「…」
ランティスはムクッと起き上がった。
「え?」
アリーナ、ストップ。
「…」
彼は明らかにこっちを見ている。
彼女は汗ダラダラだった。
(う、うそ〜…!!)
いやホントに。
「ねぇ、神殿を目指すんじゃなかったの!?」
「でもその前にやっておかないといけないことがあるんだ」
「何それ?」
「…ここの招喚士と話がしたい」
その会話を少しは聞いていたリーム。
自分の嘘がフェリオにバレていると気付くのはまだ先だった。
「この辺りか?」
「多分…な」
「俺たちの乗り物からはそうは離れてないんだな」
「そうだね」
「乗り物?あれか?」
「あぁ。モコナが出してくれたんだ」
「ふ〜ん…ってそういえばランティスは?」
「あそこで寝てる」
カプセルを指差した。
「…よく寝れるな…」
『ほんと、よく寝るよ…』
三人は頷いた。
でもモコナも寝てるんだけどね。
(こいつか)
セカイアの招喚士だと気付いた。
だって彼女は魔獣に乗ってるんだから。
ただ、フェリオ達からは見えない砂丘の反対側。
「おい」
「ひぃっ!!」
「話がある」
「な、何よ!!私の友達を殺しておいてまだ何かする気!?」
彼女は魔法を使う体勢をとった。
「魔獣招喚!!」
「…来る!!」
アスコットが構えた。
と、同時に…
カーンと音がなった。
『何!?』
アスコットとプレーリーが振り返ると、リームの剣がフェリオの剣と衝突していた。
『フェリオ!!リーム!!』
「やっぱりな…!!アスコット!!そっちは任せる!!」
「分かってる!!魔獣招喚!!」
パジェロ登場。
ほどなくして、セカイアの砂漠の魔獣が登場した。
「プレーリー!!手を出さないでね!!」
「え!?ちょっと何言ってるのよ!!大体、どうしてリームがフェリオを!?」
「決まってるだろ」
フェリオが言い切る。
「おい、招喚士はどこだ!!」
「誰がお前なんかに!!」
「招喚士!?セカイアの招喚士が今いるの!?」
「じゃないと、あの子は出てこないよ」
アスコットは冷静に言った。
パジェロに飛び乗り、セカイアの魔獣に対向しようとする。
「アスコット!!」
「プレーリーはフェリオ達をお願い!!」
「ちょっと!?もぅ!!勝手なんだから!!」
そういうと彼女は武器を取り出した。
三叉の刃が柄を挟んで二つついている、ツイントライデント。
「いい加減にしなさいよ!!」
分かれている部分を二人の剣に挟み込んだ。
「リーム!!一体どうしたの!?」
「別に、仲間の為さ」
『仲間?』
「あぁ」
「行くぞ!!」
アスコットは魔獣に指示を出す。
魔獣同士はぶつかり合い、そして互いに牙で威嚇しあった。
「どうだい?」
アスコットが何かを伺う。
魔獣は何か否定的なものを述べた。
「そうか…やっぱり、そうだろうね」
何か予想は当たった。
「でもそれでもやらなきゃいけないんだ。絶対に諦めちゃいけないんだ!!」
ランティスが立ち上がった頃、アリーナの姿はなかった。
瞬間移動をしただけの魔力の跡がある。
「…」
彼はその後、フェリオ達の傍にきた。
「ランティス!!ちょうど良かったわ!!手を貸して!!」
プレーリー、まだ頑張ってた。
「リーム」
「何だ!!」
「招喚士はもういない」
『え!?』
「それに、アレでは俺たちを倒す事はできない」
「何!?」
リームがバッと見ると、アスコットは余裕な表情を浮かべていた。
「…それで殺したのか」
「…仕方が無かった」
「…」
「一つ言っておこう」
フェリオが言う。
「以前お前が言っていた、村を襲った招喚士、恐らくお前の知り合いだぜ」
「なに!?」
「メルビルに命令されてたんだろうな」
「バ、バカな!!あんな気弱な奴が人を殺せるものか!!」
「死んだのか?」
「えっ…!?」
「氷使いと剣士も一緒にいたんだろ?だったらそいつが殺したかどうかなんて分からないだろ」
「…!!」
「まぁでも、どちらにしろ、真実は自分で訊いてみな」
「ばかな…でもアリーナがそんなことできるはずが…」
「アリーナ?」
「あ、あぁ…そいつはアリーナって言うんだ」
「そうか。貴重な情報をありがとよ」
「うわぁ〜…!!」
光はそれだけ言えば充分だった。
セフィーロは魔物が出やすい状態だが、こうやって見れば平和に見える。
「この前もそうだったけど、やっぱり平和なセフィーロは良いわねぇ」
「そうですわね」
海と風も満足そうな顔になった。
先ほどの葛藤と不安を忘れたかのように。
「お…と」
ジェオが何かに気付いた。
「どうしたんだ?」
「ん?いやなに、魔物が出ただけさ」
「魔物が!?」
「心配するなって。コイツで充分だ」
GTOの手が開いた。