伝説の戦いの真実を知らない他国。
デボネアの現れた原因等も実はあんまり知らされていない。
ただ柱が消滅したからだけとしか。

「彼らがどのような旅をしているのか、想像していただけだろう」
クレフは黙り込んでいた理由を述べた。
外れではないが、本質でもない。

「やっぱり楽しそうなのじゃ」
アスカ、ウキウキモード。

「そうでしょうね。知らない多くの事を知ることが出来ますし」
サンユンも同意。
だが、サンユンの言葉がまたもや沈黙を生んだ。
知らなかった本当の意味を知り、誰も喜ばずに悲しみだけがあったからだ。

「良いわねぇ」
タトラ、呑気です。

「良いのか?」
ジェオの疑問。

『え?』
「例えばヒカル達が魔法騎士として招喚されたように、ランティス達も招喚されたんだろ?」
『え、えぇ…』
「ランティスの力があればいろんな事ができるぜ?」
「例えば?」
ザズがヒョコっと。

「そうだな、戦争とか」
「戦争!?」
「あいつは戦い慣れてる。これ以上に貴重な戦力はないぜ」
『違う!!』
海と風は思い切り叫んだ。

「ん?違うって何が?」





戦いなれてても、限度はあるっつの。

光とイーグルに傷をつける。
それ相応の苦しみ方をする。妙にリアルに。

光はその度に目をギュッと瞑り、目が開いたときにはランティスも傷を負っていた。

(俺は体力を消耗するが、こいつらはしないのか)
ランティスは傷つきながらも分析をする。

「稲妻召来!!」
十八番の魔法。
だが、相手もそれに対処してくる。
光は剣をアースにしてやり過ごすし、レーザーソードのイーグルは無効化すらしてしまう。

「激水龍襲!!」
「海ちゃんの技!?」
光目掛けて放たれた魔法。
炎の属性である事を考えたら納得できる。
今の一撃が効いた事は、本物の光がわかった。

「すごい…凄いよランティス!!」
興奮する光をよそに、ランティスはフゥと溜め息をついていた。

イーグルの剣を捌く。
だが同じ実力。そう簡単には勝たせてくれない。

(弱点はない…)
ランティスは改めてそう思った。

(シールドを張れる分、魔法は無意味。体力勝負では俺が不利だ)
冷静な顔して冷静に分析してる。
光はその様子に一瞬凄いと固まっていた。

(イーグル、おまえならどうする…)
今は答える事の出来ない人間に問う。

ふと思う。

((病気はないのか?))
二人は同時にそう考えた。
彼の命を奪ったのはデボネア。
それはデボネアによりFTOが行動不能に陥らされたからである。
そしてその理由は、光をノヴァから庇うためにFTOを盾にしたから。
シールドを発動させようとはしたが、そういう時に発症し、吐血した。
その間にコマのようなビットか何かにFTOはやられていった。

精神エネルギーの消耗のしすぎによる病気。
だが治療法がなく、彼は死を覚悟した。
しかし、周りにギリギリまで気付かせる事はなかった。

光の偽者を弱らせた為、攻略するはイーグルのみ。
だが
光の偽者が魔法を使う。

「あれは紅い稲妻!!」
光の中では最強の攻撃魔法。

「殻円防除」
ランティスは余裕だった。
術者が弱っている分、速度と攻撃力は弱い。

イーグルの方を見た。
すると、彼はぐら付き、血を吐いた。

((今だ!!))
隙を逃さず、イーグルの…
首を刎ねた。スパッと。

「…!!」
光は固まって動けなくなってしまった。
首から上を失った肉塊はドサッと崩れ去った。
返り血は顔の半分を覆った。

残るは光のみ。





「違うって何が?」
ザズの質問。
二人はウッとなった。

会議は踊る、されど動かず。

「戦争になってないってどうして分かったのじゃ?」
「そういう夢でしたら多分…正気を保っていられませんわ」
でも自分が殺されるシーンを見てはいるのだが…。

「それにしても、複雑だな」
クレフが述べる。

「フウは王子に自分が殺されたところを見たのであろう?」
「も、もちろん偽者ですわ」
「そうでないと困る。だが…」
言わなくても分かる。
斬り殺されてるんだもんなぁ…。

「でも…良いんです」
「せやけど…ちょっと引っかかるんやけどなぁ」
カルディナは海を見た。

「何?」
「ほんまに魔獣やったん?アスコットの相手」
ズバリな質問。
海はウッとなったが

「そ、そうよ」
「せやったらそれでええねんけど…」

言いたいことは分かる。
カルディナの疑問は皆が思っていたのだ。

ウミが出たのでは?

確率的には半分程度だろう。
その中で魔獣が出たと聞けばまぁ納得はできる。
実際は違うのだが。

「でもえげつないよなぁ」
ザズ、ぼやく。

「自分の大切な存在を殺す、なんて普通できないぜ」
「あぁ。だがそれでも戦わなければいけないんだろ」
ジェオは目を瞑って言った。
彼が思い出しているのは、聞いただけの戦い。
イーグルが柱の間に行こうとしてランティスと刃を交えたことだった。

「奴らがどれだけ苦しんだか、想像もしたくねぇな」
でも考えてしまう。

「何を過去の事をウジウジと言ってるんだ」
タータ、そのツッコミはいけない。

「昔の事よりもこれからの事を考えなくちゃいけないってのに」

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