[2日目]
タヒチは以前フランスの植民地だったということで、今も公用語はフランス語を使っているそうだ。
朝食を食べようとホテルの外に出ると、パペーテの町並みは通りにカフェが有ったり、白人が歩いていたりして、フランスの田舎町を思わせる雰囲気がある。
道路に沿った港の岸壁には沢山のヨットが係留してあった。
カフェの外のテーブルで、そんな景色を眺めながら、クロワッサンを食べオレンジジュースを飲んだ。
食事を終えて、近くのマルシェ(市場)に一歩足を踏み入れると、そこは紛れもなく南太平洋だった。
バナナや椰子の実・タロイモなどを山積にして売っていて、椰子の葉で編んだバックや
カラフルなパレオ、黒くて長い干したバニラの実など見たこともない珍しいものが沢山ある。
マルシェの外の露店ではフランスパンのサンドイッチやジャスミンの花などで作った髪飾
りを並べて売っていた。
店番をしている太ったおばさん達は、客が立ち止まって見ていても、売れても売れなくても関係ないかのようにおしゃべりに夢中だった。
天気が良く、海の向こうにモーレア島が見えていた。
僕たちもフェリーで遊びに行くことになった。
日曜日だったせいも有るのか、フェリーの中はスクーターに乗った若い人などでデッキまで一杯だった。
モーレア島まで高速フェリーで約40分程かかった。
僕は一番上のデッキまで昇って、手すりに寄りかかり海を眺めていた。
突然、デッキにいた人々が海の一点を指さし、いっせいに声を上げた。
その方向には、鯨が潮を吹き上げながらゆっくりと泳いでいくのが見えた。
島に近づくにつれ、青い空にぽつぽつと浮かぶ白い雲と、高くそびえるバリハイの山、海岸沿いまで生えている椰子の木、緑から青へと四段階位に色が変わる海に砕ける白い波、それらが昔見た映画のワンシーンのように迫ってきた。
港に着き、レンタカーを借りて島を一周することになった。
小高い丘の上から、リーフの中に錨泊しているヨットや、椰子の葉で屋根を葺いた海面に浮かぶホテルのコテージが見える。
クック湾にあるバリハイクラブのバーで、海面からそびえ立ち神が住むという頂きに白い雲がかかったバリハイと、その下に広がる海に錨泊しているヨットを眺めながら、冷たいヒナノビールを飲んだ。
大きな船を改造した水上レストランでシーフードの遅い昼食を食べ、桟橋で椰子の果汁
を飲みながら帰りのフェリーの到着を待った。
夜、パペーテの町のビアレストランに地ビールを飲みに行った。
隣で飲んでいる人が食べているビザが美味しそうで、同じものを注文したら生地の薄い美味しいビザだった。
夜の町をぶらぶら歩いていくと、港の広場に屋台がたくさん出ていた。
日本人かと思ったら韓国のマグロ船の乗組員で、「久しぶりに寄港したので韓国から呼んだ家族と食べるのだ」と言い、沢山の串焼(牛の心臓)を買っていた。
「韓国人はマグロを食べるのかい」と聞いたら、「獲ったマグロは日本に売るのだ」と言った。
屋台のあちこちに、「チャーメン」と書いた看板が出ていて、のぞいてみると中国人風
の人が中華鍋で焼きソバを作っていた。