朝日が上り始めようとした頃、ガラスに何か当たった。

「ん…?」
リームはそれに気付き目を覚ました。

「なんだ…?」
窓を見れば、何か紙が貼り付けてある。

「…?」
窓を開け、それを見ると…

「!!」
リームは一気に体も脳も起きた。

「何…?」
プレーリーが目を覚ました。

「…いや、何でもない。…もう少し寝てな」
「うん…」
リームはプレーリーの頬に手の甲を当て、プレーリーは再び夢の中に。


物音一つ立てぬよう、慎重に歩き、ドアにも警戒した。
彼女はまだ目覚めぬ街を走り抜けた。





「……」
海は外していた腕時計を見た。まだ夜明け前。

夢の中身が引っかかった。
セカイアでの彼等の日記だけではない。

(私の夢とアスコットの夢が繋がってる…?どうして…?)
でも思い出した。

(でも…私たちの事はあまり分かっていないみたいな事を言ってたわね…セフィーロにいることも…?)

横で寝ている二人を見た。

(光も風も…そうなのかしら…)

ならば考えざるを得ない。

(私は…どっちを好きなの…?)
その瞬間、プレセアの言葉を思い出した。
突き刺さり、抜けない言葉。


中途半端な想いの人になんか



クレフは朝日を眺めるために起きた。
だが彼の視界に入ったのは、遠くでオートザムのファイターメカが動いていると言う事だった。

「ジェオ…」
彼の行動に感謝、そして申し訳なさを感じた。

シエラが訪れた時、クレフは精獣を呼び出した後だった。

「導師?」
「プレセアか…どうした?」
「あ、いえ…どうなさったのですか?」
「ジェオが戦っている」
「え?」
「プレセア…私は…どうすれば良い…?」
「え?」
「伝説の事を話すべきかどうか…まだ…な」
「それで…おやすみになられなかったのですね」
顔を見れば分かる。クレフは少し恥ずかしそうな笑みを浮かべた。

「導師はおやすみください」
「だが…」
「私が行ってまいります」
プレセアは精獣の手綱を握った。

「プレセア…」
「私があなたにできることは…こういうこと位ですから」
切ない笑顔は朝日に染まり、その後飛び立っていった。

「シエラ…」





砂漠。と言っても魔法騎士のテントは見えない。

「アリーナァァ!!」
リームは思い切り叫んだ。
すると、砂が思い切りゴゴゴゴゴ…と音を立てた。
そして10秒もしないうちに魔獣は浮上し終わった。

「おはよう、リーム」
彼女は明るい笑みを浮かべた。
だがその笑みを裏切るなど、リームは想像もしたくなかったが…

「で、魔法騎士は?」
「…すまん」
「え?」
「あいつらは…来ない」
「え!?」
「魔神を求めに飛び立ってったんだ。伝説を一刻も早く終わらせるためにな」
「なんですって!!どういうこと!?」
「…俺が…そうさせた」
「!!?」
「俺は…お前とあいつらは戦って欲しくないんだ」
「え?」
「お前がメルビル側の人間だっていう事は知ってる。いずれはあいつらと戦うだろうことも…な」
「当たり前じゃない!!私は友達をメッタ切りにされたのよ!!」
「どうしても…あいつらと戦う気か?」
「えぇそうよ!!」
「…じゃぁ、俺を倒してからにしてくれよ」
そういうと彼女は剣を出した。

「そう…」
アリーナの目は涙で潤んでいた。

「あなたも…結局私を…!!」
悔しさよりも悲しさが優っていた。

「許さない…!!行っけ〜!!」
彼女に応える様に魔獣が猛スピードでタックルを仕掛けてきた。

「くっ…!!」
かわそうとするが、容易ではない。
何せ相手は横にも上にもでかい相手だ。避けるのにそれなりの速さが求められる。
だが、ここは砂しかない場所。体重をかけると足が砂にめり込む。
また、走るために蹴り出したエネルギーは数え切れない程の砂が動く事により多くを浪費する事になる。

「ぐわぁ!!」
結局避けきれず、彼女の体は横に放り出された。
砂が服やズボン、靴の中に入っていく。
いや、口や鼻、耳にも入った。

「くっ…」
ベッと砂を吐き出す、が、全部を吐き出す暇は無い。

「!!…どこに行った!?」
気付けば自分をぶっ飛ばした魔獣の姿はそこにはなかった。

「…潜ったか…!!くそ…!!どこだ!!どこにいる!?」
辺りを全て見回し警戒した。
だが体が強張っている。
いつ、どこから襲われるのかが分からない恐怖。

砂が動いた。

「下か!!」
だが気付いた時には遅かった。
魔獣は口の先でリームを空中にぶっ飛ばした。

「うわ!!」
空中で感じる、G。
その向きが変わる事により、リームは何かを悟った。

「死んだな…俺…」
チラッと下を見れば、魔獣が大きく口を開けている。

「…喰われるのかよ」
諦めていた。
そして思った。

「俺も…信じてたのにな」
彼女が人を殺していないと信じていた。
だが、それは裏切られたんだと悟った。

「裏切り…裏切られる人生か…ヤだな…」
目尻に涙が浮かんだ。

その時だった。横にGを感じたのは。

「え…?」
「全く…危ない危ない」
「な…!?フェリオ!!アスコット!!」

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