『いただきま〜す!!』
セフィーロ、食事Doki。

NSXクルー二人は艦に戻っていた。
自分たちだけがご馳走になれば士気に関わるからだ。
艦員は正に同じ釜の飯を食べる仲。
信頼関係は縦にも横にも、ネット状に張り巡らされている。

チゼータとファーレンはそこにいた。
食事をする旨をそれぞれの船に伝えておいた。
最後に「ごめんね」と付け足して。

暗くなるのであの三人の話はなかった。
誰が決めたという訳でもないが、自分の心で決めた。

「うへ…拷問なのじゃ…」
「あら、楽しいですわよ?」
それは高校の授業の事について。
アスカは立派な姫になることを誓ったが、勉強したくない様子。
秀才の風とは違う。

「まぁでもしょうがないだろ」
タータ、勉強はしてる。

「ウミとヒカルはどうなの?」
「私はソコソコかな…」
「私も。でももうすぐ受験なんだ」
『ジュケン?』
「次の学校に行く為に、また一杯勉強しないといけないんだ」
「そぉそぉ。おかげで遊ぶ時間もなくなっちゃうし、風なんか超一流のトコ目指してるんだもの」
「え?三人一緒のガッコウだと思ってたんだが、違うのか?」
「さすがに無理よ。夢が違うんだもの」
と苦笑してる海。

「私は盲導犬の調教師になりたいんだ」
『モードーケン?』
「あ、えっと、地球に犬っていう生き物がいて、目の見えない人のために道案内したりいろんな事を手伝ってくれるんだ」
そういうと光は携帯を出した。

「これが犬だよ」
待ち受けが閃光。

『へぇ〜…』

続いて

「ウミは?」
「私は…具体的にはないわ。そもそもお嫁さんだったし」
『何それ?』
「まぁようは好きな人の子供を産んで…」
と、そこで止まってしまった。

空気が一部で重くなってしまった。

「…ごちそうさま」
プレセアが席を立った。

「残ってるぞ」
クレフが指摘するも、

「今は…入る気がしなくて…」
そう言うと、彼女は食器を下げた後自室に戻った。
カルディナ達"知ってる者"は何も言えなかった。
セフィーロ以外の"知らない者"は首を傾げた。
クレフは、別の事が理由だと思っていた。
外れではない。事実、殺されるか否かの瀬戸際の創師の事で気が気でない。
そんな彼女に海が追い討ちをかけたのだ。





「ん…?」
フェリオは鼻をピスピス(ハムスターじゃないんだっつの)して目が覚めた。

「ここは…?」
と起き上がるとき。

「ん〜…ん…?」
アスコットも目を覚ました。

「あ…フェリオ…」
「起きたか。…と言っても俺も起きたばかりなんだけどな」
「え?」
「とりあえず、動くか」
というところで…

「あ、起きた?」
『プレーリー!!』
「全く…心配させないでよ」
「す、すまない」
「何があったの?」


ランティスは簡単にしか説明しない。
発想力だけで戦況を分析するしかない。

「で、リームは?」
「分かれた」
「そうか」
自分も、風たちと出会ってからすぐ分かれたことを思うと納得できるフェリオだった。


さてこちらも夕食。
本日はステーキらしい。(何の肉?)
食事をしながら今夜の打ち合わせ。

「食べて一段落したら、やるわよ」
「あぁ」
「でも、条件があるわ」
『条件?』
「えぇ」
彼女は真剣な顔つきで訊いてきた。

「リュビが…彼女がメルビルを好きになったって…本当?」
「な…!?」
ポロ…と肉が落ちた。

「ランティスから聞いたの」
「な!?ランティス!?お前!?」
立ち上がってしまった。

「訊いただけだ。柱はどういう存在かを」
「…」
フェリオはまた座りなおした。

「どこまで…聞いてる?」
「フェリオ!?」
思わずアスコットが反応した。
だが、お前は黙ってろ、という目で見られた。

「え?」
「セフィーロの悲しい伝説をどこまで聞いたんだ?」
「悲しい…伝説…?」
「選ばせてやるよ。聞きたいか、聞きたくないか、を」
覚悟を問う。
今なら聞かずに済む。悲しい伝説を。
だが、伝説の本質を知らない。知らねばとも思う。
プレーリーはフォークを置き、テーブルに肘をついた。
彼女が迷い、真剣に考えてることは誰から見ても明らかだった。

アスコットも迷う。
これから起こるかもしれないことを彼女に話すかどうかを。
絶対に起こる、という保証がない。だから不安を煽ってはいけない。
だが、起きてしまえばまた後悔する事になる。


しばらくして、

「…聞かせて」
その顔は覚悟を決めた顔だった。
彼らの伝説と自分たちの伝説がダブるのであれば、聞くしかない。
愛する者が隠した理由は知らないが、例えどんな結末であろうと聞くしかない。

「分かった」


フェリオは淡々と、自分の知ってる限りを話した。
神殿の事はアスコットも述べ、ラファーガのことも一応話しておいた。
そしてザガートの事も述べた。
最後にエメロード姫の戦いの事も述べた。
一欠けらたりとも忘れた事の無い彼女の戦いを、フェリオは淡々と述べる。
その声は辛く、時には聞きづらいこともあったが、全てを語った。

「……」
プレーリーは何も言わず、俯いてしまった。
無理も無い。この伝説が彼らにとっての事実であり、自分たちに降りかかる未来であるとすれば。

柱を殺すための武器を創ることになる。
それを伏せたクリーシャを恨めしくも思うし、優しさを少しだけ感じる。

もう一つの決断を迫られる。
彼らの武器を創るか否か。
セカイアの崩壊を防ぐために招喚されたセカイアの魔法騎士。
だがその方法は、柱的な存在であるリュビを手にかけることだから。

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