セカイアの雨はやまなかった。

「おはよ〜」
「ぷぅ!!」
自作の仕切りのドアを開けて挨拶したプレーリー。

「おはよう」
「…あぁ」
「もう大丈夫なのか?」
「えぇおかげさまで」
プレーリーはニッコリ笑った。

朝食食べながら

「どうやって越えようか」
「迂回する?」
「それだと時間がかかりすぎるわ」
「でも岩山の上を行くと吐くだろ」
「………」
『うわぁ!!』
釘バットに近いモノを右手に。

「行くべき方向はあっちか」
「ぷぅ」
あんたら無視したんなや…
ランティスはその方向の空を見た。

「ランティス、何かあるのか?」
「…いや、思いつかない」
「そうか…」
フェリオは後頭部を掻きながら悩んだ。
彼は自分で認める頭脳の持ち主だ。

「地図を出せるか?」
「ぷぅ」
「…」
情報収集は最低条件。
フェリオはくまなくそれを見る。それで何か分かるのか?

「はぁ〜ぁ…分かったわよ!!」
『え?』
「我慢すればいいんでしょ我慢すれば!!」
「プ、プレーリー?」
「ほら、さっさと行くわよ!!」
「お、おいでも…」
「今の必要はないだろう」
『え?』
ランティスの一言に皆振り返る。

「雲の流れを出せるか?」
「ぷ、ぷぅ?」
「雲のない切れ間を縫えば、それほど苦労はしないだろう」
「なるほど…」
「さすがランティス!!すごいよ!!」
…あれ?さっき…

「くっ…」
フェリオ、剣の腕のみならず…完敗。
だがそれが彼を強くするのは疑いようのないことである。

「じゃぁそれまで、待つしかないね」





「ぷぅぅぅぅ!!」
『うわぁぁぁ!!』
「な、なんだ!?」
「何なの一体!?」
「まさか火事!?」
「ぷぅ!!」
『え?』
見てみれば…

「ぷぅ!!」
シュタッと手を挙げ挨拶するモコナ。

「な、何があったんだ!?モコナ!!」
「何!?火事!?地震!?」
「ぷぅぷぅ」
首ないから体ごと横にブンブン

『へ…?』
「もしかして…モーニングコールでしょうか…」
「ぷぅ!!」
正解!!と言いたいそうな。

「あ…のねぇ…」
海、拳がワナワナ…

「ややこしいことするなぁぁぁ!!」
「ぷっぷぷぅぅ!!」
恒例の追いかけっこ開始。

「う、海ちゃん…」
「朝から大変元気ですねぇ」
のほほんとしてる風はマイペースで着替えていた。

「待てぇぇぇ!!」
「ぷぷぷ〜!!」
「…そうだね」
光は風の言葉にハッとしたが、笑みが出た。

「良かった…元気になって」
「えぇ…ですが…」
「え?」
「今日このまま…かどうかは、まだ分かりませんわ…」
「風ちゃん…」
ここにいて思う。自分たちは仲間のために何かできるのか。

「モコナは…凄いね」
「えぇ…見習わなきゃですね」
「うん」

よぉやく息切れして帰ってきた海とモコナ。

「まったく…朝から何で運動しなきゃいけないのよ」
「ぷぅ…」
疲れた〜…とクタ〜モードの二人(?)
それを見て思わずクスクス笑う二人だった。




「今日こそ…絶対やっつけてみせる!!」
気合十分。

「昨日のうちに仕込んだんだもの。絶対上手くいくわよね」
彼女の問い、いや自信に魔獣はコクンと頷いた。

「アリーナ」
「メルビル!!」
突然現れてビックリ。

「上手くやれるか?」
「まっかせて!!…ううん、やらなきゃいけないの。あの子達の仇だもの!!」
「そうか」
ポンと頭に手を置き、彼は去った。

期待に応えなきゃいけない。
アリーナがメルビルの下にいるのは運がいいかもしれない。
周りから忌み嫌われてきた魔獣たちをも彼は受け入れてくれたから。
だがそれは利用されているだけかもしれないことを彼女は知らない。
目的のためなら手段を選ばない、いや、選べない男の下にいるのだから。
それよりも仇を討ちたい。
アパッテ、パーダー…彼女の大切な友達は異世界から来た男たちに敗れた。
人間よりも大切な存在。それを殺されて黙っていられるはずがない。
だが彼女は知らない。同じようなことをした男が辿った道を。
そしてそれが悲劇を重ねていたことも。


「上手くやれると思うか」
「さぁな…自信はあるようだがまだ子供だからな」
「作戦としては悪くはない。けど」
「失敗したらどないする気や」
「それはあいつ次第だ。それまではお前たちの出番はない」
「なんやそら。おもんないなぁ」
「ここで一気に畳み掛ければいいだろうが」
「いや。それでは相手の真の実力が読めないだろう」
「捨て駒…ということか」
「そんな…!!」
「そうなるかどうかはアリーナ次第だ」
かかるプレッシャーは本人の予想以上に大きいものだった。

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