「はぁぁぁ!!」
ラファーガは一刀両断かつ一網打尽。

「ハッ!!とっ!!」
カルディナ、やはり対人以外はどうも苦手なようだ。
ラファーガがすかさずフォローに入った。

「す、すまんなぁ…」
「気にするな」


ブォォォォォ…と轟音が鳴り響く。
GTOが速射砲をぶっ放している音だ。
直撃をしなくてもすぐ傍を通るだけで肉が裂ける。
その貫通能力は魔物10体を一発で仕留めるほど。
そして、あれから厳しい訓練をしてきたジェオの腕があるからこその成果。
夜間スコープを通して魔物を捉える。

「ジェオ!!次は10時方向!!距離500!!数20!!」
「了解」
ザズや他のNSXクルーが魔物をレーダーで捉え、ジェオに伝える。

「俺ってお人よしなのかねぇ」
「それ、俺達、だろ?」
「違いねぇ」
クククッと笑ったジェオだった。


ジンは魔物を殴り倒したり、絞め殺したり。
今はタトラ、タータの動きを模さずに自分の意思で動く。
だから精霊。
で、小休止したのはその二人を迎えに行くためである。

「マ、マッチョ…」
「嫌なら乗るな」
ジン 1/1サイズを目の前にして。

「だ、だって…」
そう言う海を、誰かが背中から呼んだ。
振り返ってみれば、そこにはアスコットの友達がいた。

「…」
クエェと鳴く魔獣は背を見せた。

「もしかして…乗れってこと?」
魔獣は頷いた。

「…ありがとう」
海は感謝した。色んな意味で。


巨大サンユンと巨大魔法騎士もまた、魔物を殲滅している。
だが、派手好きなアスカが操るが故、実は周りの被害も…。

「アスカさん、もうちょっと威力を下げないと、周りが…」
「えぇぇぇぇ!?」
彼女達は巨大フウに乗っている。

「それじゃぁつまらないのじゃ」
「でもそれで不安がまた募ってしまう方が問題ですわ」
「ぷぅ…」
不満だらけで、攻撃力は弱まった。


果たして魔物が脅威なのか、巨大軍団が脅威なのか…

「まったく…やりすぎだ」
クレフは頭を抱えてしまった。
光は汗一つ。
プレセアも汗一つ。

「ヒカル」
「何?」
「何故私がお前を同行させたか、分かるか?」
「え?…私が柱の証を持ってるからか?」
「そうだ。ならば分かるな。柱の持つ力を」
「…うん。そういうことだね」
光はグリフォンの背に立った。
そして、念じた。自分の思いを。




アスコットには分からなくても、ランティスには分かる。
彼の目の前の魔獣を招喚した者がどこにいるか。
だが、アスコットが新たに"異世界"から魔獣を招喚したせいで心を使ったのも知っている。
フェリオもなんとなくだが苦戦しているだろうと予想できる。

「ぷぅ…?」
大丈夫?と言いたいらしい。

「あぁ」
顔には出さない。
まだかなりの余裕があるからだ。
底知れぬ実力を持つ男は、常識の範囲にはいない。



「聞いてくれ!!」
アスコットが屋根の上から叫んだ。

「僕は…君達を殺したくなんかない!!」
その声が森にコダマした。
同時に、全ての魔獣の動きが止まった。


「どうするんだ…?」
フェリオは一応戦闘態勢をとる。
不覚の事態に備えて。


「勝負はもう見えてるんだ!!君達は僕らには勝てない!!」
言い切ってしまった。

蛾が怒った。
何かを言っているらしいが、フェリオやランティスには分からない。
アスコットは屋根の上で冷静になっている。

「でも、次の攻撃を受ければ、終わっちゃうんだ!!」
この一言が火にガソリンを注いだ。
一斉に羽ばたき、風圧がフェリオ達を襲う。

「うお!!な…!?なんだこの粉!!」
ヤバイと思い、反射的に口と鼻を塞いだ。
その判断は正しかった。

「フェリオ!!毒だ!!」
(やっぱりか!!)
てか、思わず彼の方を見た。
アスコットが叫んでいて大丈夫なのか?と。
だがアスコットは平然としている。
よく見れば、彼を包むように粉があるが、

(結界を張ってるのか…凄いぜ、お前は)
そう思った矢先、フェリオも結界に覆われた。
横の魔獣が張ったらしい。

「ありがとよ」
チャ、と剣を上げ礼を言う。
毒の粉を吸い込まないように、慎重に掃っていく。


家の中に出た魔獣達が外に出た。
直接アスコットを攻撃しようという魂胆だ。
だが、これがあまり良くない結果を呼び出した。
彼等は仲間の魔獣−でっかい蛾−の出した毒鱗粉をモロに吸ってしまったのだ。
喉を抑え、苦しそうにその場に倒れこんでしまった。



「う、う、う、うそー!!な、何やってるのよー!!」
泣きそうになってる招喚士がいた。
急いでその苦しんだ魔獣たちを消した。
安全な場所で解毒をする為に。



(ここまでは考えてなかったんだけどな…)
アスコット、思わぬ事に唖然としてる。
だが、家の中が安全になったとでも言うべき状況。
疲れと相手の状態を除けばふりだしに戻ったのだ。
最も、その二つが苦戦を強いらせてるのだが。


プレーリーは踊り続ける。
時には優雅に、時には激しく、時にはゆったりと。
それは確実にエスクードを加工していく。
守られているという実感が安心を生み、余裕を生む。
その余裕を集中に変え、エスクードと共に踊り続ける。

(あと…あと少し…あと少しで完成するわ…)
だが油断はしない。
プロは仕上げにも拘るのだから。

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