ラファーガは海を引きつれ、とある部屋に向かった。
「ここだ」
「ここが私の部屋…?」
ドアを開ける。
家具一式が揃っている。
部屋にはシャワーがある。
「まるでマンションね」
「マンション?」
「多くの家族が部屋を持って…て、元々マンションみたいなものね。このお城」
「?」
「たくさんの人が住んでる所と言えば分かるかしら?一つの世帯だけじゃなくて色んな家族と住む、って言うのかえぇっと…」
「ま、そうだな」
納得。
「食事の時には誰かが呼びに来る。傷も数分で癒えるだろう」
「ありがとう」
ラファーガは部屋を後にした後、微妙な表情になった。
「バレたら恐いな…」
気迫だけは勝てる気がしない。
同様にカルディナも部屋を案内。
ただ、超ロゥテンション。
海のことを考えると光と風の胸が痛む。
「着いたで」
カルディナの声も元気がない。
「ここは…」
「フウの部屋や」
見ると、何か高級感を感じさせる机や椅子、ベッド、カーペット。
「高そうな家具ばかり…」
「まぁ、な」
理由はある。
「気に入って貰えれば光栄や」
「ありがとうございます」
「ねぇねぇ、私の部屋もこんな感じなのか!?」
「ん?あぁちぃとチャウなぁ」
「では光さんの部屋にも伺いましょう」
「うん!!」
そして一行が目にしたものは
普通の机、普通の椅子、普通のベッド、普通のカーペット。
配置の違いがあるが、まず何よりも質感が違う。
『こ、この差は一体…』
「ア、アハハハ…すまん」
「い、いや良いよ。ありがとう」
「ほな、食事の時に呼び来るさかい」
『は〜い』
「反応が楽しみやな」
何か企んでる。
(せやけど…ウミと真正面で向かえんくなったんは…な…)
と落ち込み気味になった。
その肩を掴んだ男がいる。
「あんた…」
「そう気に病むな」
「せやけど…」
「まぁただ、私も凄い事をしてしまったからな…」
「え?…まさか…」
「バレたらどうなるか…恐いな」
「まぁええんちゃうの?ウチとしてもそっちの方がええし…」
「殺されろと?(汗)」
「ちゃうちゃう。上手く行けばえぇなぁ言うとんや」
「それは私も同じだ。だがどうかな…それに、ウミとプレセア、そのどちらにも加担しない、と言ってしまったからな…」
「しゃぁないわ…プレセアには悪いけど、もうウチラも何もできへんねんな…」
「ウミの心があいつに傾けば問題はないんだが…」
「そのあいつはどこに行ったんやろなぁ」
"あいつ"はセカイアにいる。
「ハックション!!」
「どうした?」
「誰かが僕の噂してるのかな…」
「カルディナ辺りじゃないのか?俺たちがいなくなって今頃大騒ぎしてるんじゃないかな」
「…やばいんじゃないかな、それ…」
「…冷静に考えれば…、な」
二人は城が崩れ落ちてるものだと思った。
だから外観までメルヘンになったなど想像しなかった。
二人は体を動かしていた。
アスコットの戦闘力は魔法力のみ。
そこで基礎的な体力を向上させると共に、戦い方をフェリオと考えていたのだ。
大きな帽子やバラストになる装飾品は手甲の宝玉に入れられた。
まるでイーグルのように真っ黒な服のアスコット。
一方のフェリオはかつての旅をしていた時の服装になっていた。
「どりゃー!!」
「おらよ!!」
「うわぁぁ!!」
アッサリとフェリオに隙を突かれたアスコット。
でも彼にも得意分野はある。
「足は速いよな」
「逃げ足だけならね」
「お前ね…脚力を活かすか」
「どうするんだよ」
「蹴りだ」
「蹴り…」
「上半身の筋力は俺の方が上だが、下半身の筋力なら俺と同等だろ」
「…」
アスコットは真剣にフェリオの話を聞く。
フェリオも真剣に考え、魔法無しで生き延びる方法を考える。
「やるぞ」
「うん」
その間ランティスは
「…」
テントのベッドで仰向けになって目を閉じている。
寝てない事は先ほどの魔物襲撃の際に実証されたので、何をしてるのかというと…
眠ろうとはしている。だが考える事も多い。
何故自分たちが伝説の魔法騎士になったのか
何故伝説の魔神を蘇らせる物がセフィーロと同じ"エスクード"なのか
何故セフィーロと全く同じような伝説が異世界にあるのか
何故あの悲劇に挑まなければならないのか
セフィーロに戻るには伝説を成就しなければならない。
クリーシャの口調からすると、その伝説はエメロード姫のときと同じ。
リュビというセカイアの柱を殺さなければ故郷に帰ることはできない。
情報と経験を持つ男が三人いてもどうしようもないのだろうか。
ランティスはやがて意識がなくなるのを感じた。
外にはフェリオとアスコットがいる。
その二人に信頼を置き、自分は眠る事にした。
今考えてもどうしようもない。
光たちの伝説からズレるには早い方が良いが、方法を見出せなかった。
〜セフィーロ〜
海がベッドに身を沈めていたときだった。
コンコンとドアを叩く音がした。
「は〜い」
ムクッと起き上がり、出た。
「御飯、できたわよ」
笑顔で出迎えたのはプレセアだった。
「プレセア…」
「どう?気に入った?」
「え?」
「その部屋」
「あ、う、うん…」
「良かったぁ。喜ぶわ」
「え?」
「あ、な、なんでもないなんでもない。アハハ…」
と誤魔化し笑い。
「…プレセア…」
「何?」
「…クレフのこと、好き…?」
「え?」
ボボボンと赤くなり、湯気が出た。
「なななな何よいきなり!!」
「…私も…なの…」
「え…?」