黒いモコナもお昼寝中。
男三人、爆睡中。
「よく寝るわねぇ…こんなに天気がいいのに」
ン〜…と背筋を伸ばすプレーリー。
眠気もすっかり取れたようだ。
自分の手を見つめる。
エスクードを加工して武器を創った事
メルビルを倒し、クリーシャを元に戻す事
そして…どうしても確認しなければならない事
そういった思いを握り締め、彼女はパーティーに加わっている。
「暇ね…」
そう思うと、何かをしようと決めた。
カチャカチャ、という音に目を覚ましたのはランティスだった。
「…どうした」
「あ、起きちゃった?」
彼から見れば、彼女は銃の手入れをしているようにしか見えなかった。
「ん?あぁこれ?コレも自作よ」
得意げに言うプレーリー。
「…そうか」
「皆寝ちゃってるし暇だったのよね」
「…皆あまり寝ていない」
「そうなの…ごめんね」
「何を謝る」
「私はあなたたちの武器を創った後に思い切り寝ちゃってて…戦えなかったから…」
「…気にするな」
「でも…」
「武器がある。感謝するのは俺たちのほうだ」
その会話を聞いている男が二名。
だが狸寝入りを続ける事にした。
「…ねぇ、訊いても良い?」
「…?」
「セフィーロの伝説と、今私たちが辿っている伝説って…本当に同じなの?」
「…俺は知らない」
「え?」
「一番詳しいのは王子だ」
「そう…でも何故あなたが知らないの?」
「お前には関係無い」
彼はぷいとなった気がした。
それに少しムッとなったプレーリーだが…
「大体、同じだな」
「フェリオ…?」
フェリオが起き上がった。
「突然異世界から招喚され、エスクードを取り、創師に武器を創って貰い、伝説の魔神が眠る神殿に向かう…だが差はある」
「差?」
「あなたが…生きている事だよ」
アスコットも起き上がった。
「え?」
「…僕は…セフィーロで人を殺した」
「え…!?」
「沈黙の森の呪いが解け、魔法騎士が創師にエスクードを加工してもらう、という時に、ね」
「う…うそでしょ!?」
「本当だよ。そして殺したんだ。…プレセアを」
淡々と語るアスコット。だが表情は沈んでいた。
「ど…どうして!?」
「アスカさん、どうなさったんですか?」
「なんか皆が集まっておったからの、なんかのうと思ったのじゃ」
「ジェオとタータが勝負をしていたんだって」
「ほぅ!!で、どうなったのじゃ!?」
「あのなぁ…俺はタータが付き合ってくれと言ったから付き合ったんだ」
そんな言い方すると…
『えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
当然、こうなる。
「え?な、何?」
ジェオ本人が一番ビックリ。
「つ、付き合ってたのか!!」
「は!?え!?あぁ!!ちっ違うっつぅの!!」
即全否定。
「だって、ねぇ」
「はっきりとおっしゃいましたわよね」
「で、質問があるのじゃ」
『な、なんだよ』
ジェオとタータが同時に…
「式はいつなのじゃ?」
『しねぇよ!!』
二人でまた、即全否定。
魔法騎士達は"おぉ〜…"となっていたが…。
タトラは内心、腹を抱えたに違いない…。
で、さてなんとかその場を落ち着けたジェオは…
光の手を取った。
『あ!!』
海と風が過反応。それにプツッときたジェオだったが…
「ザズ、GTOできてるんだろ?」
「え?あ、あぁ」
「じゃぁ行こうぜ、セフィーロ観光によ」
『え?』
「導師クレフが仕事で忙しいらしいからよ、俺たちが案内してやるよ。今のセフィーロをな」
ジェオがニッとした。
「今日は俺は訓練に出ねぇから、そう伝えてくれ」
「ジェオ!?」
ザズが驚く。
「じゃ、行こうぜ」
「お、おい!!ジェオ!!」
「NSXにはこう通達しておいてくれ。今日は休みだ、とな」
「お、おい!!…良いのかよそれで…」
というわけでいつの間にか光達はエスコートされてるが…。
「サボるのか」
タータの一言。
「んだとぉ!?」
ジェオに何かのスイッチが入った。
「俺は魔法騎士を案内するだけだ」
「だったら私たちがやっても良いだろうが」
「そうね」
タトラもアッサリと乗った。
「厳しい事から逃げたくなる気持ち、すご〜く分かるのじゃ」
アスカはウンウンと頷いた。
「アスカ様…」
サンユンがダラダラと涙を流していたのに気付いたのは風だけだった。
「あのなぁ…」
ジェオが何かを言いたがっている。
「言っておくが別にサボってるわけじゃないぜ」
『認めたも同然…』
「おい聞けって!!埋め合わせは明日以降するつもりだ」
「や、やっぱし…」
ザズが何故か肩を落とした。
「どうしたんだ?」
光が訊くと…
「2倍…いや3倍の厳しさになるんだよ…」
「しょうがねぇだろ。遅れを取り戻さねぇといけねぇんだからよ」
『さ、三倍…』
どれだけ厳しい訓練をしているのかは分からないが、辛いという事だけは分かった。
「命令…されてたんだ」
「じゃぁなに!?あなたは殺せと言われたからそのプレセアって人を殺したの!?」
「…そうだよ」
彼女の上がった手を取ったのは、フェリオだった。
「よせよ」
「放してよ!!」
「あいつは充分反省をしている」
「でも!!」
「あいつは二度と過ちを繰り返さないよう、お前を守ったんだ」