[8日目]

 朝、ボラボラヨットクラブ   ボラボラヨットクラブ に移動しブイに係留する。
 椰子の葉で葺いたヨットクラブの天井には、ここに立ち寄った世界中のヨットのペナン トが飾ってある。   天井からぶら下がるペナントを見ていくうちに、その中に20年前に初代シーガル号が来た時に置いていった北海道の地図の付いたペナントが下がっているのを見つけた。
  クラブハウスのレストランで、 タヒチ最後の食事になる昼食を食べた。
  野菜サラダと生の魚をココナツミルクで和えたポアソン、ココナツミルクの入ったカレー 大きな器に入ったロブスターのスープ、フランス料理のタヒチ風といった感じで、とても 美味しかった。
 食事をしている時、同じようにここのブイにヨットを係留している外国人が話しかけて きて、ここにどれ位居るのだと聞くので、僕たちは一週間のバカンスだと言ったら、「一週間のバカンスはアメリカ人と一緒だ。ドイツ人は2〜4週間で、イタリアとフランス人は2ヵ月だ」と言われた。
クラブハウスのテラスで、   タヒチの若い女性の絵の付いたヒナノビールのグラスを傾けながら、 タヒチ最後の一日を名残り惜しく思いつつ、 シーガル号が浮かぶ海を眺めていた。

 あっという間に日本に帰る日になってしまっていた。
 僕らはまるで、 竜宮城にいる浦島太郎のように、 帰る日を忘れて楽しんでいたのだった。   ボラボラ島から乗ったプロペラ機の中で、 僕の隣の席にタヒチ人の若い男が座っていた。
 ふと見ると、半袖半ズボン姿の僕の腕と太股の色は彼と同じ色になっていた。

                 (完)