1999年9月
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[1日目]

 時計の針はもうすぐ現地時間の夜12時を指そうとしていた。
 飛行機のタラップを降り、滑走路の側にあるわずかばかりの照明灯が照らす薄明かりの中を建物のほうへと歩いていった。
椰子の葉で屋根を葺いた平屋の建物の中に入ると、
        
入口のところでタヒチの民族衣装を着た若い女性が手に持った籠から一輪の白い花を取って差し出してくれた。
        
 辺り一面にジャスミンの甘い香りが漂っていた。
 奥のほうから民族楽器の演奏と歌声が聞こえてくる。
 ギターのような楽器が奏でるボロンボロンという昔を聞きながら、長い間憧れだったタヒチに今居るのだという思いで、嬉しさと夢を見ているような思いと長旅の疲れとが僕の頭の中をぐるぐると駆け回っていた。
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