「ん…」
リームは石化から戻り、目を覚ました。
彼女が見たのは、ランティスがフェリオを魔獣の背に乗せている場面だった。

「お…俺は…!?」
手足胴体を見、顔を触る。

「そうだ…確かあの岩にのせいで俺は石にされてたんだ」
バッと振り返ると、岩はもうない。
あるのは溶岩。元"邪気を放つ岩"は液状化された。

「ランティス…お前がやったのか?」
でも答えない。

「おい!!聞いてるのか!?」
「だったらどうした」
「答えろよ!!」
「…」
ふいと向きを変え、歩き始めた。

「んのヤロー!!待てー!!」


「フェリオの剣は意味なかったってことか…」
「いや」
「え?」
「王子の剣が刺さらなければ、俺は魔法が使えていなかった」
「けっ。結局魔法かよ」
嫌味タップリ。
だが慣れてるので全くその辺聞いてない。

「あぁ〜あ。ツイテないにも程があるぜ」
呟く。ランティスは無視。

「戦って、アタランには入れず、その上石にされた後、こんな無口無愛想無表情なヤロゥと一緒にいるなんてな」
「嫌なら去れ」
あ。怒ってる怒ってる(汗)

「あ〜分かったよ!!どうせもう森の結界はなくなったんだ。じゃぁな」
そう言ってリームは彼らと分かれた。





セフィーロ城、大会議室(らしい場所)。
この日2回目の首脳会談が開かれた。

「あんまり意味はないだろ…」
とジェオがグチった。
皆心でそう思っていた。

「オートザムは確かに高い技術力を持ってはいるが、異世界に行く機械などできたという報告なんざ受けてませんからなぁ」
「チゼータじゃ確実に無理だな」
「ジンが賢くてもこればかりはねぇ」
「ファーレンにもそのような方法はありませんしのぉ」
「幻術では異世界に行けないのじゃ」
「セフィーロでも、それこそ私とランティス、アスコットが何度挑んでも異世界には行けなかった」
とネガティブな意見ばかり。
セフィーロ人もゲンナリ。
一方…

「やってたんだ…」
光、思わぬ感想。

「ん?あぁ。この三人なら行けると思っていたのだが、何度挑戦しても無理だったのだ」
クレフ、申し訳なさそうに述べた。

「私たちもなの」
「東京タワーで何度祈っても、ここに来る事ができませんでした」
「じゃぁどうやってやって来たの?」
皆の視線が集まる。

「分からないわ」
『へ?』
「私たちは今日久しぶりに来れたんですが、その理由は分かりません。ただ…」
『ただ?』
「セフィーロの平和が脅かされた時のみ、ここに来る事ができるのかも知れません…」
嬉しくない憶測。
だが、今の現状を見る限りではそうとしか言いようが無い。

「ぷぷぅ…」
魔法騎士の傍に白いモコナがいる。
元気のなくなった皆を見て、モコナも元気がなくなったらしい。
消えた三人とは仲が良かったし。


意味が無い会議。それに苛立ってきた。

「…しょうがない」
クレフ、立ち上がった。
皆が注目する。

「夕食にするか」
へ?と皆なったが、その後、笑顔で頷いた。
移動するのが面倒だったため、他国者(カルディナ除く)はその場で待機となった。
魔法騎士もである。


「ん?どないしたん?」
「ひゃぁ!!」
ポン、と背中を押されてビックリしたプレセア。

「ビ、ビックリしたぁ…何よいきなり」
「だってあんた、おかしいで」
「え?」
「何があったか、このカルディナ様に言うてみ?ん?」
カルディナは笑顔だった。
プレセアは溜め息をついた。

「ヒカル達の話が本当だと、次はあまり良いことは起こる気がしないの」
「次…確かエスクードを取ったんやから、次は創師のところに持って行くんやろ?」
「そう。…でも…殺されたわ……」
彼女の顔は真剣だった。
今度はカルディナが少し溜め息をついた。

「なるほどな…」
思い出してみる。聞いただけだけど。

「せやけど…そないなことってあるん?」
「ないと言い切れるの!?」
怯える者の声。
カルディナは彼女を胸に抱いた。

「心配いらんよ」
「でも…!!」
「アスコットは昔のアスコットとちゃう。それに王子とランティスもおるさかい、心配いらへん」


クレフとラファーガは離れた位置で二人を見ていた。

「導師…」
「カルディナの言う通り、彼らを信じよう」
「それは、皆思っています。ですが…」
「言うな」
クレフの声が怖かった瞬間。

「…申し訳ございません…」





「魔物!!?え?あれは…」
ランチャーのトリガーの指を離した。

「モコナ!!ランティス!?あなた本当にランティスなの!?」
「俺は俺しかいない」
「ちょっとぉ〜!!どこ行ってたのよ!!しかもなんか増えてるし!!ってフェリオ!!アスコット!!どうしたの!?」
沢山の質問。答えるのは大変なので

「別に」
「いや別に、じゃな〜い!!彼らに何があったの!?」
「アスコットは魔獣を招喚して心を使った。王子は魔物にやられた」
「ちょ、ちょっと!!大丈夫なの!?」
「命に別状は無い」
「そ、そう…」
よぉやく、ホォ…と胸を撫で下ろせた。

「悪いが」
「何?」
「加工は二人が起きてからにして欲しい」
「別に良いわよ」


「ぷぅ!!」
指差す方向に、プレーリー宅はあった。


「夕御飯、ちゃぁんと材料買っておいたわよ」
「すまない」
「良いのよ。セカイアを救ってもらうんだし、…クリーシャの仇を取って欲しいし…」
「…」

倒れてる二人をソファに置き、プレーリーは調理に取り掛かった。

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