「消えた…!?」
「レーダーブラックアウト!!」
「何ぃ!?どうなったるんだ!?」
「どういうことだ?」
「不安が解消されたってことかしら」
「ふ、不思議なのじゃぁ〜」
「本当に…」
「驚きだらけですな。この国は」
とある二人の反応は違った。
「光…」
「光さん…」
「す…凄い…凄いじゃない!!ヒカル!!」
「え、エヘヘ」
「私は、できると思っておったよ」
クレフがくるっと振り返った。
「ヒカルはエメロード姫を超える力を持つ。彼女ができなかったことを、お前ができるのだ」
「そ、そんな事考えた事も無いよ!!」
あわあわとなってる光。
「だがお前の祈りで魔物は消えた」
クレフは光の目の前に行くと、
「ありがとう」
と、笑顔を見せた。
それを見た光も、笑顔になった。
「プレセア」
「はい」
「あまり考えすぎるな」
『…』
「もし仮にその創師が襲われて死ぬような事があろうと、我々にはどうすることもできない」
「クレフ!?」
思わず呼び捨てで言ってしまった。
光も言葉を失った。
「だが」
『え?』
「なんとかする者もいる。私は彼らを心から信じておる」
ランティスの結界にも毒鱗粉が付き始めた。
ドアを開けっ放しにされたのだ。
「…」
結界内は鱗粉が来ないが、一度解除すれば、結果は見えている。
過程はどうであれ…。
プレーリーが突然崩れた。
「ぷぷ!!」
「プレーリー!!」
駆け寄り、抱き上げた。
「で…できたわ…」
彼女はやり遂げた笑顔をしていた。
だが、体力と心の消耗はランティスの想像以上。
途中で中断した事により更に負担がかかっていたのだ。
「ランティス…これが…あなたの武器…」
彼女が手を伸ばす。
ランティスがそれを見、そして共に手を伸ばした。
「これが俺の…」
「あとの二人にも…渡さなきゃ…」
とんでもない疲労の体に鞭打って動こうとする。
「動かない方がいい」
「でも…届けなきゃ…二人の武器を…」
「後でいい」
「苦戦…してるんでしょ…?」
「あの二人は俺の国の導師と剣闘師が見込んだ二人だ。心配ない」
「でも…」
「二人は必ずやりとげる。心の強さなら俺に劣らない」
「なら…手助けになるわ」
「だが」
「お願い…行かせて…!!」
どう見たって動ける状況ではない。
結界ごと動かす事は可能だが、動けば鱗粉が入ってきてしまう恐れがある。
今の彼女なら数秒ももたないだろう。
普通であれば。
ランティスは魔法道具に念じてみた。
今の状況で一番適しているものが何かを探るために。
そして、それは出た。
(これか)
かつていた国、オートザム。
その軍にいた彼はセフィーロでは殆ど無いような物の存在を知った。
その中の一つが、手にした二人分のガスマスク。
何故二人分もあるのかは彼にも分からなかった。
まぁいい、とプレーリーにも装着した。
「ランティス…?」
「出るのか?」
「…えぇ」
「分かった」
ランティスは彼女の体重を受け止めた。
肩に担ぎ、外の方に歩み出ようとする。
「まだ何かできるのか?」
「僕らだって最初から全力で戦ってたわけじゃないからね」
「…」
プツッとな。
「…なぁ」
「何?」
「もし俺が限界を超えたら、何かくれるか?」
「え?」
「お前に負けるのはどうもな」
フェリオは剣を握りなおした。
「それに、この剣はプレセアに砥いでもらってるんだ。勝たないとあいつに何を言われるか分かったものじゃないだろ」
フッとフェリオは笑って見せた。
アスコットもそれに応じて笑った。
「じゃぁ勝負するかい?」
「良いぜ。方法は?」
「決まってるよ。生き残った方が勝ちだ」
「望むところだ」
さて戦況は変わらず…
毒鱗粉の影響がまだ出ている。
だが少しずつ風の影響や撹拌されていく状態になるため、徐々にだが晴れてきてはいる。
でもこれで触角からビームでも出た日にゃぁ、ね。
「なんなのあの余裕は」
双眼鏡で見ている。
「どぅ考えたって私たちの方が上じゃない。なのになんで?」
知らん。
「あの状態になったあの子達が負けるはずないわ。そうよ絶対勝つわよ」
焦りも隠せない。
だが双眼鏡を通しても、彼等の疲労が大きい事は分かっていた。
ハッタリだと決め付け、自信を取り戻そうとする。
『な…プレーリー!!』
家から出た男は良いのか?
「おい!!何故家から出てきた!!」
「どうして連れて来たんだランティス!!」
「プレーリーの意志だ」
「でもここは危険すぎる!!このままじゃまた!!」
繰り返されようとする悲劇が頭をよぎる。