アスコットの魔獣がセカイアの魔獣に牙をむく。
カペラのように、大きな体で大きな剣を扱う者もいる。
放射系の魔法が使える魔獣はそれを使う。

ハッキリ言って、フェリオを止める理由がない。

「フェリオ!!」
「やれやれ」

バッと飛び出していき、目の前の幼虫(モスラ並)に斬りかかる。

「おらぁ!!」

ガンッと音がした。

「何!?こいつ…!!」
反発を利用して間合いを取る。

「か、硬い!!」
「魔法にも対処するよ」
「何!?って何落ち着いてるんだお前!!」
アスコットが平然と述べたことに驚く。

一斉に幼虫の体が光った。
そして、第二形態とでも言うべき姿になった。

「形が!!」
「やっぱりアタランテと同じだ!!」
そういうとアスコットは真っ先に動いた。

「衝電破激!!」
一撃目よりも強く撃つ。
他の魔獣達も攻撃力を強くしていった。

だが

「そういうことは早く言えよ!!」
また挑み、弾かれたフェリオが空中に舞う。

「だんだん強くしなければいけないなら何故そう言わなかった!!」
「ごめん!!ここまで同じだなんて思ってなかったんだ!!」
「ふざけるなぁぁ!!」
フェリオ、最初から飛ばして行ってしまう。

「おい!!責任取れよ!!」
「言われなくても!!衝電破激!!」
フェリオが相手していた魔獣に魔法を放つ。
一旦弱ったかと思った。

「今度こそ…やったか!?」
「…全然」
「な!?あと何段階あるんだよ!!」
「知らないよ!!この子達に訊いてよ!!」
「お前しか言葉が分からないんだっつぅの!!」



「フフフフ」
月夜に照らされる存在がまた一つ。

「攻撃をすればする程、あの子達は強くなる」
フッと笑顔を見せている。

「簡単だったわ。魔法騎士なんて」
勝利への確信。



「ちっ…武器を借りてくる」
フェリオは家の中に入った。

「…元々、フェリオの力は借りるつもりはなかったよ」
一人で背負う、一人の過去。
一人で背負う、幾つもの命。
独りで背負う、運命。

「行くよ!!皆!!」
幼虫は変化する。
彼の掛け声で魔獣の咆哮が森に響く。


「どうだ?」
ランティスが結界の中から尋ねる。

「どうもこうもないぜ。あいつ、大事な事を言わなかったんだからな」
肩に銃火器を背負う。

「段階的に攻撃力を上げる必要があるのなら、それを言うべきだったはずだ!!」
フェリオはそこに怒っている。

「王子」
「何だ?」
「剣だけで戦ってみろ」
「もう無理だ」
「何故だ」
「俺は最初から全力で挑んでしまった。奴らはそれにもう対処してしまっている」
「ならそれに勝つ事だ」
「何?いくらなんでも無理だ」
「決め付けてしまえばそこで終わる」
「くっ…」
「他の武器は持つな」
「だがこれは」
「そこに甘えが生じれば、これ以上の上達はしない」
「うぐっ…」
「俺やラファーガを超えるなら、避けて通るな」
「…くそっ!!」
ガシャンと背負った武器を床に落とし、彼は飛び出していった。
ランティスはそれを見送ると、再びプレーリーの傍に戻った。

「限界を決めれば、そこで何もかも終わってしまう」


プレーリーは止まってしまったリズムを取り戻していく。
そしてリズムを整えると、エスクードに力を込めるように動く。
物理的にではなく、精神的、魔力的に。
ランティス達を信じ、集中力は切れるどころか深くなっていく。

(やってみせる。私の名にかけて)





「ぷぅ…」
セフィーロ城の白饅頭は光に抱かれていた。
モコナは一番最初にシエラの正体を見抜いた存在。

プレセアの踊りを間近で見た存在。
天井にヒビが入っても、ぷぅと大声で叫んでも、彼女は反応してくれなかった。
踊り終えた瞬間に天井が降ってきた。
その時の彼女はもう、精根尽きていた。
そして…。

光達の話を聞いて、モコナの心も潰れそうだった。

ピョン!!と飛んだ。

『モコナ(さん)!?』
「ぷぷぅ!!ぷぅぷぅ!!」
「な、何!?」
「もしかして、開けろって言ってるの!?」
「ぷぅ!!」
コクンと頷く。

風がノブに手をかける。
鍵はかかってる。だが

ギィ…と音を立て、扉が開いた。

「な…!?」
『クレフ!!』
驚くのも無理は無い。
結界を張っているのは今初めて知ったのだ。

「ぷぷぅ!!」
モコナ、ダッシュ!!

「え!?モコナ!!」
光は当然のようにぶつかると思った。
だが

『え…!?』
モコナは結界がまるで無かったかのようにすり抜けた。
そして、プレセアの胸に飛び込んだ。

「モコナ…?」
「ぷぷぅ…」
「…あなたも、心配なのね」
モコナをギュ…と優しく抱きしめた。


「うゎっちっ!!」
ジェオが結界に触れてみた。
軽い火傷を負ったらしい。

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