「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁ!!」
女子高生二人、叫ぶ。

「綺麗ですわぁ」
約一名、すごく満足な顔。

風の言葉に落ち着いてセフィーロを眺める。
その風景は"平和"そのものを象徴している。
柱に頼らずとも花が咲く、そんな世界。
三人は暫く見とれてしまった。

「良かった…何にも起こってないんだ」
光は杞憂であったと結論付けた。

「じゃぁ私たちは私たちの力で来れたってこと?」
「ということになりますわねぇ」
「じゃぁなんで前まで来れなかったのよ」
『さぁ…』
「祈りが充分でなかったとか?」

『それはない(ですわ)!!』
「で、それは良いとして…なんでフューラが来ないのよ〜!!」
「そうですわね。いつもなら大体このタイミングでいらっしゃるのですが…」
「寝てるのかなぁ」
『お昼に?』
「お昼寝が好きな子かもしれないじゃないか」
「私たちの死因はお昼寝ってこと?」
海は半笑いで汗、とな。

「でも本当にいらっしゃいませんわねぇ」
「このままじゃ私たち本当に来た瞬間にオサラバじゃな〜い!!」
「ということは…本当は何かあったっていうことか!?」
不安がよぎる。セフィーロの事もそうだが…
自分達の命に。


とその時、ようやく"何か"が上がってきた。
フューラ、全力です。

ボスンボスンボスンと落ちる勢いが強い。
それだけ地面に近かったのだ。
女子高生はホォ…と撫で下ろす。

フューラ、がんばる。
何故か城まで全力を出そうと必死。

「どうしたんだ!?フューラ!!」
「あ!!」
風が何かに気付いた。

「何!?」
「お城が…!!」
「え!?あ!!」

3人が見たセフィーロ城は、まるで廃城のように崩れかけていた。
平和な風景とは打って変わりすぎている。



〜セカイア〜

「お前ね…今から寝てどうするんだよ」
「僕みたいに心を使いすぎたってわけじゃないのに」
「…」
何か不機嫌そうな顔のランティスだった。

「みんなぁー!!」
『なんだ!?』
3人はテントから出た。

「魔物が出たの!!」
『何!?』

見ると…ここまで乗せてくれた、アスコットの魔獣だった。

「ん?あぁこいつか」
「ビックリさせないでよ。ほらほら良い子だから泣かないで」
アスコットに顔を摺り寄せた。

「な…なんなの?」
「アスコットの魔獣だ」
「魔獣…?」
「魔物とよく間違われるが、精獣のようにきちんと生きてるらしいぜ」
「らしい、じゃないよ」
ポンポン、と魔獣の後頭部を軽く叩き励ます。

「この子はれっきとした生き物だ。魔物のように不安と恐怖が生み出したものじゃないよ」
「しまわなかったのか」
「魔法が使えないんだもん」
「…」
ランティス、納得。

ちなみに、プレーリーは2連装ガトリング砲を2つ、両手に持ち立ち向かおうとしていた。
つまり、危機一髪。

「心配するな」
「フェリオ…?」
「人を襲わないよ。あいつの魔獣は」
「…」
「世の中、知らない事のほうが多いってことさ」
フェリオはニッとした。
が、その後、彼女の視線から外れると、切ない顔になった。

「知らない事が辛いのか、知っているから辛いのか…」


夕飯を作ることになった。
プレセア同様プレーリーも一人暮らしであり、食材は一人分しかない。

「モコナ」
「ぷぷぅ!!」
だから食材調達は黒モコナに任せる。

フェリオは包丁を使い、アスコットは魔獣に火力を調整して貰っている。
ランティスはその間、プレーリーと共に下味を付ける。

「そういえばモコナは何か食うのか?」
「ううん、食べないみたいなの」
「本当に同じなんだな、セフィーロのモコナと」
「会ってみたいわ」
「会えれば良いな」

夕食は簡単に地球名クリームシチューとなった。
適当に肉や野菜が入っている。

「美味いな」
「うん」
男二人が舌鼓を打つ。
ランティスはその間にオカワリを貰う。

「そう言って貰えると嬉しいわ」
調理長。男達は料理の経験皆無っぽい。


食べ終わって。

「ねぇ」
『ん?』
「セフィーロの伝説ってどういう伝説なの?」
「…セカイアは?」
「あ、そっか。でもあんまり分からないの。異世界から伝説の魔法騎士が来て、セカイアを救う、としか…」
「…俺達の伝説もそうだ」
フェリオの言葉にアスコットが驚いた。
だが目でフェリオは牽制する。

「今までの所、セフィーロの伝説とセカイアの伝説はほぼ似ている。俺達は経験があるからそれなりに行くとは思うんだ」
「そう…」
「…クリーシャ、か」
その言葉にプレーリーの目が潤む。

「あれ、何の魔法だ?」
「石化呪文に似ている」
ランティスは端的に答えた。

「一つ…お願いして良いかしら…」
『何を?』
「仇…取って欲しいの。クリーシャの…」
「どういう意味で言っている?」
ランティスが目の前に来た。

「あの人の仇を討ちたいの。でも…私には勝てる筈がないもの…」
「元に戻す方法はある」
「え?」
「メルビルを"倒せ"ば、クリーシャは戻るだろう」
彼は淡々と述べた。
もはや驚くだけで声も出ないアスコットと、彼の選んだ"道"は一体何なのかと疑ってしょうがないフェリオ。
彼の考えは、彼にしか分からない。

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