「海ちゃん」
「海さん」
プレセアの部屋のドアすぐにいた。
「プレセアは…?」
「あ…寝ちゃったよ」
「え?」
「やはり一睡もできなかったようです。それだけ不安に襲われていたみたいですわ」
「セカイアの創師の事を話した途端に一気に寝ちゃったんだ」
「安心して力が抜けた、という感じでしたわね」
「そう…」
『…』
これ以上の会話が続かない気がした。
(やっぱり海ちゃんもプレセアが心配だったんだ)
(海さんは仲間想いですから、心配しないはずがありませんわね)
というわけで一応食卓に向かう事にした。
「そうか。では暫く起きてこないだろうな」
クレフは意外にも冷静だった。
海はそれが少しショックだった。
そしていつも通りの食事を始めようとするクレフに腹が立ったが、口では言えなかった。
「アスコットも強うなっとぉねんけど、まだまだ王子やランティスの域やないねんな」
カルディナが述べる言葉の意味は?
「子供の思いついた作戦と大人の採る行動はやっぱ違うんやね」
アスコット批判。
それも海にはきつくなっていた。
「仕方がないだろう。王子とランティスはそれに長けてはいるが、アスコットの作戦は詰めが甘いきらいがあるからな」
クレフの冷静な分析。
まぁでも確かに詰めが甘くなきゃ魔法騎士は生きてはいない。
複雑な心境の光達だった。
「で、次はどこで戦うんだ?」
「多分砂漠じゃないかなぁ…」
「あくまでも私たちと同じ行程であれば、ですが」
「その時は誰と?」
『…アスコット(さん)』
『…』
試練に同情する皆さんだった。
「魔獣招喚!!」
乗り物は魔獣。
4人+1匹はそれに乗って移動する。
「ぷぅ〜」
青い額飾りが輝き、一筋の閃光を放った。
「あそこに魔神のいる神殿があるってことか?」
「みたいだね」
「行こう」
「えぇ」
魔獣は大きく翼を広げ、大空に飛び立った。
光達の辿った行程とフェリオ達の行程は若干の差がある。
それはプレーリーが元気であり、かつ旅の仲間になったことだ。
バタフライ効果(ジパング1巻参照)は果たして…?
ふと思った。
魔獣の速度が速ければ砂漠やそのオアシスの街に行く事無く神殿にたどり着くんじゃないかと。
でも更に思った。
「このまま潜るのか?」
「え?あ、えぇと…」
「前はどうした?」
「あの時は魔法で移動してたから…」
「そんなの私無理よ」
「モコナ、お前何か出せないか?」
「ぷぅ〜?」
とぼけてる。
呆れてる4人。
だが…
チャキと剣を突きつけられ、更には銃口もモコナを向いている。
短気な人が多いようで…。
モコナは汗タラ〜リ。
「ぷ、ぷ〜…」
不満そう。
一応乗り物はあるらしい。
「ぷぷぅぷぅ」
「え?」
「何だって?」
「僕がこの子を出したからだって」
「あ、なるほど」
いや気づけよ。
さて実は休憩ナシは無理。
魔獣だって生き物だ。ある程度したら休憩させないといけない。
問題はその休憩地点で何が起こるかという事だ。
「こんなのを街中に連れて行ったら絶対に捕まるわよ」
プレーリー、逆撫でする。
アスコットは心がナイフで斬られた感じだった。
随分昔にそんな経験は慣れているが、やはり辛い。
魔獣も悲しそうな声を出した。
「…分かったよ」
『え?』
そして…
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
『いきなり消すなー!!』
「だってさ…」
落下してても落ち込んでる。
「精獣招喚」
ランティスはとっとと。
つか、高度がないんだから即死率はググンとアップ。
「ぷぅ!!」
モコナ、ようやく出した。
「ぐぁ!!」
「ぐぇ!!」
「あん!!」
3人は腰を強打。
モコナ、後頭部をポリポリ…
その後ランティスも合流した。
で
「お前は俺たちを殺す気か!!?」
「消すなら地上に降りてからにしてよ!!」
とまぁ当然のように怒られ…
パシ〜ンと響き…
アスコットは顔が膨れていた。
ビンタ1発ずつって一体…。
というわけでランティスに治療をしてもらったのでまたカプセルに乗り込む…前に。
『!!』
「出やがったな。どっちだ?」
「魔物だ!!魔獣じゃないよ!!」
「じゃぁ、遠慮はいらないわね」
「行くぞ!!」
「うん!!」
「えぇ!!」
「…」
本日一発目の戦闘開始。
"魔法騎士"は創って貰った武器を手にした。
プレーリーは三叉の刃が柄を挟んで二つついている、ツイントライデントを両手で握る。
『スゴッ!!』
「そう?」
という話をしてる間にランティスはちゃっかりと1体を撃破。
「戦闘中だ」
『は、はい!!』
指揮官なれますぜ。
「うぉりゃ!!」
「てぇぇい!!」
「やるじゃない。二人とも」
ツイントライデントを振り回して2体を撃破したアネゴの一言。
(こんな奴に折檻されたら)
(絶対死ぬ!!)
こうしてフェリオとアスコットは逆らえば死、の意味を理解したという。