バトルスタート。

イーグルと光は互いに一直線にならないような位置に居ながら、
前方と背後、両方からランティスを襲撃する。

「くっ…」
「ランティス!!」

(偽者とは思えない強さだ)
感心してる場合じゃないよ、そこ。

「炎の矢!!」
本物の光が偽者に対し魔法を使おうとする。
だが、何の反応も無く、偽者は自分をすり抜けていった。

「やっぱり触れないのか!?」
本物の困惑。
その中でランティスの傷は増えていく一方だった。




「ヒカルも夢を!?」
「多分、ね…」
「だがどうして"今"なんだ?」
「それは私にも分かりません。気が付けばいたのはフェリオ一人でしたから…」
「私も…アスコットだけだったの。フェリオやランティスの姿はなかったわ」
「ウミ、フウ」
クレフが問う。

「今分かっている事だけで良い。話してくれないか?」
『えぇ』

夢の中で見たことを話した。
クレフのような存在の人、プレセアのような存在の人、
そして、黒いモコナ。

「ぷぷぅ!?」
「本当にモコナを黒くして」
「宝石が青かったですわ」
「ぷぷぷぅ!?ぷぷぅ!?」
ほんとに?と訊いてるらしい。

「私に似た者…?」
クレフも驚いていた。

「私と同じ創師…」
プレセアは心当たりが無い。当たり前だ。

「昨晩は黒いモコナさんが出したテントの中でお休みになったようです」

海と風は伏せている事がある。
フェリオがクリーシャに掴みかかった理由、アスコットがプレセアを殺した事。
二人にも分からないものがある。ランティスの考え。

だが伝説の戦いの関係者は嫌な予感がした。
オートザム、チゼータ、ファーレンの人間にはそれが不思議だった。

「何かあったの?」
「あ、いえ何にもあらへんのですけどね。アハハ…」
タトラに逆らえないカルディナだが…。





「ランティス!!しっかりして!!ランティス!!」
「うぐっ…」
偽者は本物と同等の強さを誇っていた。
偽者の光のエスクードには血が付いている。
イーグルの剣はレーザーなので血は付かないが。

かつて柱を倒した者と柱を目指した者。
かつて親友と呼んだ者と今も愛し続ける者
だが敵に廻せばその強さは計り知れない。

イーグルとはセフィーロ城で刃を交えた。
その前にはノヴァに応戦するために手を組んだこともある。
何より一番近い存在だっただけにその強さは知っている。

光は最初会った時には何も感じなかった。
普通なら仇を討つだろうが、そうしようとは思わなかった。
自分でも気付かぬうちに彼女に惹かれていたらしい。

柱の証を手にする者の強さを今一度味わっている。


休む暇を与えられず、ランティスは時には転がり、時には背後に壁を置いた。
だが体力には限界がある。
相手が剣腕なら王子、魔法ならアスコット以下であればこんなことにはならない。
相手が悪すぎる。
そして隙を突かれ、倒れてしまったのだ。

横に蹴りだし、転がった後再び立ち上がる。
ゼーハーと呼吸が乱れる。
一瞬の動揺で集中力が乱れる。

(く…)
ブンッと顔を横に振り、自分のリズムを取り戻す。

(やはり隙がない)
最強の二人を相手にしてはセフィーロ最強の男も勝てる確率はグググンと落ちる。
だが剣を構え、無意識のうちに腕が動いた。


「ランティス…」
光も海や風同様、偽者とは言え自分が愛する人を傷つける所を見せ付けられて嫌になった。
魔法の届かないことを恨み、エスクードの剣を貰ってない事を悔やんだ。

(もしかしたらエスクードなら届いてたかもしれない…!!)





カルディナはジ〜と見つめてくるタトラの視線を背中に痛いほど感じていた。

(アカン!!ここで伝説のことを言うたらアカン!!)
必死です。クレフ達にも分かりやすすぎるぐらいに。

(すまない、カルディナ)
(カルディナ、ごめんなさい…)
(こ、こればかりは私にもな…)
全員、見捨てる事を決定…。

しぶといカルディナの次にターゲットになったのは

(うっ!!わ、私!?)
(海さん、心中お察ししますわ…)
ジ〜と海の顔を見るタトラ。
ちなみに

(過去何度やられたか覚えてないが、アレは効くで…)
タータは二人の心中を察した。

「どした?」
ジェオ、楽しんでる。

この静かな、微妙な雰囲気に誰もこれ以上話が続かないのだが…。

(光〜!!早く戻ってきて〜!!)
(え!?今度は私ですか!?)
タトラ、下手すりゃ全員を餌食にする気マンマン。
妹は呆れて何も言えなかった。

(そうまで自白させたいか…?姉様…)

「…どうかなさったか?タトラ姫」
クレフ、ようやく救出活動。

「え?だってなんで皆黙っちゃったのかなぁ〜、って」
ニッコリ。
興味本位だろうが、本質は妹にすら見抜けない部分も多い。
ちなみに

(導師…人を選んどるんとちゃうか…?)
(クレフ…お願いだから早くしてよ…)
被害者二名は心で泣いていた。



ちなみに



(あれ?呼ばれたと思ったけど…気のせいかな…?)
光の意識はセカイアでこんなことになっていた。

「ま、いいや。それよりもランティス!!」

ランティスはなんとか剣でイーグルのそれを捌くが、一方で光から炎の矢を受けてしまっている。

「ぐゎ!!」
「ランティス!!どうして!!どうして私は戦えないんだ!!」
手に力を込めて魔法を発動しようにも…
そう、まだクレフから魔法を貰っていない。

(そ、それが原因…?)
ということでセフィーロに(意識が)戻ったらやることができた。

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