[6日目]
朝、目が覚めると頭上のハッチから青空が見える。
外へ出てみると快晴で風もなく、
早々にタハア島に向け出航することになった。
ライアティア島とタハア島は同じラグーン(サンゴでできた環礁)の中にあるので、外
海のようなうねりはなく、
椰子の木の生える海岸や青緑色の海に続くリーフに砕ける白い
波を眺めながらヨットは進み、小さな入り江の奥にアンカーを入れた。
入り江の入口にはたくさん実をつけた大きな椰子の木が何本もはえ、もう一隻白いヨッ
トがアンカーリングしている光景は、絵ハガキそのもので、何度もカメラのシャッターを
押した。
そこで昼食を済ませてから、いよいよボラボラ島に向け出航した。
ラグーンの狭いチャンネル(船の航行ができる珊瑚礁の切れ目)には、大きな波が白く
砕けながら押し寄せていた。
チャンネルにさしかかるとシーガル号はうねりで大きく揺れ、船首が大きな波に突き刺さるように突っ込むと、海水が船のデッキを洗うように流れた。
ボラボラ島まで、ほぼ真横からの風を受け4時間程の航海だった。
空は晴れているが外海は風が強くて波も高く、時々大きなうねりが来てヨットは大きく
揺れる。
久しぶりの晴れ間を待っていたのか、ライアティア島からボラボラ島へと向かうヨット
がシーガル号の前や後ろに3隻ほど見える。
白く砕ける波間を海鳥が飛びかい、マヒマヒ(シイラ)を狙う漁師の小さなボートがトローリングをしながら走っているのが見えた。
うねりの向こうに浮き沈みしていた大きな岩山のようなボラボラ島の島影が少しづつ濃
い線色になり、次第に大きくはっきりと見えてきた。
ボラボラ島のラグーン(珊瑚の環礁)の中に入るとヨットが航行できるだけ水深がある
ところを選び、船首に見張りを立て水深計を見ながらゆっくりと進む。
島影の風の当たらない水深8m位のところに10隻くらいヨットが錨泊していて、シー
ガル号もそこに錨を入れた。
早速、ゴムボートで近くの砂浜に上陸すると、そこには椰子の木が沢山はえていて、椰
子の実が今にも頭の上から落ちてきそうに辺り一面にゴロゴロ落ちている。
海に潜ると、珊瑚の固まりの中に緑・青・茶など色とりどりのシャコ貝が見えた。
夕暮れ時、たなびく雲を茜色に染めてタヒチに来て初めて海に沈む夕陽が見え、
日が暮
ると夜空の雲の切れ間にサソリ座と南十字星がくっきりと見えた。
生まれて初めて見た南十字星だった。