!!」
『モコナァ!?』
「ぷぷぷ〜!!」
でもセフィーロのモコナとは決定的な違いがある。
「黒い!!」
「宝石が青い…?」
『でも!!』
「このサイズ、この手触り、このホエホエ、この抱きごこちはモコナだろ!!」
「あ!!ずるいぞフェリオ!!」
「ぷっぷぷ〜♪」
最初からこんな感じ。
で
「やっぱり悪戯好きなんだな」
「後が恐いよ…」
二人はとりあえず散らばった書類をまとめることにした。
ランティスは何も言わず、本の整理。
でも
『…読めない』
それが最大の欠点。
書類なんか順番が滅茶苦茶なんだろうな〜…。
そのときだった。
「誰!?」
いきなり書斎に入った、不法侵入者を発見。
シカケが動く。
『うわぁぁぁ!!』
3人+1匹は檻に閉じ込められた。
「もう逃げられないわよ!!覚悟なさい!!」
ジャキッと音がする。
栗色ロングのポニーテールの女性は、いきなり両手にマシンガンを担いでる。
『おいおいおいおい!?』
とその時。
シュンッと風を感じた。
フェリオたちが見ると、ランティスは檻を切って外に出た。
「何出てるのよ!!」
マシンガンが向く。
「殺されるつもりはない」
彼はそう言っただけ。
「プ、プレセアよりも過激な二人だな…」
「う、うん…」
「何勝手に人の家に入ってるのよ!!」
「鍵をかけておくことだ」
「かかってたでしょ!!」
「いや、かかってなかったらしいんだ」
フェリオとアスコットも檻から出た。
「ノブを素直に回してたぞ」
「本当に普通に、ね」
「まぁでも、俺達が勝手に入ったのは事実だよな」
「ど…どういうこと…?」
驚きを隠せないらしい。
「この家はクリーシャの鍵がないと入れないのに…!!」
その言葉がフェリオに確信を導かせた。
「あなたがプレーリーだな」
「な!?なんで私の名前しってるの!?」
「クリーシャという人に、あなたに会うように言われたんだ」
「クリーシャに…!?」
「そこで武器を創ってもらえ、とも、な。恐らく魔神を蘇らせる必要があるんだろう」
「え…!?どうしてそこまで知ってるの!?あなた達何者!?まさか…伝説の魔法騎士!?」
「…俺はフェリオだ」
「僕はアスコット、で、彼が」
「…」
『ランティス』
自己紹介ぐらいしなさい。
「ど、どこまで分かってるのか知らないけど…でも魔神を蘇らせるための鍵としての武器を創るようには言われているわ」
「材料を取りに行く」
フェリオが今は仕切っているようだ。
ここから沈黙の森に当たる森の中を抜けるためだろう。
「じゃぁ、アタランと言う泉があるの。そこにエスクードという鉱物を…」
『エスクード!?』
フェリオ達は驚きを隠せなかった。
「な…!?」
「セカイアにもエスクードが!?」
「"にも"って…知ってるの?」
「俺達の国の、伝説の鉱物と同じ名前なんだ」
「でも鉱物としては僕らは見た事が無いよ」
「え?」
「俺達の国にも"伝説の魔法騎士"はいた。俺よりも随分年下の少女だが、やはりエスクードを取りに行けといわれたんだ」
「…!!それで魔法騎士の伝説の事を知ってるの…」
「まぁな…」
フェリオの顔が切なくなった。
「どうしたの?」
「…別に」
この時分かった。彼女は真実を知らない事を。
「ぷぷぷぷぷー!!」
モコナが何か訴えた。
『なに?』
見ると、額が映写機のような役割を果たした。
そこに映っていたのは、プレーリーを沈めた。
突如ランティス位の背の男がクリーシャと対峙し、クリーシャはそのまま固められてしまった。
『クリーシャ!!』
まるで石にでもなったかのように動かない。
仕掛けた男は背を向け、その場を後にした。
「今の、誰だ!?」
「メルビル…!」
―東京タワー―
光が一番先に到着していた。
展望台で二人を待ちながら夕日を眺める。
学校の位置が違うので時間がかかるのは承知の上だった。
(ランティス…何があったんだ…?)
切なさと不安の顔が反射する。
(セフィーロに行きたい…いや、行かなくちゃいけないんだ。こんなにも不安になるなんて、きっと何かあったんだ)
柱の証を掴んだその手が、胸がそう語っている、と光は考える。
(セフィーロがまた襲われたのか?それでランティスはどうなったんだ!?)
考えるのは、もうそれしかない。
(せっかく平和になったのに、それを壊すなんて、絶対に許せない!!)
今度の顔はキッと夕日を見つめた。
でも
「あ…」
残像が思い切り残った。
太陽に目をやりすぎたのが原因。
どこかに座ろうとしても残像のせいで見えていない。
ひょんなことから足を滑らせてしまった。
「うわぁ!!」
そのときだった。
両腕を誰かが支えてくれ、こけるのは阻止された。
「全く…会って早々こけないでよ」
「大丈夫ですか?光さん」
「!! 海ちゃん!!風ちゃん!!」
今度は思わず抱きついた。
二人は光を優しく抱きとめた。