「ねぇ」
「何だ?」
「モコナに出して貰いなさいよ」
『あ』
「ぷぅ」
モコナ、忘れ去られていた?
フェリオ達は野宿しか考えてなかった。
それはプレーリーが宿に泊まるから自分たちはテントで寝れる、とは考えてもいなかったからである。

「そういえばそうだな」
「じゃぁモコナ、頼むよ」
「ぷぅ!!」
モコナの青い額飾りが光った。
そして…

「おいおいおいおい…」
宿の亭主にヒンシュクを買ってもらったようだ。

「からかいに来たのかお前達」
『いえいえとんでもない』
すぐさまモコナにしまわせた。


「ぷぅ〜…」
モコナ、不機嫌。

「ま、まぁまぁ…お前は悪くないって」
「そうだよ」
「ぷぅ」
まだ機嫌が直っていない。


砂丘。ここでモコナに再びテントを出して貰った。

「さて、寝る…」
『ん?』
二人が覗くと…
ランティス、爆睡。

『お、おいおいおいおい…からかってるのか?』
二人は呆れながらツッコんだ。

「ま、まさか」
「モコナがしまったときに…」
『ランティスも!?』
一体どんなことになってるんだよ、と男二人は呆然としていた。

「ウ、ウミ達の旅もこうだったのかな…」
「知るか…」





「あの子…泣くやろなぁ」
「あぁ」
「大切な友達やもんなぁ」
「あぁ」
「…」
カルディナ、プツッとな。

「あんたは『あぁ』『あぁ』ばっかかいな!!」
「ん?なんだ?」
「ウチの話を聞かんかいアホンダラぁ!!」
プツッ→ブチッとな。

「す、すまない…戦いに集中していたからな」
「たく…これやから筋肉バカは」
「す、すまん。…アスコットか…あいつには何と言うつもりだ?」
「んなもん思いつかへんっ」
「ならば、正直に述べるしかないか、な…」
「せやけどなぁ…帰ってきていきなり大泣きされるんも…」
「…それがセカイアでの出来事でない事を祈るしかない、な…」
「…せやな…」

『カルディナ!!』
「ウミ!!それにお姫様方!!」
ジンは降りた。

「お前なら魔獣と魔物の区別がつくかもしれな、とウミが言っていたからな」
「う〜ん…せやけど…ウチもあんまし区別がつかん、ちゅうんが本音ですわ」
『え?』
「確かにウチらはアスコットとよぅけおるしあの子の友達ともよぅおります。せやけど、魔物か否かというんはちぃと…」
「不用意な攻撃はしていませんが、私も自信がありません」
だからラファーガは集中していた。
剣士の感じる、生き物かそうでないかの何かの違いを少しでも敏感に感じる必要があるから。
だが彼を持ってしても、という事態になっているのかもしれない。

「…」
海は自分のアテが外れた事に何も言えなかった。
このままではまた繰り返されてしまうかもしれない。
アスコットにとって、自分より大切な存在だから、失ってはいけない。
でもクレフも…自分を一番だと思っていない…それが海を追い込む。


「GTO…?」
クレフが気付いて…

『フウ!?』
巨大フウにビックリ。

「クレフ!!」
「クレフさん!!」
『…なんだ…』
本物登場に微妙に安心したクレフ達だった。

「どうじゃ?よく似てるじゃろ?」
アスカ、飛び切りの笑顔で言い放った。

「クレフ、相談があるんだ」
「…大体の見当はついておる。だが、私が言ったところで聞くかどうか…」
『え?』
「この三年間、アスコットの修行を見てきたが、あまり接していないのだ」
「どういうことですの…?」
「分からぬ…何か言いたい事があれば言えと何度も言ったが、言ってもらっていないのだ」
『…』
(それって…)
(恋敵だからでしょうか…)

そして
((本当に弟子に恵まれていない…))
彼の苦悩を思い知った。

「ウミはどうした?」
クレフの言葉にプレセアがハッとした。

「カルディナ達のところに行ったんだ」
「そうか」
彼は普通にそう返した。
プレセアは彼の想いが誰に向けられているのかを知らない事が嫌だった。
だが知りたくてもそれができない。自分がそうではないと知った時のショックが大きすぎるから。
不安が葛藤を生み、葛藤が不安を生む。
いなくなった者のせいで起こる不安、再び来た者のせいで起こる不安。

「ヒカル、フウ。お前達の気持ちは分かる」
クレフは彼女達の気持ちを一番分かってあげられる。
いや、彼はそれを義務としている。伝説の後悔。

「だが、彼らがいつ帰ってきても良い様にしておかなければならないのではないか?」
「うん。帰ってきたら魔物だらけでしたなんて」
「追い討ちをかけるようなものですからね…」
『!!』
「追い討ち?なんだそりゃ?」
ジェオの言葉に風はハッとした。

「何かあるのかや!?」
アスカは風のすぐ傍にいる。

「…なんでも…ございませんわ」
「なんだと!!」
「キャッ!!」
ジェオが風の胸倉を思い切り掴んだ。

「風ちゃん!!ジェオ!!」
「てめぇ…」
「ジェオ!!フウに何をするのじゃ!!」
アスカ、ご立腹。

「るせぇ!!」
彼の顔は険しかった。

「何…隠してやがる…!!」
「く…ですから…なんでも…」
「ジェオ!!風ちゃんを放すんだ!!」
「そうじゃ!!フウを離せ!!」
「追い討ちってなんだよ」
ジェオは無視して風を睨みつけた。

「不安を抱えたままじゃ魔物は多く、強くなる。それにまたデボネアのようなものを生むかもしれねぇ…」
『!!』
「それに、ランティス達に何が起こるっていうんだ?」
拳の力が強くなっていく。

「うぐっ…く…」
風はどちらにせよ苦しんでいる。

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