「セフィーロの魔法騎士の名だ」
『セフィーロの…!?』
「あぁ」
フェリオの表情が少し変わった。

「アスコットと戦ったとき、フウの剣が魔獣を倒したんだ」
「そ、その剣ってまさか…」
「あぁ。エスクードだった」
「じゃぁイケるじゃない!!」
「いや…」
リームがフェリオを少し睨んだ。
何故ならそれは砂の中…(何度言うんだ…)

「あとエスクードを持っているのはランティスとアスコットか」
「あ、ランティスなんだけど…」
『何だ?』
「セフィーロから精獣を呼ぼうとして失敗しちゃったみたいなの」
「何!?どういうことだ!?」
フェリオは信じられないという顔。

「何故だ!?ランティスはアスコットを超える腕前だぞ!!アスコットにできることがランティスにできないはずがないだろ!!」
彼の強さは知っている。

「アスコットは心を使い切ってしまうとはいえセフィーロから魔獣を招換できるんだ!!だったらランティスにも!!」
「私に怒鳴らないでよ!!」
プレーリー逆切れ?
まぁ確かに彼女の主張は正しいよね。

「…すまん」
フェリオは少しぺこりとなった。

「…そうだ…アスコットがいるじゃないか!!」
「そいつを起こすとまた面倒だぞ」
リームの忠告。フェリオはウッとなった。
アスコットは魔獣を救う道を見出そうとしていた。
まさか殺すために剣を招換してくれなぞ頼めるはずもない。
"覚悟"を決めたフェリオは剣を構えた。

「フェリオ!?」
「やるしかねぇよな」
「リーム!?ちょっと待って!!さっきも言ったでしょ!!あなたたちの」
『んなこと分かってる』
プレーリーの言葉を遮った。

「確固たる意思があればヤれる筈だ。…剣が折れても」
二人の瞳は力強かった。

『行くぜ!!』
二人はアスコットのから飛び降りた。

「フェリオ…!!リーム…!!」

「これで最後なら…」
「これで、決まれぇぇぇ!!」
『うぉりゃぁぁぁぁ!!!』
彼らにとって、最後の攻撃…





「どうした?」
クレフが問う。

「クレフ!!魔神が出ないんだ!!」
「何?」
「何度呼んでも出てこないのよ!!」
「以前ならすぐに出てきたんですが…魔神に何かあったのでしょうか…?」
「…私にも分からない」
『え?』
「伝説の魔神は私も実はあまり知らないのだ」
「クレフでも!?」
「あぁ…伝説の戦いで私が知っていたのはあの二人の想いだけ…モコナや魔神の事はほとんど分からなかったのだ」
「そうなのか…」
「では…魔物退治は」
「精獣を出す。精獣招換!!」
クレフの杖からグリフォンが出てきた。
三人はそれに乗った。

「クレフは!?」
「私のはすでに出ている」
彼はそういうと彼のグリフォンに乗った。

『…』
複雑な思いで三人は精獣に乗った。

「レイアース…」
「セレス…」
「ウィンダム…」


魔物退治に行く。
不安の具現化であるそれは、今回生み出したのは主に光達だった。
他の住民よりも強い心を持つ彼女たち。
それ故、彼女たちの生んだ魔物は他の魔物よりも強力だった。

「赤い稲妻!!」
「蒼い竜巻!!」
「碧の旋風!!」
自分の不安を消すかのように、彼女たちも強力な魔法を使った。

「うぉぉりゃぁぁぁ!!!」
ラファーガの剣圧で魔物は数体真っ二つになった。

「はっ!!」
プレセアも魔物を一閃した。
いやシエラ。彼女もまた、自分の創った武器の性能を引き出すことができる。




響き渡る音。視界に入る金属片。
剣が限界を越えた瞬間。
彼らはスローモーションでカケラを目で追った。

少しだけ"外殻"が凹んでいた。
最後の最後に見せた剣の意地。
だが、それだけであった。

『そ…んな…!!』

パーダーの尾が襲い掛かる。

「ぐぁぁぁぁ!!」
「ぐぅぅぅっ…!!」

二人はそれぞれ離れるように飛ばされてしまった。

「くっ…リーム!!」
フェリオは気づいた。
彼女のほうが狙いやすかったのだろうか。

「…!!」
リームは動けなかった。
戦う手段がもうない。
愛剣はあの外殻に壊されてしまった。
純粋たる剣闘士の宿命か…。

「リィィィィム!!」

その時、砂が光った。

「砂が…!!」
「ぷぷぅ!?」
モコナもびっくり。

「ギュアァアァ!?」
パーダーもいきなりの事に困惑するしかなかった。

「なんだ…?一体何が…!?」
「まさか…!!」
フェリオは微妙に似てることに気づいた。

「剣が…来る!!」
「え!?」
プレーリーは倒れている二人を見た。
だが、彼らがそんな事をした様子はない。

わずかに砂を盛り上げ、そして切り裂くように、してそれは出てきた。

『エスクード!!』

遠い場所からフェリオめがけて飛んできた。
だが、パーダーが"通せんぼ"的に身を乗り出してきた。
正直に言えばバカにしている。今までの"物理攻撃"が一個も効いていないのだから。
だが、今度の相手は…

『!!』
飛んできた剣は、パーダーなど、気にもしていなかったようだった。
体を横から突いたそれは、そのまま貫通してしまった。
だが、その血や体液は剣には付いていないまま、持ち主の手に飛んできた。
フェリオはそのままグリップをパシッと掴んだ。

『…』
剣を見て、パーダーを見た。
魔獣の瞳に光りは宿っていなかった。

こうして、皆何か呆然としながら戦いは終わった。
戦闘終了時刻、0657のことであった。

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