「ん?」
フェリオが何故か地上を見た。
「おい、あれ…」
「あ。リームだ」
「あら本当」
『知り合い?』
「えぇ。常連よ」
「そうか…そういえばそうだよな」
彼女と自分を照らし合わせる。
プレセアの常連客となっている自分だ。彼女もそうであってもおかしくはない。
砂漠の街。そこにいるリーム。
フェリオとアスコットはそれがどういうことか、分かっている。
「会ったかな?」
「さぁ…訊いてみないとな」
「会ったって、誰に?」
「この世界の招喚士さ」
「え?でもそれが関係あるの?」
『ま、ね』
二人の付き合いは長い。
「じゃ、行ってみますか」
「そうだね」
「え?降りるの?」
プレーリー、疑問。
「ちょっと確認したいことがあって、な」
「確かにこのまま素通りしたほうが良いんだろうけど、ね」
「は?よく分からないんだけど…」
プレーリー、困惑。
「ランティスはどうする?」
「寝る」
『…あっそ…』
呆れられた。彼は寝るまでの時間が少ない気がする。
ということで、カプセルは地上に降り立った。
「ねぇ、本当に置いていくの?」
「ランティスなら大丈夫だろ」
「寝込みを襲ってもすぐに倒しちゃうんだしね」
「襲ったの…?」
「あぁ。まぁ興味本位でな」
「でも逆に返り討ちにあっちゃったけどね」
クスクス笑い出すアスコット。
こいつら一体…となってしょうがないプレーリー…。
街中。
「よ。リーム」
フェリオが声をかけた。
「フェリオ…とプレーリー!?」
「お久しぶりね」
「どうしたんだよ!!お前まさかこいつらと一緒に旅を!?」
「えぇ。まぁ今日から合流、ってところね」
ニコッとしながら言うプレーリー。
リームの心が揺れそうだった。
(なんでプレーリーがいるんだ…!?)
「リーム、ちょっと話があるんだけど、良い?」
「なんだ?」
「まぁここで立ち話もなんだから、どっかに入ろうぜ」
フェリオの提案。
(マズい…人目についちゃこいつらを倒す事なんてできやしない…!!)
リームは焦っている。
だが、その様子にきちんとフェリオは気付いていた。
(やはり会ってるな)
セフィーロ等のことわざが分からないままだが、まぁ一行は外に出ようという事になった。
「GTO、Go!!」
「出でよ!!我が守護精霊、ジン!!」
「画竜点睛の術!!」
とまぁ得意技で。
もちろん、光、海、風はそれぞれの元対戦相手と一緒だが。
「そういやぁ訊いて良いか?」
「何?」
「ランティスは何をしてるんだ?」
「え?えぇと…」
夢の話らしい。
他国は知らない。プレセアの死を。
光達は知らない。プレセアの正体を。
「あいつは確かに体力、精神力、技術共に優れている。だがそれでも気になっちまうんだ」
「そうなのか」
「あぁ。まぁそれに、いい加減にあいつに追いつかないと、イーグルに笑われちまうからな」
クククとジェオは笑っていた。
「ジェオ…」
「セカイアではあいつらは上手くやってるのか?」
「え?えぇ…」
「ん?どうした?」
タータが覗き込む。タトラも覗き込む。
「な、なんでもないわよ」
「そう?何か気がかり、って顔をしてるわよ」
「…別に。なんでもないわよ…」
「ほぅ、王子は大活躍とな」
「えぇ」
「いいのぉ…わらわも行ってみたいのじゃ」
無邪気にそう言うアスカ。彼女もまた、伝説の真意を知らない。
風は言う勇気が無かった。彼女の憧れの人を殺したのは自分だ、と。
「のぅサンユン」
「はい。色んな事が経験でき、素晴らしい事だと思います」
「…」
無知ゆえの能天気。風は少しずつストレスを感じていた。
葛藤が彼女を襲う。
眼下に広がる、平和で美しい世界に気付くまでに時間がかかった。
居酒屋。昼間から飲むのか?お前らは…
「訊きたいことって…なんだ?」
少し焦っているリーム。
「君は、この国の招喚士と出会ったかい?」
アスコットの質問が、図星だった。
「…いや」
敢えて彼女は嘘をついた。
だがフェリオにはお見通しだった。
「そうか…ありがとう」
アスコットはそう言って席を立った。
「なぁ」
フェリオが問う。
「この辺で魔物が出やすい場所ってどこか分かるか?」
「え?」
リームに訪れたチャンス。
(北の砂漠まで連れて行けば、アリーナと組んでこいつらを倒せる!!)
「砂漠かもな」
『砂漠…』
ピーンと来た。
「よし、じゃぁ行こうぜ」
「え!?ちょ、ちょっと!?寄り道してて良いの!?」
プレーリーはそこにツッコミを入れた。
「もう少し…」
アリーナは少しずつカプセルに近づいていった。
「待っててね。敵は絶対に取ってあげる」
拳をギュ…と握り締めた。
ランティスは寝ている。彼女にとっての大チャンス。